旅の計画を立てる季節。今年こそ両親に親子旅をプレゼントしたいと考えている人もいるのでは? 旅を通じて「大人になった娘」を感じてもらうことは、きっと何よりの親孝行になるはず。大人になったからこそ味わえる旅の醍醐味を、歳を重ねた父母とシェアすれば、親子関係も新たなステージに。

ここで大事なのが親ファーストの視点。成熟した世代が楽しめるプランになっているか? 自分たちよりも体力のない親に、無理をさせていないか? トラベル賢者たちのアンケートから割り出した「心得5カ条」をチェックして、今年の親子旅計画を立てよう。


“親子旅”を成功させる5か条&おすすめ旅先12選

  1. 【心得①】無理のない計画を組むべし
  2. 【心得②】安全対策は万全にすべし
  3. 【心得③】親の好みをリサーチするべし
  4. 【心得④】単独行動の時間も持つべし
  5. 【心得⑤】大人同士の関係を意識するべし
  6. トラベルジャーナリストがおすすめする親子旅12選

【親子旅心得①】 無理のない計画を組むべし

Mother and adult daughter spending time together
Eva-Katalin//Getty Images

せっかくの旅なので、あれもこれも体験させてあげたいと思うのは自然なこと。でも歩かせすぎて親が疲れてしまっては、旅を楽しめない。観光はタクシーをチャーターしたり、マメに休息をはさんだりして、親を労わりつつがお約束。またバリアフリーのホテルをチョイスするなど、必要とあらば足腰に優しい場所選びも。急な体調不良に備えて旅行保険をかけたり、24時間日本語対応の現地のヘルプデスクを確認したりすることも忘れずに。

「台湾に行ったとき、あれこれと予定を詰め過ぎて、両親が疲れてしまったことがあります。私たちの都合でお盆時期に訪れたため、暑すぎて両親の食欲が減退してしまい、せっかくのグルメを存分に堪能させてあげられなかったのが残念でした」(YN/親の年齢70代)

「自分よりずっと疲れやすく、それほど歩けない、階段がキツイ、あまり多くは食べられないということを意識する。海外に行くなら日本食か中華に行く日をつくる、1回か2回はお惣菜を買ってホテルで食べるような気楽な夜もつくるなど、胃腸を疲れさせない工夫も必要です」(AM/親の年齢80代)


【親子旅心得②】安全対策は万全にすべし

Unattended suitcase in departure zone at airport
Justin Case//Getty Images

日本は世界有数の治安の良さを誇る国。その環境が当たり前だと思っている親の行動は、海外では危なっかしく感じることも。海外を旅する場合は比較的治安の良い地域を選んだり、持ち物を肌身離さず持てるように工夫してあげたりと、自衛に勤めて。時には親の分まで目を光らせるなど、いつも以上に危機管理意識を高める必要あり。

「まだ治安の悪い事件も聞く&スリが横行しているヨーロッパ。母は海外旅行慣れしていないので、ものすごくはしゃぎそうで怖い……。『どこで何を盗まれるか分からないよ!』と今から口うるさく言っています」(CY/親の年齢50代)

「バルセロナは治安があまりよくなく、すりの現場を目撃したり、親本人も時計をすられたり。財布やパスポートは空港で預かり一括管理していましたが、カジュアルな時計やスマホも盗品対象になることを意識せねばと思いました」(TH/親の年齢70代)


【親子旅③】親の好みの観光地やホテルをリサーチすべし

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4月オープン予定のエースホテル京都。

感謝の気持ちを表すなら、父母の好みを熟知したツウな観光プランやホテル選びで驚かせたいもの。本人たちに行き先を相談するか、自分でプランを立てるかも考えどころ。ともあれ熟年世代が楽しめるポイントを外さず、そこから一歩進んだ旅をコーディネートできればしめたもの。娘世代ならではのリサーチ力で新スポット情報や、ディープな穴場情報をピックアップして。この記事の後半で紹介するおすすめホテルも参考に!

「去年からチェックしていた、春に開業予定のエースホテル京都に泊まってみたいです!さすがエースホテルらしくおしゃれな仕上がりになっているようなので、ぜひ親を連れておしゃれ旅を満喫してみたい」(NY/親の年齢60代)

「香港のアプレイチャウのアウトレットに行って、日本では絶対に体験できないであろう風景や、お店の数々を体験してもらいます。海外旅行=ブランドショッピングと思っている親世代に、まったくの別次元のショッピングを体験してもらいたい!」(N/親の年齢50代)


【親子旅心得④】単独行動の時間も持つべし

Woman feeling delight her traveling in vacation
thianchai sitthikongsak//Getty Images

親とのコミュニケーションが主眼の旅とはいえ、始終行動を共にしているとお互いに息苦しくなってくる。単独の時間も持てるようにすると、ストレスが溜まらなくて良い。ただし、離れている間に不安にならないように時間や場所を限定して、連絡が取れるようにしておくこと。

「親とは言え何日もベッタリ2人きりだと疲れるので先に『ここは別行動』など宣言しておく。先に言っておけば現地で険悪ムードにならない」(MY/親の年齢50代)

「オアフ島は日本語が通じるので、時々は親に自由行動してもらうことができる。海外旅行でもお互いの距離感を保てるので楽です。動きすぎると高齢の両親は疲れてしまうので、親は親でゆっくりしてもらう時間をはさんで、その間に私はサーフィンを」(AN/親の年齢70代)


【親子旅心得⑤】大人同士の関係を意識するべし

Positano, Amalfi Coast, Campania, Sorrento, Italy.
Francesco Riccardo Iacomino//Getty Images

近しい存在だからこそ、旅先では昔の関係に戻って親子ゲンカ……なんてことになっては残念過ぎる。親にプレゼントする旅は、歳を重ねた親を労わり、大人になった自分を見せる旅と心得、少し自分が譲ってでも最高の親子旅を演出しよう。

「母よりは英語ができるので通訳&道案内として心強いと言ってくれました。まだ営業しているのに『今日はもう閉店!!』と傍若無人にふるまうレストランの店員とバトルして、なんとか入店したり…たしかに母だけではできないこともあったかも」(MY/親の年齢50代)

「私の母親はディズニーランドが大好き。私が小学生の頃は、毎年夏に学校を3日くらい休んでディズニーランドに連れて行ってくれました。大人になった今、国内・海外問わずいまだに旅行が大好きな母親を、本場のウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートへ連れて行ってあげたいです!」(F/親の年代回答なし)


6.トラベルジャーナリストがおすすめする親子旅12選

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booking.com

トラベル賢者たちのアンケートから割り出した親子旅におすすめの4つのエリア、①気軽に行ける国内温泉地②フライト短いアジアの国③王道のハワイ④上級者のヨーロッパ にあわせ、おすすめホテル・宿をトラベルジャーナリスト寺田直子さんが厳選!

※新型コロナウイルスの流行に伴う海外渡航については、先ずは外務省ホームページ(https://www.anzen.mofa.go.jp/)、その他渡航先大使館、各航空会社のホームページ等で最新状況をご確認の上、ご判断ください。