ソウルが大人の街へ変貌! 最新韓国カルチャー&アートアドレス17
今、韓国では大きな幸せよりも「小さいけど確かな幸せ(小確幸)」を大切にしたいと考える人たちが増えてるって知ってる? ライフスタイルが変わりつつあるソウル市内にて、そんなトレンドを感じられるとっておきのカルチャースポットを来月韓国で東京観光ガイドを出版予定の現地ライター、TOKYO DABANSAさんに聞いてみた。
約10年前、日本に韓流ブームが到来したときは若者主体の文化が注目されていた。それはK-POPのアイドルの生活がそのまま日本の同じぐらいの世代に影響を与えたのが大きいだろう。ちょうどその頃の新大久保の風景を想像してほしい。それが当時のソウルの若者の文化だった。
最近、韓国では「小さいけど確かな幸せ」という言葉の略語が流行っている。それはアート、音楽、出版のような文化をテーマにしてソウルの街を歩いてみると実感できる。若者の活気溢れる雰囲気ではなく、ライフスタイルとして細やかな幸せを提案する、すこし落ち着いた感じで大人でも楽しめる新たなトレンドが登場したのがわかる。特にその動きは600年以上の都の歴史を持っている漢江(ハンガン)の北側のソウルに集中している。東京の皇居の東側の雰囲気を想像してほしい。それがいまのソウルの大人の文化だ。
ソウルと東京は物理的な時差はないが、文化的な時差は微妙にあるような気がする。いまのソウルって出版や本屋では東京の未来が見えるし、音楽やレコードでは東京のいまが見えるし、建築や街の風情では東京の過去が見えるかもしれない。東京の人からみれば、いまソウルは細やかな幸せを探しにタイムトリップするのができる街だと思う。これこそ、大人でなければ楽しめない遊びかたなのではないか。
Text:TOKYO DABANSA
>>次のページからは「小さいけど確かな幸せ」を感じられる17店舗をご紹介!
1. 写真集が充実。閑静な住宅街に佇む書斎のような本屋「IRASUN」
2016年にオープンしたスタイリッシュな本屋は「家の書斎」がモチーフ。お店が建つソチョン(西村)の落ち着いた雰囲気にもなじむ店構えだ。
店内は、新旧問わず世界各国の美しい写真集が取り揃えられていて、椅子に座りながらゆっくりとお気に入りの一冊を読むこともできる。
「IRASUN」
住所/1F, 5 Hyoja-ro 7gil, Jongro-gu, Seoul, Republic of Korea
TEL/82-10-5420-0908
営業時間/12:00~20:00、月曜定休
https://www.irasun.co.kr/
2. 、大手アートブック出版社が営む本屋兼ギャラリー「The Reference」
韓国のアートブック「IANN」がオープンした写真専門の本屋兼ギャラリー。「展示のある本屋」をテーマにして、出版とニューメディアの間の新しい可能性を模索するために作られた空間だ。
4月中旬から5月は、「身体」をテーマにしたアジア・アートブックの展示「The Reference Asia: Art Book Library 2019」も開催予定。
「The Reference」
住所/B1-2F, 44 Jahamun-ro 24gil, Jongno-gu, Seoul, Republic of Korea
TEL/82-70-4150-3105
営業時間/11:00~19:00、月曜定休
http://www.the-ref.kr/
3. ライフスタイルに寄り添ったアート作品が得意「ILMIN MUSEUM」
韓国の中心街、ソウルのクァンファムン(光化門)広場の前にあるイルミン美術館。同館は1996年の開館以来、「芸術的な行いが生活を豊かにする 」という信念で展示会を開催。
1〜3階はアートにまつわる3つの展示スペースや講義室、ドキュメンタリーアーカイブ 室、5、6階は新聞博物館(Presseum)となっている。そのほか、1階には本屋とアートショップが併設されている「CAFE IMA」も。ここのサンドイッチは現地っ子にも人気のおすすめメニュー。
「ILMIN MUSEUM」
住所/152, Sejong-daero, Jongno-gu, Seoul, Republic of Korea
TEL / 82-2-2020-2050
営業時間/11:00~19:00、月曜定休、旧正月、秋夕
http://ilmin.org/
4. 古民家をリノベしたスタイリッシュなバー「BAR CHAM」
近年、カフェや散歩の名所として人気の街、ソチョン(西村)は面白いバーが路地裏に軒を連ねている。そのなかでも韓国の伝統家屋を現代の町家としてリノベーションしたバー「BAR CHAM」は2018年にオープンしたばかりにも関わらず、ソウルっ子から注目されている。
マスターは世界のバーテンダー大会で優勝経験もある実力者で、韓国の地方の特産品やお酒をベースにしたカクテルが看板メニューだ。チャージなし、ドレスコードなしなので気負いなく入れるのも嬉しい。こじんまりとしたお店なので、同行は4人まで。ジン・トニック、ハイボールは14,000ウォン、カクテルは平均18,000ウォン。
「BAR CHAM」
住所/34, Jahamun-ro 7-gil, Jongno-gu, Seoul, Republic of Korea
TEL/ 82-2-6402-4750
営業時間/19:00~03:00 (月~土)、19:00~01:00 (日)
https://www.facebook.com/pages/Bar-%EC%B0%B8/533076317111512
5. ソウルで楽しめるアーバン・リゾート施設「SOUNDS HANNAM」
週末遠くまで行けない忙しいソウルっ子でも都心でひと息つけるアーバン・リゾート地として人気の複合施設。ここは、私たちの日常に、新しいスタンダードを提案するライフスタイルショップが充実している。
「SOUNDS HANNAM」のなかでも必ず訪れて欲しいのは、韓国カルチャーと造詣が深いブックショップ「STILL BOOKS」や旬の食材を使った韓国の家庭食が堪能できる「Ilhochic」、パンやコーヒー好きをも唸らせるカフェ「Quartet」。そのほかにもギャラリーやフラワーショップなどを巡りながら、ゆったりとした時間を味わいたい。
