ランジェリー、アンダーウェア、インナー……呼び方もさまざまだけれど、下着の種類は思いのほか多く、どんな時に着るのかわからないことも。そこで、下着の基礎知識を改めてレクチャー。それぞれのアイテムの名称、目的や機能を理解すれば、下着のおしゃれがもっと楽しくなるはず!
(参考文献/『IA TEXT BOOK』一般社団法人 日本ボディファッション協会)
【Vol.2】パリジェンヌがランジェリーブランドの水着を選ぶワケ
【Vol.4】あなたにぴったりのブラは? 快適&美胸ブラジャーをタイプ別に指南
【Vol.5】ランジェリー界のこの秋のトレンドは? プロが推す6大キーワード
覚えておきたい、4つの下着のカテゴリー
下着はその目的や機能性によって、主に下記の4つに分けられます。
1 ファンデーション(Foundation)「基礎、基盤、土台」を意味する言葉通り、ボディラインを美しく整えるための下着。
2 ランジェリー(Lingerie)装飾性に富み、機能性も兼ね備えた薄地の下着。ファンデーションと服の間に着るのが基本。
3 ニットインナー(Knit Inner)暑さや寒さから体を保護したり、汗を吸い取ったりすることを目的とした下着。
4 ショーツ(Shorts)デリケートな部分を衛生的に保ち、保護する下着。その形はバラエティ豊富で、それぞれに名称が異なります。
最近では国内外を含めて下着全般を「ランジェリー」と呼ぶことが多くなりましたが、下着業界では厳密には「ファンデーション」と「ランジェリー」と別物として分けられます。ちなみに、海外では下着を「インナー」「インナーウェア」と呼ぶ習慣はないので要注意。「アンダーウェア」「ランジェリー」ならOKです。
>>次のページから、4つのカテゴリー別にそれぞれの特徴をレクチャー。
・ショートガードル(右上)
下半身のシルエットを美しく整えるもので、デザインによって、ヒップアップ、ウエストシェイプ、下腹押さえなどの機能があります。こちらは、太ももの付け根あたりまでの丈のガードル。主に下腹押さえやヒップアップを目的として着用することが多いタイプ。 ショートガードル¥6,500/ランジェリーク
・ロングガードル(右下)
太ももまでカバーする丈のガードル。ヒップから太ももまで、下半身全体を整える機能があります。 ロングガードル¥8,000/ランジェリーク
・ボディスーツ(左)
ブラジャー、ガードル、ウエストニッパー(下記参照)が1つに合体したもの。ボディライン全体を一着で整えることができます。 ボディスーツ¥15,000/ランジェリーク
・その他のファンデーションアイテム
ウエストニッパー/ボーンや当て布などを使って、ウエストを細く補整するもの。
ガーターベルト/太ももまでのストッキングを吊るガーター付きのベルト。
スリーインワン/ブラジャー、ウエストニッパー、ガーターベルトが1つに合体したもの。
ボディシェイパー/胃の部分や背中を補整する、ベストのような形のもの。
パッド/部分的に足してボディラインにメリハリをつけるもの。バストパッド、ヒップパッド、ショルダーパッドなどがあります。
ランジェリーの種類
・スリップ(左上)
ワンピースの形をした下着で、袖付きのものやブラジャーと一体化したものなどがあります。フランスでは「スリップ」はショーツを意味するので注意を。スリップは「ナイティ」「ベビードール」などと呼ばれます。 スリップ¥18,000/ランジェリーク
・キャミソール(中央下)
スリップの上半身部分のみのアイテム。最近は、服として見せて着たり、レースのキャミソールを服の上に重ね着したりする着こなしも多く見られます。 キャミソール¥13,000/ランジェリーク
・テディ(右上)
キャミソールとフレアパンツが1つに合体したもの。クロッチ(股部分)がスナップで開閉できるようになっていて着脱も簡単にできます。 テディ¥16,000/ランジェリーク
・ペチコートのベーシックタイプ(左)
スリップの下半身部分のみのアイテム。薄手の素材のスカートを着用した際にショーツが透けるのを防いだり、裏地が肌にはりつくのを防いだりします。一般的に「ペチコート」と言われるのはこのスカート型のものを指し、丈のバリエーションも色々あります。 ペチコート¥4,000/ランジェリーク
・ペチコートのキュロットタイプ(右)
キュロットパンツ型のペチコート。短い丈のものは、フレアパンツと呼ばれます。 キュロットペチコート¥15,000/ランジェリーク
・その他のランジェリーアイテム
パニエ/ドレスのスカートをふくらませる目的のペチコートを“パニエ”と呼びます。
ボディ/伸縮性のある素材で作られた上下が一体化したアイテム。テディ同様、クロッチ(股部分)がスナップで開閉でき、デザインによっては服として着られることも。
ショーツの種類
・スタンダード(上)
ショーツのなかでも最もポピュラーな形。はきこみ丈の深さによって、いちばん深いものはジャストウエスト、おへそより下だとセミビキニ、さらに浅いとビキニと呼ばれます。スタンダード¥5,500/ランジェリーク
・ヒップハング(中央)
腰骨の位置くらいの、浅いはきこみ丈のボックス型ショーツ。 ヒップハング¥6,000/ランジェリーク
・ソング(下)
ヒップ部分がT字になったショーツ。「タンガ」や「Tバック」と呼ばれることも。ただし「Tバック」は和製英語で、海外では通用しないので注意しましょう。 タンガ¥5,000/ランジェリーク
問い合わせ先/ランジェリーク(カドリールインターナショナル) tel. 03-3461-7823
川原好恵(Yoshie Kawahara)/ランジェリーライター・エディター
文化服装学院卒業後、流通業界で販売促進、広報、店舗開発を約10年経験した後、フリーランスとして独立。下着通販カタログの商品企画などを経て、現在はランジェリーを中心に、雑誌、新聞、ファッションウェブサイト、海外メディアなどで執筆・編集を行う。モットーは「ラペルラ(プレステージ)から、しまむら(デイリープチプラ)まで」「ランジェリーもファッションの一部」を口癖に、パリのサロンから両国のメーカーまで、常に小走りで取材に向かう。https://www.instagram.com/yosh...