セレブをめぐる変テコ裁判【ピーチズのOM(F)G！】

LAにある古い修道院の土地売却をめぐる修道女VS大司教区の裁判に巻き込まれたのは、シンガーのケイティ・ペリー。1927年に建てられたMost Holy and Immaculate Heart of the Blessed Virgin Mary 修道院は2011年に閉鎖され、修道女５人が居住棟に住み続けていたものの、不動産売却リストに載っていた。2013年にケイティが修道院や居住棟を含む約８エーカーの土地購入を決めたところ、居住していた修道女が彼女のミュージックビデオに対して「ふしだら！」と激怒。憤ったシスターたちはケイティではなく、別のレストラン・オーナー、デイナ・ホリスターに格安で売却する手続きを進めてしまった。これに驚いたのがケイティへの売却を決定していたロサンゼルス大司教区で、勝手な行動に出た修道女相手に訴訟を起こすことに！　さらにホリスターが許可もないまま修道院に移り住み、改装を始めていたこともわかり、法廷バトルが激化。５年にわたる闘争の結果、ホリスターが修道女をだましたことが明かになり、大司教区が勝利。バチカンの許可も出て、修道院の土地はケイティのものとなった。

ケイティ・ペリー（Katy Perry）

夫ジェイ・Zとともに秘密結社イルミナティのメンバーではないかと長年噂されているビヨンセ。２年前にはなんと、“魔女”で“ダーク・マジックを使う”としてバックバンドのドラマー、キンバリー・トンプソンが裁判所に接近禁止命令を求める珍事が!?　ビヨンセのツアーに７年間も同行したトンプソンによると、ビヨンセに飼い猫を殺された上、魔法の力を使って婚約者を略奪し、さらには電話も盗聴。トンプソンは長年、ダーク・マジックを使うビヨンセから監視されており、すべては彼女のキャリアを潰すための陰謀と主張。裁判所はトンプソンの訴えには根拠も証拠もないと判断し、接近禁止命令の要求を拒否。さらに訴え自体も棄却していて、21世紀の魔女狩りは始まらないままジ・エンド。

ビヨンセ（Beyonce）

スピリチュアル系信奉も加わり、独自の進化を遂げているグウィネス・パルトロウのライフスタイル・ブランド「Goop」。３年前には「性的エネルギーを高め、ホルモンバランスと月経サイクルを安定化し、膀胱コントロール力を高める」という２種類の膣用エッグを売り出した。が、この宣伝文句に偽りありとしてCalifornia Food, Drug and Medical Device Task Force（カリフォルニアの複数の郡が参加する食品・薬品監査の特別委員会）に訴えられる羽目に!?　グウィネス側は裁判が長引き、会社のイメージが悪化するのを嫌がって、サンタ・クララ郡の検事局が定めた14万5000ドル（約1500万円）の罰金の支払いと、購入者への返金を即座に了承。さらに医療目的で販売する商品に関しては、科学的な根拠や事実に基づかない宣伝コピーをつけることも禁止された。罰金支払いに同意後、「Goop」広報担当者は「購入者から不満の声は一つも上がってない」と強気のコメントを出したけれど、裁判になった場合に証人になってくれるかは疑問かも。

グウィネス・パルトロウ（Gwyneth Paltrow）

2016年にミュージシャンもどきのアイザイア・シルヴァと離婚したフランシスは翌年、元夫に対して父親カート・コバーンのギター（マーティンD-18E）を返却するように裁判所に訴え出た。シルヴァが要望を却下したため、フランシス側は慰謝料代わりとして元夫がギターを手元に置くことを許可。しかしその直後にシルヴァが自身の母親で女優のローズ・バトラーらに対する訴訟を起こすことに!? 　シルヴァが裁判所に提出した文書によると、「母親はコートニー・ラブと彼女のマネジャー、サム・ラトフィと組んでシルヴァを拉致し、性的暴行を計画。虐待した上でギターを譲るという書類にサインさせる予定だった。拉致する予定の男性2人は警官の制服姿でシルヴァ宅を訪問する手筈となっていて、さらに別の人物がシルヴァのiMessageをハッキングして彼に自殺願望があると思わせるメッセージを書き込んだ」とも主張。母親バトラーは息子の主張を否定し、裁判所を通じて精神鑑定を受けさせるように要求。結局、ギターはフランシスの元に戻ったけれど、離婚の慰謝料を支払うためにオークションにかけられ、この6月に約６億円で落札された。

フランシス・ビーン・コバーン（Frances Bean Cobain）

ロングアイランドにある病院「ノースウェル・ヘルス」を解雇された看護師ケリー・ロンヴァルドが元勤務先を訴えた裁判で、争点となったのがジャスティン・ビーバー！　ビーバーは2017年5月、サッカーで遊んでいるときのハプニングが原因で睾丸が腫れ上がり、同病院の救急外来に駆け込んでいた。精巣捻転症の可能性が疑われたが、医師の診断の結果はただの打撲。しかし病院内ではなぜか、ビーバーが性病の治療を行ったという噂が浮上。さらに何者かが彼の医療記録にアクセスしたことも判明。内部調査の結果、看護師のロンヴァルドが解雇されたが、彼女は「若い女性だからビーバーに興味があると思い込んだ病院幹部の差別的判断」と激怒。解雇をめぐる裁判では、ビーバーの病院記録には彼の性器の写真が付けられていたことも明かされた。

ジャスティン・ビーバー（Justin Bieber）

「セックス・アンド・ザ・シティ」のキャリーをポストイットで振った男としてTVドラマ史に残るであろう俳優ロン。個性派な彼がなぜかエゴサーチをしていたら、Wikipediaに「ゲイで、リー・ディニソンという名のボーイフレンドがいる」との記載があって、びっくり。当時ロンは女優ローズマリー・デウィットと結婚したばかりで、書かれていることは全くのデマ。あまりのことに怒り狂い、wikiに削除を申し入れたが、削除するたびに何者かが同じ書き込みを続けたために、wikiに対して訴訟を起こし、間違った情報を書き込んだ人物を特定するように要求。告訴にあたって、彼の弁護士はwikiが勝手な書き込みを容認するのは、サイバー・ヴァンダリズム（器物損壊罪）にあたると主張した。ところが、この事件を報道するメディアのいくつかはゲイと書かれるのは名誉毀損には当たらないと考え、ロンをホモフォビア扱いする論調。まさに踏んだり蹴ったりだ。

ロン・リビングストン（Ron Livingston）