「SOUNDS HANNAM」
住所/ 35, Daesagwan-ro, Yongsan-gu, Seoul, Republic of Korea
TEL/82-2-511-7443
営業時間/9:00~24:00、無休
http://www.project-sounds.com/
「STILL BOOKS」
住所/35, Daesagwan-ro, Yongsan-gu, Seoul, Republic of Korea
TEL/82-2-749-5005
営業時間/12:00~21:30、月曜定休
https://ja-jp.facebook.com/stillbooks.hannam/
「Ilhochic」
住所/1F, 35, Daesagwan-ro, Yongsan-gu, Seoul, Republic of Korea TEL /82-2-794-2648
営業時間/11:00~22:00 (BREAK TIME 16:00~18:00)、無休
https://www.facebook.com/ilhochic
「Quartet」
住所/1F, 35, Daesagwan-ro, Yongsan-gu, Seoul, Republic of Korea
TEL /82-2-794-9090
営業時間/9:00~22:00、無休
http://www.project-sounds.com
6. お宝レコードが発掘できるかも!? 音楽通が訪れる老舗「LIVING SA」
地下鉄4号線のへヒョン(会賢)駅、7番出口付近にある地下商店街は中古レコード屋街になっている。日本でCDがリリースされていた頃、まだ韓国はレコードやカセットテープが主流だったので、サントラ盤を中心に日本では手に入らない貴重なレコードを見つけることができるかも。最近、日本のDJの間で噂になっている韓国のAOR(オーディオ・オリエンテッド・ロック)系のレコードも豊富。どの店に訪れるか迷ったら、まずはいちばん品揃えがいいレコード屋「LIVING SA」 に行けば間違いない。
「LIVING SA」
住所/LA32, 58, Sogong-ro, Jung-gu, Seoul, Republic of Korea
TEL /82-2-778-8868
営業時間/9:30~20:00、第1、第3日曜定休
7. アートストリートで寄り道! 現地のアーティストが作る工芸品が並ぶ「アウォンゴンバン (阿園工房)」
ソウルの代表的なアートストリート、仁寺洞(インサドン)で1983年に創業した金属工芸の専門店。母の美的信念を受け継いだ姉妹たちが経営しているファミリー工房は、どこか暖かみがあるインテリアや雑貨、韓国アーティストのアクセサリーが揃う。2011年にオープンした三清洞(サムチョンドン)店はギャラリーも併設されていて、展覧会も楽しめる。
「アウォンゴンバン (阿園工房)」
仁寺洞店
住所/44, Insadong-gil, Jongno-gu, Seoul, Republic of Korea
TEL /82-2-734-3482
営業時間/10:30~19:30(月~土)、11:00~19:00(日)
三清洞店
住所/3,Bukchon-ro 5ga-gil,Jongno-gu, Seoul, Republic of Korea
TEL /82-2-735-3482
営業時間/10:00~19:00(月~土)、10:30~19:00(日)
https://www.ah-won.com/
8. 韓国の伝統陶芸品を購入したいならマスト「ジングァンオンギ(澄光甕器)」
韓国の伝統的な壺、オンギを取り扱う陶芸ブランドとして1979年に創業。壺、器、茶器といったラインナップが人気で、 なかには美しい陶芸品として「UNESCO Seal」にも認定された商品も! 韓国家庭では自家製調味料を美味しく発酵させるために、昔からオンギにキムチやコチュジャン、お味噌、お醤油を保存するけれど、それになじみのない人は、日常使いできる食器や耐熱皿、ハンアリといったオンギをモダンに解釈した陶芸品がおすすめ。
「ジングァンオンギ(澄光甕器)」
住所/26, Yunboseon-gil, Jongno-gu, Seoul, Republic of Korea
TEL/82-2-722-3409
営業時間/11:00~20:00、日曜定休、旧正月、秋夕
9. 有名建築家がリノベーションしたガラス張りの美術館「アラリオ・ミュージアム・イン・スペース」
韓国を代表する建築家、キム・スグンが創刊した建築雑誌「空間(ゴンガン)」のオフィスとして1971年に設計された建物をリノベーション。韓国の現代建築の独特な空間のなかで、中国やインド、東南アジアのアーティストが描いたコンテンポラリーアートに出会えるアートミュージアム。
併設のガラス張りのビルにはイタリアン、韓国料理、フレンチのレストランがあって、隣に佇む1405年創建の昌徳宮(チャンドックン)という朝鮮時代の王宮の風景を眺めながら食事することができる。春はその昌徳宮の後苑(フウォン)を散歩できるガイドツアーに参加するのもおすすめ。
「アラリオ・ミュージアム・イン・スペース」
住所/83, Yulgok-ro, Jongno-gu, Seoul, Republic of Korea
TEL/82-2-736-5700
営業時間/10:00~19:00、月曜定休
http://www.arariomuseum.org/visit.php
10. 隠れ家のようなスペシャルティコーヒー専門店「FRITZ COFFEE」
店内で焙煎したコーヒーや自家製のパンが人気の韓国を代表するスペシャルティコーヒー専門店。韓屋をリノベーションしたレトロモダンな建物は「都心のなかにある隠れ家」という表現がぴったり。心地よく風通しが店内でカフェタイムを楽しもう。
「FRITZ COFFEE」
住所/83 Yulgok-ro, Jongno-gu, Seoul, Republic of Korea
TEL/82-2-747-8101
営業時間/10:00~21:00、無休
http://fritz.co.kr/