FASHION PICK
もはや我々のワードローブの一部として欠かすことができないデニム。US版エルではデニムがファッションアイテムとして女性の装いに取り入れられるようになってからの60余年を一気に振り返り。着こなしの参考になりそうな写真も多数掲載。解説付きの大ボリューム!
1934年に「リーバイス」は初の女性用ジーンズを発表。主に農場や牧場にいる女性が着用していた。それから16年後の1950年、デニムはウェスタンの雰囲気を残しつつも、クールなアイテムに昇格。ハリウッドの西部劇が人気を博したおかげで、カウボーイ・ルックが流行し、写真の女優ジェーン・ラッセルの装いのように、多くの映画や宣材写真にデニムが登場するようになった。
女優のドリス・デイもワーナー・ブラザーズの西部劇風の宣材写真でデニムを着用している。
50年代はじめ、「リーバイス」はアメリカ全土で幅広く女性用デニムを販売開始。『熱い夜の疼き』(1952)では主役のマリリン・モンローが裾を折り返した、ダーク・インディゴのボクシーなタイプのデニムを着用し、さらに人気に拍車がかかった。
いよいよデニム人気はおしゃれな女性たちの間でヒートアップし、海を越えてヨーロッパの女性たちにも伝播。写真はストリート・スナップのはしりとも言える一枚で、ロンドンのピカデリー界隈でウィンドーショッピングしているデニム姿の女性が。
故ダイアナ妃は公衆の前でジーンズを着用した初めてのプリンセスだと言われることが多いが、それは間違い。1954年、デニム姿のアレクサンドラ・オブ・ケント王女(現オギルヴィ令夫人)がバッキンガムシャーでテニスを楽しむ様子が写真に収められている。当時、デニムはスポーツウエアという認識で、今とは大違いだ。
裾をロールアップしたボクシーなデニムでアウトドアスポーツを楽しむ女優のゲイル・ラッセル。
裾を折り返していない、そして明らかに以前よりフィット感のあるデニムを履いた英女優のジョーン・コリンズ。彼女は近年、40歳以降の女性はデニムを履くべきじゃない、と発言して話題となったが(異議あり!)、写真の彼女はまだ22歳。
劇中でプレスリーが歌う楽曲が大ヒットとなった西部劇『やさしく愛して』(1956)の撮影現場で、女優のデブラ・パジェット。ジーンズの裾はまたもやロールアップされているが、色のトーンが明るくなっていることに注目。
シンプルなホワイトTにデニムを合わせた黄金ルックを早くから実践していたブリジット・バルドー。
伊女優サンドラ・ミーロもデニム×ホワイトTのスタイリングを披露。
イタリア人歌手のミーナは丈の長いデニムをラフに着こなしている。
ブロードウェイの舞台「Wildcat」では女石油採掘人を演じるため、ボクシーなデニムをロールアップして履いていたルシル・ボールだが、「I love Lucy」ではもっとぴったりしたフェミニンなものを着用。
『罠にかかったパパとママ』(1961)でのハーレイ・ミルズ。ようやく、デニムはウェスタン風でもおしゃれに敏感な女性専用でもなく、日常の定番アイテム、若者のカジュアル・ルックとして普及した。
ブリジット・バルドーが身に着けている、脚にフィットして、裾を折り返していないデニムは、この後10年間続くブーツカットスタイルを予感させる。
イギリスのポップ・アート運動「ブリティッシュ・ポップ」における唯一の女性メンバー、ポーリーン・ボティーはブーツカットデニムを履いてリラックス。(裁ちっぱなしのほつれた裾に注目)
ショートデニムの昔ながらの着こなしを楽しむゴールディ―・ホーン。
ジーン・セバーグはロールアップしたデニムを、彼女のもうひとつのアイコニック・アイテム、ボーダートップスとあわせて。(アメリカ出身のジーン・セバーグは数年間フランスに移り住んでいた際、トレドの新聞社からのアメリカの何が一番恋しいですか?という質問をされ、答えの上位にブルーのデニムを挙げていた)
お気に入りのブーツカットのデニムでくつろぐブリジット・バルドー。
ブーツカットの流行に一役買ったモデルのジーン・シュリンプトン。
リーバイスの広告を見ると軽やかで明るい色のデニムが台頭してきたことが分かる。
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