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いざ衣替え! 大切な洋服をダメにする8つのNGルーティン

冬→春へのスイッチシーズンに「やってはいけない8つのこと」を、洗濯のプロが徹底レクチャー。

By and Ayumi Shinohara
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Getty Images

「まだ寒い日があるかもしれないし……」なんて思って衣替えを先延ばしにしていたら、いつの間にかクローゼットは冬服と春服でびっしり。そのうち、「面倒だから冬服も次のシーズンまで、このままかけておこうかな」なんて気持ちがむくむくと湧き上がってきているあなた! 実は“このまま”にしておくことこそ超危険な行為。お気に入りの洋服を守るための衣替えのポイントから、収納前の正しい洗濯方法まで、「洗濯王子」こと、洗濯家の中村祐一さんが徹底レクチャー。うっかり犯しがちなNGルーティン別に、正しいケア方法を伝授。

>>服を長持ちさせるカギは、スチーマー&毛玉取り機! 専門家が解説

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冬服を、次に着るまでそのまま放置する

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服にとって“汚れ”は病気やケガのようなもの。衣替えで早期発見と治療を!

「最近は、シーズンの終わりではなく次のシーズン前に洗うという人が多いですが、それは服にとってダメージが非常に大きくなってしまうんです。例えば、“汚れ”って服にとってはいわゆる病気やケガみたいなもの。早めに対処すればすんなり落とせるのに、時間が経つと取返しのつかない状態になってしまうことが多々あります。もし大きな汚れがなかったとしても、冬の衣類は次のシーズンまでの間に梅雨と夏を越すため、カビやすくなったり、黄ばみが出てきたりと、さまざまな危険にさらされます。『防虫剤を入れてあるから安心』と思っている人、それも危険です。そもそも汚れがあるとそれ自体が虫の餌になってしまうので、防虫剤が入っていても、食べられてしまうリスクが上がります。大切な洋服を長く綺麗な状態で着るためには、やはりシーズン終わりの衣替えが重要!」 

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状態をよく見ずにクリーニングに出す

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受付で状態を説明することで、より丁寧なケアが可能に

 
「出す前にまず服の状態をよく確認すること。汚れていないと思っていても、意外とシミがあったり、ほつれていたり、場合によっては破れていたり…。ワンシーズン着ると、自分が思っている以上に服は傷んでいます。汚れだったら染み抜きをお願いできますし、ほつれはお直ししてくれるところも増えてきています。出すだけではそこまでの対応はできないので、一言受付で相談してみてください」

そして、多くの人が気になっているのが毛玉問題。クリーニングに出せば、毛玉もなくなり新品同様に戻ってくることをどこかで期待してはいませんか? 残念ながら、毛玉もきれいに洗われ、そのまま戻ってきます。では一体どうすれば……? 「基本的にクリーニング店は人の手がかかるものは別料金なので、通常のクリーニング代というのは“丸洗い”と“プレス”の料金と考えておくといいでしょう。でも、別料金でもやってほしいとお願いすれば対応してくれるところもたくさんあります。逆に対応してくれないところは、本当に洗うだけのクリーニング店。大切な洋服を出すときは、そこのサービスで良いのかというひとつの目安にもなると思いますので、一度聞いてみるのもいいかもしれません」

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毛玉が取れないニットを処分する

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ちょっと待って! 毛玉は取れるし、防げます

 
「どんなにたくさん毛玉ができたとしても、取ることは可能です。来シーズン着たいものであれば、諦めなくても大丈夫。前述のクリーニング店に依頼するのもいいですし、クリーニングに出す前に自分で取ることも可能。身近にあるものだとT字カミソリ。ホテルのアメニティにあるような本当にシンプルなものが使いやすいと思います。自分の手だと強さや角度など微調整がきくので、安心してとれますし、肌にも使えるものなので、服にもダメージが少ないです。ただし肌が切れる角度で使うと服も切れてしまうので、そこだけ注意が必要。市販のものであれば、機能に大きな差はないと思います。基本的に一定の刈り方しかできないので、毛玉の状態によっては刈り過ぎてしまうことも。毛玉を取る=本体のボリュームがなくなるということなので、使う際は気を付けてください」
 
日々のケアで毛玉はある程度防げるそう。「セーターやウールのコートなど、毛玉ができやすい素材のものは、着たあとに馬毛や豚毛の洋服ブラシでブラッシングをしておけば、毛玉になりにくい状態を保てます」

>>毛玉取りのおすすめ37選。人気のブラシ、衣類の毛玉をきれいに取る方法も

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アウターを洗濯機のドライモードで洗う

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ドライモードとクリーニングは別物。アウターはクリーニングに出して
 

「洗濯機のドライコースとは、“攪拌(かくはん)がほとんど起きない、手洗いコースよりも更に緩やかな水洗い”のことで、クリーニングとはまったくの別物。クリーニング屋さんで行うドライクリーニングは油を使います。油を使うメリットは形をまったく崩さないということ。トイレットペーパーだってそのまま洗えちゃうくらい崩れないんです。だから『ドライマーク洗えます』と書いてある洗剤や、洗濯機のドライコースとは全く別物ということは覚えておいてください」

いちばん外側に着るもの=アウターに関してはクリーニングがおすすめとのこと。「冬物のいちばん外側に着るものは高額なものが多いですし、仮に家で洗って形が崩れたときにアイロンが大変なものが非常に多いです。そう考えるとクリーニングがベストな選択かと思います」

