「憧れの逸品」「家族や親しい人からもらった思い出の品」「古くなっても捨てたくない」――そんな“愛着”が感じられるモノとの出会いこそ、ファッションの喜びであり、真の意味でのサステナブル。 そこで目利きのファッション業界人が大切にしている一生ものの“マイ・ヴィンテージ”候補を一斉リサーチ。憧れジュエリーやバッグなどの名品から、一点もののアンティークまで、それぞれの思いが詰まったエピソードとともにご紹介。
大道寺 愛/モデル
「カルティエ」の“ジュスト アン クル”
■一生愛用したい、その理由は?
ずっと憧れていた“ジュスト アン クル”は、誕生日にプレゼントで頂いたもの。エッジィさもありながら、女性の腕もとに寄り添う華奢なデザインにひと目惚れ。
■30年後はどのように使っていたい?
流行に左右されないデザインなうえ、大切な思い出のひとつなので、より愛着が湧いています。30年後も変わらず、シャツやニットなどのシンプルなスタイルにプラスしたいなと思っています。
■“一生モノ”として、今狙っているものは?
「カルティエ」の“ジュスト アン クル リング”。ブレスレットと合わせたいと思い、密かに狙っています。長く使えるアクセサリーとして、同じブランドで揃えたい!
高田佳代子/ジュエリーデザイナー
「ロエベ」のムートンコート
■一生愛用したい、その理由は?
家族でショッピングしていたときに出会った一枚。身長が高く肩幅が広いので、ボリュームのあるコートが苦手でしたが、このコートはショート丈ですっきりしたデザインだから、バランスがとりやすいのもお気に入り。
■30年後はどのように使っていたい?
60歳になってもこんな可愛らしいムートンを着続けられていたらいいなと思います。もし娘がいたら、一緒にシェアしながら着たいです。
■“一生モノ”として、今狙っているものは?
「カルティエ」の“タンク”と“ラブ ブレスレット”はずっと欲しいアイテムです。時計は母から譲り受けることが多いので、“タンク”はいずれ巡ってこないかなと期待しています(笑)。
中 聡子/ファッションプレス
「シャネル」“マトラッセ”チェーンバッグ
■一生愛用したい、その理由は?
誕生日に母からプレゼントでいただきました。クラシカルにもカジュアルなスタイルにもマッチするので、スタイリングに馴染むところがお気に入りポイント。ほど良い容量も何かと便利。
■30年後はどのように使っていたい?
将来、我が子に譲るのが理想です。
■“一生モノ”として、今狙っているものは?
「シャネル」の“ココクラッシュ”シリーズのイヤーカフやリング。
酒井美方子/スタイリスト
「ブシュロン」の“セルパンボエム”リング(薬指下)
■一生愛用したい、その理由は?
私は巳年なので、お守り的につけています。今は重ね付けが気分なので、写真のようさまざまな素材のリングとレイヤードして楽しんでいます。
■30年後はどのように使っていたい?
30年後はシンプルに1本でつけて、ネイルで指先を華やかにしたい。
■“一生モノ”として、今狙っているものは?
「ハリー ウィンストン」のネックレス、特にひと粒ダイヤネックレスをシワのある首にプレゼントしたいです(笑)
CHISATO/ファッションエディター
「ロレックス」の“デイトジャスト”
■一生愛用したい、その理由は?
20歳を迎えた記念に、母親から譲り受けました。もともと、両親が約30年ほど前に新婚祝いで買ったものですが、時計技師をしている兄がオーバーホールをして再度命を吹き込んでくれました。クラシカルで端正なフェイスや着け心地のよいストラップはやはり永遠の名品。20代後半を迎えたいま、やっと似合うようになってきたかな、と思っています。
■30年後はどのように使っていたい?
母と同じく、いつかもし自分の子どもが生まれたら、20歳の記念に譲っていきたいな、と思っています。
■“一生モノ”として、今狙っているものは?
