'90年代を代表する伝説的な映画のタイプから、今見るべき新作をお届け! エル・ジャポン3月号より。
Text SHIHO ATSUMI
Photo ©2020「初恋」製作委員会, ©Pathée Productions Limited and British Broadcasting Corporation., Claire Folger, ©37 Seconds filmpartners, © 2019 A24 FILMS LLC. All Rights Reserved., ©2017 Tornasol Films, Carisco Producciones AIE, Kinology, Entre Chien et Loup, Ukbar Filmes, El Hombre Que Mato a Don Quijote A.I.E., Tornasol SLU., AFLO
90年代を代表する恋愛映画
『シーズ・ソー・ラヴリー』('97)『ロミオ+ジュリエット』('96)『恋人までの距離』('95)
が好きだった人が今観るべきは……
ピュアでバイオレント! 三池監督初のラブストーリー『初恋』
脳腫瘍で余命宣告されたボクサー、レオ(窪田正孝)と、父親の借金のカタに売られた少女モニカ(小西桜子)。夜の歌舞伎町で出会った2人は、ドラッグの持ち逃げ事件に巻き込まれ、2つの組織に追われるハメに。ピュアでバイオレントなボーイ・ミーツ・ガール。三池崇史監督得意の、入り乱れるマヌケキャラと、驚愕のアクションも最高。2月28日、全国公開。
90年代を代表するヒューマンドラマ系映画
『シャイン』('95)『TINA ティナ』('93)『フォレスト・ガンプ 一期一会』('94)
が好きな人が今観るべきは……
伝説のミュージカル女優の喜びと悲しみを歌にのせて『ジュディ 虹の彼方に』
1940~'50年代ハリウッドで、ミュージカルの大スターとして活躍したジュディ・ガーランド。圧倒的な歌唱力で人々を魅了しながら、いつしか表舞台から姿を消した彼女の半生を、知られざるラストステージとともに描く。華やかな世界の裏にある人間の姿が、より強く胸に響くのも実話の魅力。実在の人物を見事に演じ切る、レネー・ゼルウィガーもお見事。3月6日、全国公開。
90年代を代表するサスペンス映画
『ユージュアル・サスペクツ』('95)『ファーゴ』('96)『パルプ・フィクション』('94)
豪華キャストにだまされる娯楽サスペンスの快感『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』
85歳の誕生日に殺害された巨大出版社の創設者。匿名の人物からの依頼で捜査する名探偵ブノワは、一族の黒い秘密を突き止める。セルフイメージを逆手に取って怪演するダニエル・クレイグ(『007』)とクリス・エヴァンス(『キャプテン・アメリカ』)など豪華俳優陣もさることながら、伏線を回収するラストも見事。公開中。
90年代を代表する青春映画
『テルマ&ルイーズ』('91)『グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち』('97)『ヴァージン・スーサイズ』('99)
ベルリン映画祭2冠達成! 新鋭日本人監督が描く青春『37セカンズ』
漫画家のゴーストライターをするユマは23歳の車椅子生活者。デビューの機会を求めて訪れたアダルト雑誌編集部で「性体験もないのに?」とあしらわれ、初体験しようと決心。過保護な母親の元を飛び出し、セックスとはかけ離れた世界を探し当てたユマの前向きな成長が感動的。アニメを使った演出はスピード感もたっぷり。公開中。
90年代を代表するアート映画
『バッファロー'66』('98)『マルコヴィッチの穴』('99)『ロスト・ハイウェイ』('97)
恐怖、笑い、美しさ 本能に訴えるアートな作品『ミッドサマー』
家族を事故で失った女子大生ダニー(フローレンス・ピュー)は、友人に誘われ北欧の田舎町で開催される「夏至祭」を見に行く。白夜に咲き乱れる花々、それを囲み歌い踊る民族衣装の笑顔の人々——美しい風景の中で忍び寄る違和感、耳に響く奇妙な声、唐突に加速する恐怖……理性とは異なる部分を刺激。公開中。
90年代を代表するSF映画
『デリカテッセン』('91)『ガタカ』('97)『12モンキーズ』('95)
狂っているのは自分か? それとも目の前の現実か?『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』
学生時代に撮った映画「ドン・キホーテを殺した男」のロケ地を訪れたCM監督のトビー(アダム・ドライバー)。遭遇したのは、いまだ映画で演じたドン・キホーテとして生きる靴職人ハビエルだった。従者として彼に同行したトビーが見るのは、現実と幻想が入り交じる奇天烈な世界。目くるめく狂気の中にリアルを描き出す鬼才テリー・ギリアム最新作。全国公開中。
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