英国ロイヤルが従わなくてはいけない12の子育てルール
ロイヤルならではのプロトコルに従うものから、「モノポリー」禁止などかなり変わったものまで、イギリス王室に受け継がれる子育ての決まりごとをご紹介。
イギリス王室には、そのレガシーを継承するために定められた数多くのルールがある。そして、その中には子育てに関するものも含まれる。誕生報告から、子どもの服装、しつけまで、現代の王室を象徴するロイヤルファミリー、ウィリアム王子&キャサリン妃一家も踏襲するイギリス王室の12の子育てルールを解説!
1. 子の誕生を発表しなくてはいけない
英国王室に新たに子どもが誕生した場合、子の両親はまず最初にエリザベス女王にその事実を報告。その後速やかにバッキンガム宮殿の正面にロイヤルベビーの出生を知らせるイーゼルが置かれることになっている。今日ではこのタイミングで同時に宮殿の公式SNSでも発表が行われる。
写真/2015年5月2日、バッキンガム宮殿前に掲示されたシャーロット王女誕生の通知
人々へのベビーのお披露目は出産した産院の前で行われるのが慣例。キャサリン妃はジョージ王子(写真)、シャーロット王女、ルイ王子の3人の場合のいずれも、ロンドンのセントメアリー病院で出産。リンドウイング棟の正面入口で観衆からの祝福を受けた。
2. 子どもに洗礼を受けさせなくてはいけない
イギリス君主はイギリス国教会の首長でもあり信仰の擁護者。そのため誕生したロイヤルベビーたちはイギリス国教会の洗礼を受けなくてはいけない(ちなみにメーガン妃もヘンリー王子と結婚するためにイギリス国教会の洗礼を受けている)。ロイヤルベビーは王室に受け継がれている洗礼式ガウンを着て儀式に臨む。
写真/2018年7月、ルイ王子の洗礼式
3. ベビーフードは手作り
これはルールというよりお抱えシェフがいるイギリス王室だからこそ可能なことかもしれないが、ロイヤルベビーが口にする離乳食は全て手作りだという。
エリザベス女王や、ダイアナ元妃、ウィリアム王子&ヘンリー王子の食事を担当してきた元王室シェフのダレン・マックグラディ氏は「ロイヤルベビーのための食事として、加工済み食品を使うのは見たことがない」と語っている。
キャサリン妃もオーガニック&手作り派で2015年の『ヴァニティフェア』誌によると、当時生後半年のシャーロット王女のために、住まいであるアンマーホールのガーデンで採れたオーガニックな野菜やフルーツでベビーフードを手作りしていると報じている。
2019年7月、ウィリアム王子が出場するポロのチャリティ試合を観戦。母キャサリン妃の用意したランチボックスの中身に興味津々のルイ王子。
4. 子どもはトップ校に入学させないといけない
未来の王位継承者に最高の教育を施すのは当然のこと。かつては宮殿内での専属家庭教師による教育が普通だったが、今日は王室の子どもたちはイギリスきっての私立学校に通うのが一般的だ。ジョージ王子とシャーロット王女は揃ってロンドン市内にある名門トーマス・バタシーに通っている。
5. 子どもに複数の言語を習得させなくてはいけない
外国語の習得は、将来さまざまな国との外交を行うであろうロイヤルキッズにとっては必須。ジョージ王子やシャーロット王女はスペイン人のナニー、マリア・テレサ・トゥリオン・ボラロ(写真)からスペイン語の手ほどきを受けている。
6. 男児のボトムスはショートパンツがルール
未来の王位継承者のための服選びにはやはりそれなりのルールが。イギリスの上流階級では、幼い男児は膝上丈のショートパンツを履くのがきまり。キャサリン妃はこのドレスコードに従っている。
7. その他、服装選びの際はいつの時代も古びないレトロクラシックなデザインを
