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①テイラー・スウィフト/「未来を変えるのは若者」宣言!
「投票は今までになく重要になっている……セレブたちに聞いてごらん。一日に何度も言うよ!」。そうやってクリス・プラットが茶化すほど、アメリカのセレブたちが大統領選挙の投票促進に熱中した2020年。もちろん音楽界も活発で、テイラー・スウィフトは自身の楽曲を政治キャンペーンに初提供するなど、民主党のジョー・バイデン候補を熱烈サポート。
※ジョー・バイデン候補の名が書かれたクッキーをインスタに投稿するテイラー・スウィフト
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Taylor Swift - Only The Young (Featured in Miss Americana / Lyric Video)
Watch onその楽曲「Only The Young」で「若者だけが世界を変えられる」想いが歌われているように、アメリカの全有権者の3割以上を占める若年層は、選挙において重要な存在。
※テイラー・スウィフト「Only The Young」
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ただし、民主党支持が多いとされながらも投票率は低めなため、ケケ・パルマーが「投票用紙に書き込まないと世界は変えられない」と若者に呼びかける楽曲「Actually Vote」をリリースするなど、スターたちが続々と働きかけていった。
※ケケ・パルマー「Actually Vote」
Irfan Khan//Getty Images 期日前投票の激増もあり、2020年大統領選挙の推定投票率は「1900年以来最高」となる66.8%程との見立ても! 29歳以下の若年層の投票率も全体と同じく増加したよう。さらに、The NewYorkTimesの出口調査(2020年11月6日現在)では、多くの年齢層の共和党・民主党支持率が拮抗するなか、18〜29歳のみ3対6ほどで民主党支持に偏る「Only The Young」状態に。2018年中間選挙で「リベラルな若い有権者が増えれば政局が変わる」と考えて同曲を作ったテイラーによる「若者が世界を変えられる」宣言は、なかば当たり?
※アメリカ各州でデザインが異なる「投票しました」シール
②エミネム、ジョジョ、シェールetc…/各候補の応援ソングを提供
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One Opportunity featuring music by Eminem | Joe Biden For President 2020
Watch onエンタメ界も大きく動く大統領選挙で、スターたちを惹きつけるのは民主党。「一生涯でもっとも重要な選挙」スローガンも飛び交うなか、政権奪取を狙う今回は楽曲面のサポートも豪華絢爛! テイラー・スウィフトのみならずエミネムもキャリア初の政治キャンペーンへの楽曲提供を行い、名曲「Lose Yourself」がバイデン&ハリス陣営のキャンペーンソングとして選挙を大盛り上げ。
※バイデン&ハリス陣営のキャンペーンソング「Lose Yourself」
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JoJo - The Change [Official Lyric Video]
Watch onほか、ジョジョも公式アンセムとして「The Change」を制作し、大御所歌手シェールもサポーターとして「ジョーが大統領になれば希望が満ちあふれる」と歌いあげる「Happiness Is Just a Thing Called Jo」を発表するなど、グラミー賞のようなメンバーが揃うことに。
※ジョジョ「The Change」
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KEEP AMERICA GREAT (Official Music Video) - Trump 2020 Song by Camille & Haley
Watch on多くのスターたちから批判されながらも、選挙直前にリル・ウェインやリル・パンプなど、人気ラッパーから支持を取りつけたトランプ陣営。自由と愛国、銃保持の権利を掲げるクリスチャン姉妹デュオのカミーユ&ヘイリーの再選祈願ソング「KEEP AMERICA GREAT」がインターネットで話題になる一面も。
※カミーユ&ヘイリー「KEEP AMERICA GREAT」
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Cher - Happiness Is Just A Thing Called Joe [Official Video]
Watch on予想を超える接戦となった2020年大統領選挙。11月6日時点では、ジョー・バイデン候補が優勢とされていて、エミネムの地元ミシガン州でも勝利をおさめた。ただ、もし大統領になったとしても、シェールが歌ったような「希望があふれる」状態になるかは、まだまだ注視が必要。「KEEP AMERICA GREAT」と歌ったカミーユ&ヘイリーの願いは厳しいかもしれないけれど、今回敗北した場合、ドナルド・トランプ大統領は2024年大統領選挙で再戦することが可能。
※シェール「Happiness Is Just a Thing Called Jo」
③カニエ・ウェスト/自らが波乱の立候補!?
