マスク着用で衰えてきた表情筋を鍛えよう! 笑顔を作るための「スマイル筋」トレーニング方法
毎日マスクをつけたまま、人と関わらない生活だと表情筋がサボって口角が下がる一方に……。今こそきれいな笑顔を作るための、顔の筋肉を鍛えるトレーニングを!
アンチエイジングデザイナーの村木宏衣さんに、美しい笑顔の作り方を聞いた。
併せてスタディ!
>>「顔が長くなる」老け問題を解消! 計3分で完了の小顔メソッド
photo:YOSHIHIRO TOYOTA
makeup:KOTOMi/hitome
model:CHERRY/NAME
大事な筋肉がサボりすぎている
コミュニケーションはもっぱらメールとSNS。そんなデジタルライフを送る現代人は、昔と比べて顔の筋肉を動かす回数が大幅に減っている。アンチエイジングデザイナーの村木宏衣さんによれば、気が付けば一日誰とも口を聞いていない、という人が増えているという。
「無表情で口を動かさない状態は、顔周りの筋肉を使っていないことになります。直接言葉を使わなくても仕事ができる今の環境は、やはり笑顔が作れなくなってきた大きな背景のひとつです。
もうひとつは“食いしばり”の問題。疲れやストレスの要因はもちろん、スマホやPCのせいで前かがみの姿勢になると、胸鎖乳突筋という首の筋肉が凝り固まり、その結果食いしばりの筋肉である咬筋の緊張が強くなります。咬筋は特に就寝中に発達し、知らない間にどんどん筋トレされて、無意識に食いしばる癖がつき、余計に口角を下げる原因になるんです」(村木宏衣さん)
気づいていないけれど咬筋が凝っていない現代人はまずいない、と村木さん。話す機会も減り、口角を下げる筋肉ばかり使っていれば、いざ笑おうとしてもきれいな笑顔が作れないのも当然! 手遅れになる前に意識して顔の筋肉を使っていこう。
そもそも“きれいな笑顔”とは?
魅力的な笑顔とはただ口角を上げればいいのではない、と村木さん。曰く、“前歯がしっかり見える笑顔”こそが理想だそう。
「前歯を見せた笑い方や話し方は、聞いている相手が楽しい気持ちになります。逆に前歯が隠れた話し方は、相手に緊張感が伝わったり難しい話に聞こえがちです。実際、深刻な話をするニュースキャスターは絶対に前歯を見せないですし、バラエティ番組のアナウンサーは見事に口角を上げた話し方をします」
コツは、上唇を持ち上げるように意識して笑うこと。年齢とともに笑ったときに下の前歯しか見えなくなるので、話すときも特に顔の内側の筋肉を意識して、上唇を持ち上げて話すことが大切。
「普段から前歯をしっかりと見せ、上唇をめくるイメージで笑い、話すことによって、唇の輪郭がはっきりしてきます。加齢で伸びていく鼻の下も改善できるし、ほうれい線も薄くなり、ゴルゴライン(ほうれい線と目元の間にできるたるんだ線)も目立たなくなります。そして話すときは『え』の口の動きで前歯をしっかり見せて話すと、笑顔のときにも目の横にシワができづらくておすすめです」(村木さん)
笑顔のために鍛えるべき筋肉はこの4つ!
中央側の上唇鼻翼挙筋、上唇挙筋が上唇を持ち上げる筋肉で、外側の小頬骨筋、大頬骨筋は口角を上げる筋肉。外側の筋肉ばかり使っていても前歯がきれいに見えず、愛想笑いのように見えてしまうので、魅力的な笑顔を目指すには内側と外側の両筋肉をバランスよく使うことが大事。次からはエクササイズをスタディ!
