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深い睡眠、より良い睡眠を取るコツを、ウェルネスの専門家たちがアドバイス
ウェルネスに定評のある世界的リゾート「シックスセンシズ」から届いた、深い睡眠のためのアドバイスに耳を傾けよう。
世界中がコロナと共存しながら生きる新しいライフスタイルを模索する昨今。引き続き免疫力を高めるために毎日の生活の中でできることは? 自然派ラグジュアリーリゾート「シックスセンシズ」のウェルネスの専門家たちが、免疫力アップに最も重要な睡眠をサポートするアイデアを公開。世界中のウエルネスリトリートを体験取材し続けているトラベル&スパジャーナリストの板倉由未子さんが取材した。
十分な睡眠をとるために必要な3大栄養素
ホリスティック栄養学を修め、「シックスセンシズ」の飲食哲学である「Eat with Six Senses」を立ち上げたディレクター、セリア・ラムは語る。
「免疫システムを構築する上で、最も大切な役割を果たすのは睡眠。個人、また住居地域によって異なりますが、7.5時間くらいの睡眠時間が理想的でしょう。この時期、より早く眠りに落ち、熟睡をサポートする栄養素をとることは重要です。
これから挙げる3大栄養素を意識的に摂取して、ストレスを軽減しながら不安を落ち着かせ、質のよい睡眠を確保して」
マグネシウム、L-トリプトファン、メラトニン
マグネシウム
「血管や筋肉をリラックスさせることをサポート。ダークチョコレート(カフェインが含まれているので、午後2時までに)、くるみ、アボカドは、理想的なマグネシウムの供給源。
また、バナナは農薬が使われていないオーガニックなものを購入して、実を食べるだけでなく、その3倍ものマグネシウムが含まれている皮も活用したいところ。1カップの沸騰したお湯に、皮を3~5分間入れて取り出すと、心を落ち着かせるお茶に」
L-トリプトファン
「脳内で働く神経伝達物質セロトニンは、感情や気分のコントロールし、精神の安定に深く関わっています。その分泌を促進するのがL-トリプトファン。
七面鳥、油性魚(もしくはオメガ3脂肪酸のサプリ)、ナッツや種子(水に浸してから食べると消化率アップ)などに含まれている。乳製品にも豊富に含まれているが、食物過敏症やアレルギーを引き起こす可能性もあるので、ブロッコリーなどのアブラナ科の野菜や、ホウレン草などを食べる方が安全でしょう」
メラトニン
「睡眠と覚醒のサイクルを調節し、不眠症を克服するのに役立つホルモン。アスパラガス、ザクロ、タルトチェリー(スミミザクラ)の果汁、米、大麦、オーツ麦などに含まれています」
睡眠を誘う、お風呂の入り方
エネルギー医学やカウンセリングを学び、スパ業界で20年以上のキャリアもち、スパ部門でトレーニング ディレクターを務めるタミー・デントは語る。
「おうちで簡単に実践できるリラックスバスを以下にご紹介します。バスルームにはPCやスマホは持ち込まず、水分補給のために冷たい水かハーブ水を準備してください。
可能なら、キャンドルに火を灯し、瞑想音楽をかけ、お気に入りのクリスタルを飾れば、理想的なヒーリング空間に。この“儀式”を通して、マイナスなエネルギーが体から離れていくことを想像しながら、至福のバスタイムを」
6人の美容エキスパートが伝授する、バスタイムに完全リラックスする方法
おすすめ! カモミール ティーバッグ バス
ハーブティーとして飲むだけでなく、湯船にカモミールのティーバッグを入れると、心身を落ち着かせるお風呂に。さらにしょうがも浮かべれば、発汗&解毒作用がプラスされる。
材料:カモミールティーのティーバッグ 5~6袋(オーガニックなもの)しょうが(スライスする)1片
作り方:バスタブにお湯を溜めて、ティーバックとしょうがを入れる。
就寝前に行いたい睡眠導入セルフマッサージ
「ベッドのふちに腰掛け、頭部のマッサージを。眼窩、頭、首の緊張が解けリラックス」
1 左右の手の指を左右の眉毛に置き、やさしく押す。
2 深く息を吸いながら、すべての指で髪をとかすように、頭のてっぺんを通って頭蓋骨の付け根の後頭骨に達するまで後方にスライドさせる。
この動きを10回繰り返す。
快眠のために守りたいこととは?