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新曲「Nah Nah Nah」で「俺は大統領候補だぞ」と名乗りあげたように、「バースデー・パーティ(党)」を立ち上げて大統領選挙に立候補したラッパーのカニエ・ウェスト。出願が遅かったため50州中12州の出馬にとどまったものの、持ち前の財力で1,000万ドル、つまり10億円以上を投じて本格的なキャンペーン映像も制作していった。「黒人票を吸い上げることでバイデンを不利にする」目論見を否定しなかったカニエ。
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Watch Michelle Obama's Full Speech At The 2020 DNC | NBC News
Watch on共和党界隈の人脈の支援も受けたこともあって、元ファーストレディのミシェル・オバマが民主党党大会で「勝つ見込みのない候補者と遊んでいるときではない」と注意したり、民主党サポーターの女優ジェニファー・アニストンが「カニエに投票するなんてシャレにならない」と名指しで忠告するカオス状態を巻き起こした。
※ミシェル・オバマの強烈スピーチ
Mark Sagliocco//Getty Images 「真に信じる人に投票する……自分に」。そう宣言して、人生初の大統領選挙の票をカニエに捧げたカニエ。しかし、本命候補たちと異なり、大方の予想通り多くは得票できず、早期に実質的な撤退宣言を行い2024年の再チャレンジを予告する結果に。どうやら、各州で0.2〜0.4%ほどの票を獲得し、合計60,000票になったよう。元々「Nah Nah Nah」でも選挙要素は控えめだったので、本人も想定済み? ちなみに、妻のキム・カーダシアンは、トランプ政権とのつき合いもあってか、投票先は公言せず。
④ジャネール・モネイ、ジェネイ・アイコ/投票と人種問題の「変革」を叫ぶ
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Lil Baby - The Bigger Picture (Official Music Video)
Watch onリル・ベイビーの「The Bigger Picture」など、Black Lives Matterのプロテストソングがヒットした2020年。選挙シーズンには、ジェネイ・アイコ「Vote」など、人種問題にも深く関わる「投票の権利」を扱った楽曲もリリースされた。
※リル・ベイビー「The Bigger Picture」
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Janelle Monáe - Turntables [Emotion Picture]
Watch onこれはアメリカの歴史に根ざす問題で、近年は、黒人の人々を初めとした特定グループの投票ハードルを上げるような制度がつくられるなど、深刻な報告が多発している。この「投票抑圧」を探るAmazonドキュメンタリー『すべてをかけて:民主主義を守る戦い』に楽曲「Turntables」を提供したジャネール・モネイは、投票の権利とBlack Lives Matter、LGBTQ+運動をつなげるかたちで「変革のとき」だとシャウト。
※ジャネール・モネイ「Turntables」
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残念ながら、ジェネイやジャネールが訴えた問題は、今回の選挙でより深刻になったかもしれない。全州の結果が出ないうちにドナルド・トランプ大統領が票の集計を止めるよう会見して最高裁判所に提訴する方針を表明。民主党派から「すべての票を数えろ」と声があがっていき政治的対立がより深刻となるなか、ジャネールは「怒りや憎しみに駆られないで」と助言を発信する状況に……。
※ジェネイ・アイコ「Vote」
Michael B. Thomas//Getty Images 一方、Black Lives Matter活動家コリ・ブッシュがミズーリ州初の黒人女性議員、サラ・マクブライドが米国初のオープンリィ・トランスジェンダー議員になるなど、ジャネールが身を投じた「変革」が実を結ぶ場面も。
※Black Lives Matter活動家コリ・ブッシュ
⑤アリアナ・グランデ、ニール・ヤング/未来の女性大統領を予測!?
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Ariana Grande - positions (official video)
Watch on投票キャンペーンに注力し、投票所に並ぶ人々にピザも配ったアリアナ・グランデは、新曲「positions」のミュージックビデオで大統領に変身! そこで女性やクィアなど多様性に富む政権を描いただけあり、異性愛者の白人男性が争う今回の大統領選は「正しくない状態」だと受け止めているよう。
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Neil Young - Lookin' For A Leader 2020 (Official Music Video)
Watch onカナダ出身の大御所ロックスターのニール・ヤングも同意見のようで、旧作をアレンジした新曲「Lookin’ for a Leader – 2020」では「我々を率いるリーダーはきっと女性か黒人男性だ」と宣言。
※ニール・ヤング「Lookin’ for a Leader – 2020」
Mason Trinca//Getty Images アリアナが苦言を呈したように、今回の大統領選挙はストレートの白人男性同士の戦い。ただ、時期尚早かもしれないけれど、2024年大統領選挙の有力候補には女性の名前も。注目株は、バイデン陣営の副大統領候補であるカマラ・ハリス。ほかにも、ジャネール・モネイが強く支持するステイシー・エイブハムや共和党ニッキー・ヘイリーも人気上昇中。
まだまだ波乱がつづくかもしれない2020年大統領選挙。次々と情報が飛び交っているので、アリアナが「Positions」で歌ったように、ときには「切り替え」をして気分転換するのも大事かも。
※カマラ・ハリス
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