摂食障害を告白したセレブたち
メンタルヘルスとも大きく関わる摂食障害。人に見られるのが仕事のセレブたちの中には体型に関する報道から過剰なダイエットに取り組み、摂食障害を引き起こしてしまう人も多い。今回は障害を告白したセレブたちをピックアップ、自ら分析する理由や告白しようと思ったわけに注目したい。
リリー・コリンズ
Netflixの映画『To the Bone(原題)』で拒食症の少女を演じた経験を持つリリー・コリンズ。この直前に出版した自伝でティーン時代に拒食症に苦しんだことを告白、ジャンクフードを食べては嘔吐することを繰り返していたと明かしていた。当時は髪が抜け爪もボロボロになり、喉が胃酸で荒れていたそう。「この映画の脚本をもらう1週間前にちょうど自伝のこの部分を書いたところだった。まるで宇宙が物事をいっぺんに起こすことで、私が過去に持っていた恐怖と立ち向かうのを助けてくれたようだった」。自分の経験を告白したのは「若い女性や男性にとってタブーになっている話題をオープンにし、議論のきっかけにしたいと思ったから」。
デミ・ロヴァート
拒食症と過食症を繰り返し、18歳のときにリハビリに入って治療に取り組んだデミ・ロヴァート。退院後のインタビューで「これまで自分の体型が嫌でベッドから出たくない、そういう日がなかったと言ったら嘘になる」。デミの分析では、幼い頃から母も同じように拒食症に苦しんでいたことも大きな要因だとか。「私は当時まだ2、3歳だったけれど、体重が35キロくらいしかない摂食障害に苦しんでいる人のそばにいた。私も同じようになるのは当然だったと思う」「祖母も母も、そして私も摂食障害だった。でも自分の子どもはそうならないことを祈ってる。でも摂食障害は依存症や遺伝と同じようなものなの」。これから一生、摂食障害は自分の課題だと語っている。
ケシャ
2014年にリハビリで拒食症の治療に取り組んだケシャ。「施設に入る前には空腹で気絶しそうになるのが普通の状態だった」そう。「痩せれば痩せるほど、周りは褒めてくれたの。精神状態は最悪だったけれど『綺麗になった』って褒めてくれる人がたくさんいたの」。施設では「栄養士から『食べ物は体に必要なものだ』ということを教えてもらった。健康を維持することが自分にしてあげられることで一番大切だということにやっと気がついた」。ちなみに彼女が拒食症になってしまったのは、ケシャがその後セクハラで告発したプロデューサーのドクター・ルークの影響も大きい。彼女の友達たちが、ケシャがPV撮影時に彼から「太り過ぎで冷蔵庫みたいに見える」と言われていたことを原因の1つとして指摘している。
トローヤン・ベリサリオ
ドラマ「プリティ・リトル・ライアーズ」のトローヤン・ベリサリオ。摂食障害の女の子を描いた映画『Feed』の脚本&制作を手掛けたことをきっかけに、自身もティーンの頃に拒食症に苦しんだことを告白している。「拒食症の人は『すべて問題ない』と装いつつ、ゆっくりと自分を殺していっているの。何日もハッピーで楽しい気持ちで過ごしていたかと思うと、突然人とコミュニケーションすることができない、食事をすることもできない、そういう気持ちになってしまう」。10年かけて拒食症を克服したとも。でもこの映画をきっかけに「今も心の浅い部分に潜んでいることに気がついた。私はそれを無視したり、関わらないようにしたりするのがただうまくなっただけなの」。摂食障害は依存症と同じで再発の可能性が潜んでいると、体験者だからこその厳しい意見を語っている。
エルトン・ジョン
アルコールやコカインなど様々な依存症に苦しみ、克服してきたエルトン・ジョン。摂食障害も患っていたことを明かしている。昨年あるインタビューで「僕は6年にわたって過食症と闘ってきた。自分の体重にこだわりつつ、食べることをやめることができなかった。その結果どか食いして、嘔吐していたんだよ」。治療しようと決意、リハビリ施設に入ろうとしたけれどあまりにも多くの依存症を抱えていたことから多くの施設で断られてしまったそう。エルトンを受け入れてくれたのは、スパルタ治療で有名な、あるシカゴの病院。エルトン曰く「病院に行ったとき、あまりにも過酷ですぐに出て行こうとした。でもそのとき気がついたんだ。もう他に僕の行くところはない」って。