世界的なウェルネスリゾートやシックスセンシズでもスパディレクターとして活躍してきたウェルネス部門の副社長であるマーク・サンズによれば、
「快眠のために最も重要なことは、毎日同じ時間に起きて同じ時間に寝ること。就寝時刻を念頭に、睡眠スケジュールを守ることです。
規則的な睡眠リズムがあると、体内時計が同期と身体機能が同期して、さわやかな目覚め、スムーズに眠ることが自然にできるようになるのです」
より良い睡眠のための3つのルール
1 毎日就寝1時間前に行うルーティン
「最低就寝1時間前には、寝室内にあるデジタル機器をオフに。スマートフォンやタブレットなどから発せられるブルーライトは脳を覚醒させ、結果より長く目覚めていることになります。
その後、温かなシャワーかお風呂でリラックスし、ベッドに入り、温かなハーブティー(カモミール、バレリアンルート、ラベンダー、レモンバームなどがおすすめ)を飲みながら読書を。これを行えば、高い確率で朝まで眠れ、元気に目覚めることができるでしょう」
2 毎朝日光を15分浴びること
「朝起床してから2~3時間以内、朝食の前後どちらかに、日光の下で約15分間の散歩を。睡眠ホルモンであるメラトニンの生成が促進されます。
人の体内時計(概日リズム)は24時間のスケジュールで実行され、明暗の規則的なパターンを感知した時に、最適化されるようになっているのです」
就寝直前のアルコールは、レム睡眠の妨げにも
3 午後2時以降のカフェイン、就寝3時間前にはアルコールもやめる
「カフェインのとり方はとても重要。コーヒー、紅茶、緑茶などのカフェイン飲料は、午後2時までに。そしてアルコールも、就寝3時間前までにはストップしたい。
とったカフェインが半減するのには約8時間かかります。時間の経過とともにカフェインのレベルは低下しますが、システムにはある程度覚醒作用が残り、眠りに落ちたり、質の良い睡眠をとることの妨げに。
また、アルコールを飲むと眠くなるものの、脱水症状を招き、夜間に起きてしまうなど、ぐっすり眠ることができなくなりがち。
よく知られているように睡眠には、脳も体も休息している深い眠りのノンレム睡眠と、脳は起きていて体は眠っている、浅い眠りのレム睡眠があり、一晩の睡眠中にノンレム睡眠とレム睡眠を約90分周期で繰り返します。
就寝前にカフェインやアルコールをとると、記憶を保存して整理するレム睡眠が少なくなり、 それが続くと、脳と体に壊滅的な影響を与える可能性が高まるといわれています」
眠りのための3つのレシピ
<1.マグネシウムのレシピ>
チョコレート ポット ドゥ クレーム
チョコレートの濃厚なデザートを食べたような満足感がありながら、ヘルシーな簡単デザート。カカオパウダーやダークチョコレートにはカフェインが含まれているので、睡眠を妨げないために、午後2時までに食べるのがベストだ。
材料(4人分):
アボカド 130 g(熟したもの)、ココナッツウォーター120 ml(アーモンドミルクやココナッツミルクでも可 無糖)、メープルシロップ 60 ml、バニラエッセンス 小さじ1、海塩 ひとつまみ、カカオパウダー 大さじ2
作り方:
1 カカオパウダー以外の材料を、ブレンダーで滑らかになるまで混ぜ合わせる。
2 1 にカカオパウダーを加え、滑らかになるまでブレンド。
3 2を小さなガラスの器などに分け移し、冷蔵庫で3〜4時間以上冷やします。お好みで、ミックスベリー、ナッツ、削ったダークチョコレート(カカオ75%)、食用花などをトッピング。
< 2. L-トリプトファンのレシピ>
ブロッコリーの茎のペースト和え
栄養価の高いブロッコリーの茎を、色鮮やかな味噌風味のペーストで和えて。スティック野菜のディプとして、またパスタに絡めてもおいしい。