ただし、意外にもダウンジャケットは自宅で洗うことも可能なのだとか。「僕はデュベティカのダウンをシーズン中何回も洗っていますが、意外と洗える表示の多いのがダウンです。ただ、乾きにくいことがいちばんの問題なので、乾燥機やコインランドリーでしっかり乾燥させてください。そうすればふっくら戻ります」

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水洗いせずに汚れを沈着させる

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表示が水洗い不可でも、素材によっては家洗濯にチャレンジすることが可能 

「クリーニングに出す回数が少なくて汚れが沈着するよりも、家でこまめに洗濯したほうが大切な洋服を長持ちさせることができます。洗濯表示が水洗い不可になっているものでも、素材によっては挑戦することも可能。もしも挑戦する場合には、この表を参考にして難易度が低い素材かどうかをチェックして考えてみてください」

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家洗濯の精度をアップしたいなら、よりプロ仕様のおしゃれ着洗剤を使ってみるのも手。「スーパーやドラッグストアで売られているおしゃれ着用の中性洗剤は、どのメーカーもそれほどの使用感の差は感じないと思います。オンラインショップなどでは、プロがデリケートな服を水で洗うときに使うものに似た洗剤も売っているので、難易度の高い洗濯に挑戦したい場合にはそういったものを使うこともいいでしょう」

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クリーニングのビニール袋を外して保管

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ビニールはホコリ対策には有効。でもカビには気を付けて

クリーニングから戻ってきた洋服にひとつひとつ掛けられているあのビニール。外さなければいけないと思っている人が多いなか、実は外していない人もいることが判明。真実は?

「昔はビニールの品質があまりよくなく、ビニールからガスが出るようなものがあったり、季節の変わり目などの繁忙期には、溶剤が乾ききる前に渡してしまったりすることもゼロではありませんでした。そのため必ず取らなければならなかったんですが、今は昔のような状態はありませんので、ビニール取りもマストではありません。ただしクローゼットを開けたとき、寒いと感じるような家の場合、温かい空気が部屋からクローゼットに一気に流れ込み、ビニールが結露する危険性も。その場合カビが発生してしまうので気を付けてください。今までかぶせていて特に異常がなかったのなら、かぶせたままでも大丈夫。目の前の事実こそ真実です」

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防虫剤を多めに入れる

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誤った防虫剤使いはシミの原因! 正しい使用法をマスターすべし

とりあえず入れておけばOK…ではないんです。置き方、入れ方を間違えている人が非常に多い防虫剤問題。せっかくクリーニングで綺麗にした洋服が台無しにならないためにも、しっかり使い方は覚えておいて。

防虫剤はいちばん上に
「防虫剤は空気に触れることで防虫効果のあるガスが出て、そのガスは空気より重いため上から下に落ちていきます。そのため、畳んである衣類に置く場合はいちばん上に置きましょう。服のなかや下に置いても、うまくガス化がされないためあまり意味がありません。圧縮袋のなかに入れる方もいますが、空気に触れないと効果が発揮できないため、それもあまり意味がありません」

異なる種類の防虫剤を併用しない

「防虫剤の成分は、市販されている一般的なものだと4種類に分けられます。無臭のものであれば、異なるメーカーの防虫剤を一緒に入れても大丈夫かと思います。ただし、香りつきのものには注意してください。一概には言えませんが、異なる種類のものを同時に使うと成分が喧嘩をして、シミを作ってしまうことがあります」

防虫剤は殺虫剤ではない

「防虫剤は虫を殺すというよりも、虫をよりつきにくくするものとして考えたほうがよいです。汚れが付着した部分などあれば、食べられやすくなるリスクが上がります。防虫剤に頼るというよりは、“キレイに洗って保管する”という基本的なことをきちんと守ることをオススメします」

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ニットやカットソーをハンガーに掛けて保管する

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引っ張って伸びる素材はハンガーNG。素材によって見極めて

クリーニングに出してシワが一切ない綺麗な状態を保つため、そのままハンガー保管を選択している人も多いとか。保管方法を決めるポイントと、その方法とは?

引っ張って伸びるものはたたみ保管
「ニットやカットソーなど、基本的に引っ張って伸びる素材のものは畳んだほうがいいです。あまり重さがない衣類だとしても長期保管をする場合には徐々に伸びてしまいます」

シワ対策にはA4の紙が有効

「衣類をそのまま畳むとシワはできてしまいますが、A4の紙を一枚挟んでそれを型に畳んであげるだけでシワのでき具合は全然違います。マフラーやストールなどにも使える技なので、ぜひ試してみてください」

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教えてくれたのはこの方

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洗濯家 中村祐一さん

1984年3月1日生まれ。 長野県伊那市のクリーニング会社「芳洗舎」3代目。 “洗濯でセカイを変える”という信念のもと、日本中の家庭にプロの洗濯ノウハウを伝え続ける、日本を代表する洗濯家。現在は、テレビ・雑誌など多くのメディア媒体で活躍するほか、日本で初めて開設した洗濯専門のスタジオ「Sentaku Studio」で洗濯、しみ抜き、アイロンなどを直接学べる洗濯教室行っている。http://www.sentaku-yuichi.com/


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