日本の性教育は他の先進国と比べて遅れていると言われている。多くの国では、セックスからジェンダー平等まで包括的な性教育を行っている一方で、日本では肝心の受精にいたる過程=セックスを取り扱わない。また、家庭内でも親が子に性を語ることに抵抗があるという意見が一般的。正しい性知識を得られないと、避妊の失敗や、性的トラブルの原因になることは想像できる。授業や家庭以外で、若年層が健全なかたちで性に興味をもち、知識を得られるきっかけはないだろうか? ウェブメディアを運営していた鶴田さんが考案したのが、トイレットペーパーを媒介にした性の手引きだ。
「元々はウェブ記事で性の情報を発信していましたが、それではアンテナを張っている人にしかリーチできない。そこで思いついたのが、からだの仕組みや性暴力、セクシュアリティについて図解するトイレットペーパー。プロトタイプを自作し、ツイッターに投稿すると“いいね!”が2000件ほどついてバズったんです。この自信をもとに、クラウドファンディングで商品化のための資金を募ったところ、約200万円の支援金が集まりました。2019年8月に発売した性教育トイレットペーパーは現在、病院や学生寮、民間の学童などで導入されています」
資金調達をしたクラウドファンディングのプロジェクトページ。