「カルティエ」の“クラッシュ ドゥ カルティエ”。エレガントながらもエッジの効いたデザインが大好き。こういうリングをさらっとつけているような、おばあちゃんになりたいから!
大司麻紀子/エディター
「マルニ」のファーコート
■一生愛用したい、その理由は?
3年ほど前に思い切って購入。ボリューミーですが、ショート丈なので何でも合わせやすいのがポイント! 私にとってサステナビリティの大前提は「ずっと長く愛せること」。フェイクは石油などの問題も気になるし、やっぱり自分が長く愛おしく思えるアイテムしか着たくないです。
■30年後はどのように使っていたい?
30年後は60代。気負いなくさらりと着こなして、きっと今よりもこのコートが似合うようになっているはず! 3代にわたり愛用できるというリアルファーなので、きちんと引き継げるようお手入れを頑張ります。
■“一生モノ”として、今狙っているものは?
マルタン・マルジェラがデザイナーだった頃(1997年~2003年)の、「エルメス」のコートやドレス。少しずつ購入しているのですが、約20年の時を経ても全く色褪せない、究極のエレガンスはまさに永遠。残念ながらまだ洋服に負けてしまっているので、自分のこれからに期待です……。
濱本愛弓/スタイリスト
「ティファニー」のブレスレット
■一生愛用したい、その理由は?
ワイヤーブレスレット、チェーンのブレスレットはともに独立のお祝いに師匠からプレゼントに頂いたもの。師匠もこのワイヤーシリーズのバングルを持っているのでお揃いだったのもうれしかったです。「師匠や支えてくれた人たちに恥をかかせないような仕事をしよう!」と心に決めた瞬間でもあったので、このブレスレットを見ると当時の決意を思い出す、私にとって大切な存在です。
■30年後はどのように使っていたい?
今と変わらず、手もとはレイヤードスタイルで持ちこなしていきたいです。
■“一生モノ”として、今狙っているものは?
「ボッテガ ヴェネタ」のバッグ“BV ツイスト”。
TAKAKO/コンテンツ マネージャー
「ザ ロウ」のテーラードジャケット
■一生愛用したい、その理由は?
若い時は「ジャケットにお金をかけるなんて(ありえない)!」と思っていましたが、40代に突入すると同時に“一生ものジャケット”への憧れがむくむく。テーラリングの粋が詰まった「ザ ロウ」のジャケットは、袖を通した瞬間に背骨がピシッと垂直になるくらい身が引き締まる秀逸シルエット。ここぞ!というプレゼンのシーンでも自信をもっていられます。
■30年後はどのように使っていたい?
色落ちしたジーンズやTシャツに合わせて、シンプルに着こなせる女性になっていたいです。逆に時計やジュエリーはゴージャスなものを合わせて貫禄を見せつけたい(笑)。
■“一生モノ”として、今狙っているものは?
「エルメス」のバーキン。本当は40代までに購入してじっくり育てていきたいなと思っていたのですが、未だ憧れの存在です。
北 菜月/ランジェリーショッププレス
「ラ ペルラ」のボディスーツ
■一生愛用したい、その理由は?
東京・青山の「ラ ペルラ」のブティックで購入。このときの2016秋冬シーズンのコレクションがとても好きだったので、大きなフィッティングルームで試着したときの高揚感が強く記憶に残っています。とにかくレースの美しさと、肌にのせたときのラグジュアリー感は最高です。一枚で着てジャケットを羽織るのも好きだし、ワンピースやニットなどのインナーにも。長く着続けたいので、特別な日にだけ着るようにしています。
■30年後はどのように使っていたい?
「下着は消耗品」というイメージが強いですが、本当に上質なランジェリーは決してそんなことはありません。長く愛用する為に定期的に身に着けて、ケアをしてあげることが大切。ボディスーツであれば多少体型が変わっても着れるし、着こなしにも取り入れられるので。60歳になってもランジェリーを愛する自分でありたいという願いも込めて。
河野なみこ/ファッションPR
「マリハ」の“ロードクロサイトリング”
■一生愛用したい、その理由は?