ジョージ王子のショートパンツしかり、キャサリン妃はシャーロット王女の服装についてもイギリス王室の伝統を踏襲している。スモック刺しゅうが施されたワンピースはピーターパン・カラーにパフスリーブのデザインで、足元は白ソックスにメリー・ジェーン。まさにレトロクラシックなスタイルは「タイムレスで、写真を見てもどの時代か分からない、時代遅れに見えない」ものだと、キャサリン妃御用達の子供服デザイナー、レイチェル・ライリーは英紙テレグラフに語っている。
2018年7月、ルイ王子の洗礼式にて。ジョージ王子は正装ではロイヤルブルーのパイピング付きシャツが定番。
8. 子どもを甘やかしてはいけない
チャールズ皇太子が子どもの時代には親であるエリザベス女王との面会も時間が決められていたといわれている。今日のロイヤルファミリーはそこまで厳格ではないが、ウィリアム王子&キャサリン妃は「それぞれがバランスの取れたしつけを受けたように、同じことを自分の子どもにも行っている」と王室コメンテーターのディッキー・アービター氏は米大衆紙USAトゥデイで語っている。
9. 子どもの礼儀作法の訓練は徹底して行う。
イギリスのエチケット講師であるマイカ・メイヤー氏は米『ピープル』誌の取材に、「ロイヤルの礼儀作法の訓練は、テーブルにつけるようになればすぐに始まります」と語っている。「彼らは正式な食事や、正式な行事を経験しながら育てられます。そして、声の大きさから、ふさわしい服装、お辞儀や会釈の仕方まであらゆることを訓練します」
昨年末のサンドリンガムで行われたクリスマスミサ(写真)ではシャーロット王女は見事なカーテシー(お辞儀)を披露している。
4月にはSNSを通じて、医療従事者への感謝の拍手を一家で贈った。2歳になったばかりのルイ王子も参加。
10. 子どもを諭す時はあくまで上品に、声は荒らげない
いくら徹底的にしつけを行ったとしても、ロイヤルキッズたちが普通の子どものように癇癪を起こすことはある。しかし、王室の人々が人前で子供を頭ごなしに叱りつける光景を見た事がある人は殆どいないだろう。子どもを諭すときには、あくまで上品さを失わず、大きな声を上げすにそっと諭すのが王室流だ。
キャサリン妃とウィリアム王子の場合は、たとえ公の場面であっても子どもの目線の高さまで体を低くして、彼らの目を見つめながら話をすることで、親子としての絆をしっかりと確かめながら、子どもを正しい方へと導くよう努めている。
2015年、シャーロット王女の洗礼式でむずがるジョージ王子を説得するケンブリッジ公爵夫妻。
11. ときには子どもと離れ離れになる覚悟を
王室メンバーは年間を通じて数多くの公務を執り行い、地方や海外への訪問も多いため子どもたちと四六時中一緒に居ることは難しい。
エリザベス女王の時代には幼い子供を長期間に及ぶ外遊に連れて行くのは論外で、エリザベス女王とフィリップ王配は1953年11月から1954年5月の期間、チャールズ皇太子とアン王女を残して、イギリスのコモンウェルスを巡る外遊を行っている。
写真/2014年のオーストラリア&ニュージーランド外遊には生後9カ月のジョージ王子を連れて。
ダイアナ元妃の子育てを多く踏襲するケンブリッジ公爵夫妻は、これまでロイヤルツアーに何度か子どもたちを帯同しているが、それでも全ての場面で一緒というわけにはいかず、例えば昨年10月に行われたパキスタン外遊(写真)では子どもたちをイギリスに残し、夫妻のみでツアーを行っている。ちなみに、その間子どもたちの世話をしているのは、キャサリン妃の両親であるキャロル&マイケル・ミドルトン夫妻だと言われている。
12. モノポリーで遊ばせてはいけない
これは子育てに限らず、英国王室メンバー全員が従うべきルールとされているが、ボードゲームの定番「モノポリー」は“不道徳”なために禁じられているそう……