「最初はできなくて当たり前。大事なのは、脳から『この筋肉を使うんだよ』と信号を送ってあげることで、そのイメージが次第に神経伝達物質とつながって、うまく使えるようになっていくんです。焦らず、信号を送るつもりでやりましょう。毎日続ければ2週間で変わってきすよ。笑顔の筋肉を鍛えて、女性らしい魅力的な笑顔をキープしましょう」(村木さん)
「スマイル筋」エクササイズ①
まずは食いしばりによって口角を下げてしまう咬筋をほぐし、リセットするための運動から。
1. 頬骨の下にある、口を開閉したときに動く筋肉が咬筋。このこのくぼんだ部分を反対の手の親指でとらえ、人差し指と中指はエラ骨の後ろを挟んでつかむ。
2. 顔は正面を向いた状態で、咬筋をしっかり挟んで押さえながら「あぐあぐ」と口を開け閉めして(声は出さなくてもOK)6セット繰り返す。これを5ミリ程度ずつ手を下にずらして計3カ所行ったら、反対側も同様に。特に下側は硬くなりやすいので多めに行うと、凝りが改善されて口角を上げやすくなる。
エクササイズ②【前半】
続いては緊張しがちな4つの筋肉をゆるめて改善していくメソッド。これをやるだけでもかなり笑顔が作りやすくなる!
1. 頬骨の下に親指の腹を置き、残りの指は側頭部に添えて位置を固定させる。両手で頭を挟むようなポジションに。
エクササイズ②【後半】
2. 頬骨から1.5㎝ほど下を親指の腹でぐっと引っ掛けて、斜め上に圧をかけながら同様に口を大きく「あぐあぐ」と開閉させる。これを6セット行ったら、後ろの指は固定させたまま、少しづつ親指を耳に向かってずらしていき、計4箇所を同様に行う。あごはやや上げて。
エクササイズ③
今度は頬全体の凝った筋肉にアプローチ。まずはほぐすメソッドから。
1. 小鼻の脇に人差し指の第一関節をつけ、骨に押し当てるように2cmほど左右に5回スライドさせる。目頭に向かって下から上へ4箇所ずつ上がっていき、同様にほぐす。皮膚をこするのではなく、骨をほぐすイメージ。
2. 頬骨に沿いながら少し外側に指の位置をずらし、同様に5回スライドさせたら、上に向かってまた4カ所ずらし、同様にほぐす。目尻のほうまで縦に計4列に分けて、下から上にまんべんなく、しっかりほぐしていく(計16カ所)。筋肉の付け根がついている頬骨のキワと、凝りの強い外側は特に念入りに。
エクササイズ④
ほぐしたあとは、きれいな笑顔をつくるために筋肉を伸縮させるトレーニングへ。顔の中央の筋肉は年齢とともに衰え、顔が横に広がってしまうので、これをやると中央の筋肉が発達して、顔が立体的になり若々しく見える。
1. 人差し指と中指で小鼻の横の筋肉をとらえ、しっかりおさえたら、「え」の口の動きで前歯をしっかり見せる。
2. 次に「お」の口の動きで鼻の下をしっかり伸ばし、「え、お、え、お」と口を大きく動かす。押さえた筋肉の伸び縮みを感じながら、10セット繰り返す。筋肉をおさえながら行うことで、筋肉の奥のリンパが流れて、筋肉に弾力が戻ってくる。これもエクササイズ③と同様、計16カ所行う。気を抜くと前歯が見えなくなってくるので注意! ここも上唇をめくるイメージで。
日常生活ではここに気をつけて!
実は気をつけないといけないのが、大人になってからの歯の矯正。場合によっては数年かかる矯正をしている間は、どうしても歯をかばう口の動かし方をしてしまい、上唇を上げる動きをしなくなるので、いざ矯正が終わったときに鼻の下が伸びている!というケースも珍しくないそう。
「難しいとは思いますが、矯正中は特に口元の筋肉を意識して使っていかないと、使っていないうちに鼻の下が間延びしてしまう結果になるので気をつけて過ごしてください。また普段の習慣としては、左右の口角の高さを変えてしまう“噛み癖”や頬杖にも注意が必要。苦手な側でもしっかり噛んで筋トレしてくださいね」(村木さん)
お話を伺ったのは……
アンチエイジングデザイナー村木宏衣さん/大手エステティックサロン、整体院、美容医療クリニックでの勤務経験を経て、小顔、リフトアップ、むくみ、ボディメイキングなど、女性の悩みに対して独自の“村木式”美容メソッドを確立。美のスペシャリスト、ゴッドハンドとして国内外で高く評価され、女優やモデル、セレブリティVIP顧客に支持されている。2018年にビューティサロン「Amazing♡beauty」をオープン。この秋よりパーソナルレッスンも開始し、すでにじわじわと人気を獲得中。『一生老化せず今すぐ若返る整筋・顔体大全』著。http://amazingbeauty.jp/