キーワードで紐解く！ アメリカ副大統領、カマラ・ハリスのファッションを考察

定番ユニフォームはスーチング！

まさに“現代のワーキングウーマン”を象徴する存在でもあるハリス議員。そんな彼女の定番は強い女性像を思わせるテーラードのパンツスーツスタイル。きれいめなブラウスを合わせることもあるが、黒や白のTシャツをよくインナーとして着ているところが親しみのあるハリス議員らしい一面。

ジョー・バイデン次期米大統領とデルウェアにて遊説を行ったハリス議員は、ロイヤルブルーカラーのスーツを着用。インナーは白のTシャツに胸もとには二連のパールネックレスを。

2020年11月、勝利が確実となったあとに民主党の支持者たちに向けて感動的な勝利宣言のスピーチを行ったハリス議員。そのときに着用したのは「キャロリーナ・ヘレラ」のホワイトスーツと「トリー バーチ」のボウタイブラウス、そして足もとは「マノロ ブラニク」のパンプスだった。

このときホワイトを選んだのには深い意味が。実はホワイトカラーは、女性の参政権を求めた運動家たちのグループ「サフラジェット」のシンボルカラー。アメリカの歴史に名を刻むハリス議員らしい見事なチョイス。

2020年8月、バイデン次期米大統領と共に党大会に挑んだハリス議員。このとき着ている黒のスーツは「オーバーコート」のデザイナーを務める日本人、大丸隆平氏がニューヨークのブランドと共に製作したもの。インナーは光沢感のあるブラウスで艶やかさをプラス。

2020年8月に行われた民主党全国大会では、バーガンディカラーが落ち着いた印象を醸し出すフレアシルエットのスーツを着用。アメリカのブランドである「アルチュザラ」のもの。

パールでエレガンスを投入

そしてハリス議員のファッションを語る上で外せないのがパール。ハリス議員は写真のようなブラックパールやホワイトのアコヤパール、何連にもなったパールネックレスを巧みにアレンジしながら肌身離さず長年愛用し続けている。

2020年10月、米大統領選へ向けた副大統領候補の討論会では、オールブラックのスーツスタイルで挑んだハリス議員。首もとには、ターコイズが装飾されたパールネックレスが。

もはや政治的戦略ともいえるスニーカー

ハリス議員といえば、「コンバース」のチャックテイラーへの愛が深く、コレクションしていることでも有名。これまで選挙活動でスニーカーを履く女性政治家はいたけれど、それはTPOを考慮してカジュアルな装いをするときのみ。

けれどハリス議員はデイリーにスニーカーを履いており、さらにお手頃価格な「コンバース」というセレクトで国民のハートをがっちりつかんだ。

この日はチェック柄ジャケットに「2020」という文字や缶バッジでアレンジを加えたチャックテイラーを。選挙活動では女性政治家はハイヒールを、というこれまでの常識を覆そうというハリス議員の無言の主張が聞こえてくるよう。

2019年6月、サンフランシスコで行われたプライド・パレードにレインボーカラーのジャケットとホワイトデニムという装いで参加。このときも動きやすいよう、白いチャックテイラーを。