材料(1カップ分):生くるみ ½カップ、ブロッコリーの茎 2本(1cmの厚さにスライス)、ほうれん草 15 g、白味噌(マイルドな味噌)大さじ1、生レモン果汁 大さじ2、にんにく1片、エキストラヴァージンオリーブオイル 60ml、海塩 適量、挽きたての黒胡椒 適量、氷 2個
作り方:
1小さな鍋に500mlの水を入れて沸騰させ、そこにくるみを約30秒間入れ苦みをとる。
2 ザルに上げて冷水ですすぎ、氷水(材料外)を入れた小さなボウルに数分間入れる。再びザルに上げて、水分を切る。
3 くるみ、ブロッコリーの茎、ほうれん草、白味噌、生レモン果汁、にんにく、氷をフードプロセッサーに入れ、ブロッコリーの茎が細かくなるまでブレンド。
4 3にエキストラヴァージンオリーブオイルをかけて混ぜ、黒胡椒、味噌で味付けする。
<3.メラトニンのレシピ>
オーバーナイトオーツ
一晩寝かせて発酵させることで、満足感のある朝食の主食に。甘みのあるお粥のような感じで、消化しやすく腹もちもいい。
材料(1人分):
オートミール 45g、ココナッツミルク¾カップ(アーモンドミルクでも可)、ヨーグルト(全脂肪)大さじ1、
生レモン果汁 小さじ1
<トッピング>バナナ1本(半分はすりつぶし、半分は薄くスライス)、メープルシロップ(または生はちみつ)小さじ1、バニラエッセンス 小さじ1、シナモンパウダー 小さじ1/2、クローブパウダー ひとつまみ、 ナツメグ(挽いたもの)ひとつまみ、ココナッツフレーク(軽く黄金色にトーストしたもの)ひとつまみ、 海塩 ひとつまみ、植物乳(温めても冷たくても可) 適量
方法:
1 トッピング以外の材料を、すべてガラスの密閉瓶など、蓋付きの容器に入れ、室温で一晩(8時間)発酵させる。
2 鍋に1、すりつぶしたバナナ、シナモン、クローブパウダー、ナツメグを追加して弱火で温め(緩さがない場合はココナッツミルクを足す)、バニラエッセンスを加える。
3 ボウルに2を入れて、お好みのトッピングを飾って完成。
ウェルビーングを体感できるヘブンリーリゾート「シックスセンシズ」
「シックスセンシズ」は、1991年の創業以来、自然派ラグジュリーリゾートの先駆的存在として、旅慣れた、ヘルスコンシャスな人々から愛され続けている。
現在15カ国に18の施設を展開。どこも非日常を味わえる絶好のロケーションにある。グローバルな視点、そして地域社会や生態系との共生をモット―に、遊び心あふれるユニークな体験、温もりや共感を呼ぶおもてなしを提供。また、早い時期から、プラスチック容器や包装の排除、再生クリスタルボトルの使用などを始め、自然環境の保護活動も行っている。
客室、食事、スパなどすべて、エコロジカルかつヘルシーだが、規制やストイックなムードはなく、どこまでウェルネスを追求するかはゲストの要望次第。本格的なウェルネスプログラムに取り組むことも、のんびりヴァカンスを楽しむこともできる。ラグジュアリーでありながら、肩の力が抜けた安らぎのステイを約束してくれる。
DATA
Six Senses(シックスセンシズ)https://www.sixsenses.com/en
日本での問い合わせ先/シックスセンシズ 宿泊予約 ℡0120-92-1324
それ以外のお問合せjapan@sixsenses.com
Interview&Text:板倉由未子
いたくらゆみこ●『25ans』などの編集者を経て独立。世界を巡り、ライフスタイル誌、ウェブなどラグジュアリーメディアを中心に、各地に息づく文化、美、食、健康をテーマに、五感に響く企画を手掛ける。世界中のウェルネスの専門家との交流も広い。また、イタリアと料理をこよなく愛し、イタリア各州の人々と食を取材した『イタリアマンマのレシピ』(世界文化社刊)を構成&執筆。旅、癒し、健康、イタリアなどをテーマにしたイベントのナビゲーターや各プロジェクトのアドバイザーも務める。https://www.yumikoitakura.com/