婚活をしているときに出会ったリング。“ロードクロサイト”は、運命の人を引き寄せ、情熱的な恋をもたらし、幸せな結婚へと導く。まさに“バラ色の人生”を与えてくれる石言葉に衝撃を受けて即購入。その後、積極的な婚活により、今年彼ができたので、一生大事につけていきたいと思っています!
■30年後はどのように使っていたい?
30年後の歳を重ねた自分にも自分の指にも合いそうなインパクトがあるので、またお気に入りのジュエリーとコーディネートしたいです。または、娘がいたら結婚のお祝いなどで譲りたい。
■“一生モノ”として、今狙っているものは?
「マリハ」の“ゾディアック”ネックレス。ロングネックレスなのですが、丸いプレートにさりげなくダイヤで自分の星座がモチーフになっているネックレス。大人のさりげないイニシャルネックレスでカッコいいな、と思っています。
林 聖子/エディター
「スポーツ マックス」のコート
■一生愛用したい、その理由は?
母が購入したものを譲り受けました。私自身既に5年ほど愛用していますが、形も崩れることなく本当に有能。ポケットのアシンメトリーなどさりげないモード感も素敵だし、スッキリしたシルエットも上質な雰囲気で、すごく素敵です。
■30年後はどのように使っていたい?
丁寧にメンテナンスをしながら、クタクタになるまで使いたいです!
■“一生モノ”として、今狙っているものは?
2021年には35歳になるので、それまでにはいつまでも使えるような時計を買いたいですね。「カルティエ」の“タンク”が候補ですが、いろいろじっくり見てみたいと思います。
堀 千花/秘書
「3.1フィリップリム」のミリタリーベスト
■一生愛用したい、その理由は?
パリに行ったときに即決したミリタリーベスト。ファーのボリュームはあるのですが、ベストの部分は軽い生地なので、アウターの下に重ねられるところもポイントです。また、インナー次第でガラッと印象を変えられるので、飽き性の私としては長年使い続けられるところも魅力。セットで購入したMA-1を重ねてモッズコートのようにして着るのもお気に入りです。
■30年後はどのように使っていたい?
ファーのケアも大事にして、30年と言わずおばあちゃんになってもずっと着続けたいです!
■“一生モノ”として、今狙っているものは?
「メゾン マルジェラ」の“タビブーツ”。王道のタビブーツは服好きとしては1足は持っておかなくてはいけない靴かなと思っています。ブラックかヌードベージュを狙っています。
イトウナツミ/クリエイティブディレクター
アンティークの一輪挿しとヘアアクセ
■一生愛用したい、その理由は?
母から受け継いだアンティークの一輪挿しとおなじくアンティークのヘアピン。それぞれ細工が美しく、さりげないデザインでありながら女性的なところが好きです。
■30年後はどのように使っていたい?
今と変わらず、さりげなく身につけたり、使い続けていたい。いつか母親になったとき、そのまま子供や孫、大切な人へ同じように譲り受けられる物でいてほしいです。
■“一生モノ”として、今狙っているものは?
「エルメス」のリング。磨けば長いあいだ身につけられるシルバーアクセサリーを大切にしたいです。
百冨友香理/ヘアデザイナー
刻印入りのピンキーリング
■一生愛用したい、その理由は?
子供の誕生祝いに購入した刻印入りのピンキーリングは、この先残るものを……と考えてリングにしました。シンプルなデザインに、誕生石が入っています。名前とお祝いの刻印入りなので世界にひとつだけのデザインもお気に入り。
■30年後はどのように使っていたい?
男の子だったので迷いましたが、ベビーリングではなくピンキーリングにした理由は、私も身につけられるから。いつか渡すときまで温めておこうと思っています(笑)
■“一生モノ”として、今狙っているものは?
「エルメス」のスカーフ“カレ”。世代を超えて受け継がれていく、デザイン性や上質さに憧れています。