世界中の女性が憧れる英国王室のヒロイン、キャサリン妃のファッション。その人気の秘密は、どんなシーンにおいても気持ちいいくらいしっくりくる“その場にふさわしい装い”=ドレスコード。そこで、世界で最も見る人に心地よさを与えるキャサリン妃のファッションコーデを例に、女性が押さえておくべき7つのドレスコードを徹底解説。


Chic Wardrobe
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ドレスコードって、そもそもどういう意味?

ドレスコード(dress code)とは、服装における規定のこと。オケージョンや時間帯、そこに集まる人のジャンルによって決められる、その場にふさわしい服装規定のことを、ドレスコードと呼ぶ。

一般的に、格式が高い順に①フォーマル ②セミフォーマル ③インフォーマル ④スマートエレガンス ⑤カジュアルエレガンス ⑥ビジネスアタイア ⑦スマートカジュアルの7つのコードに分類される。

ドレスコードと言って、日本でまず思い浮かべるのが「冠婚葬祭」。パーティや観劇、クルーズといったフォーマルシーンが多い欧米諸外国に比べ、日本では葬儀や結婚式、入学式などの式典、お受験……などドレスコードが必要なシーンが冠婚葬祭に限られがちなうえ、細かく厳しいのが特徴だ。もちろん、国際儀礼(プロトコール)においては、ホワイト・タイ(燕尾服やロングイブニング)、ブラックタイ(タキシードやセミイブニング)より厳格なドレスコードもあるけれど、まずここでは上記一般的な7つのドレスコードについて解説しよう。


キャサリン妃で解説! 女性の7つのドレスコード

  1. フォーマル
  2. セミフォーマル
  3. インフォーマル
  4. スマートエレガンス
  5. カジュアルエレガンス
  6. ビジネスアタイア
  7. スマートカジュアル

①フォーマル(正装)

格式の高い場所での冠婚葬祭など

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フォーマルなローブ・デコルテ(夕方~夜)

一般的に最も格式の高いドレスコード。日中なら、7分袖以上のワンピース形で着丈が長めのアフタヌーンドレス、夜帯なら靴が隠れるフルレングスで肌の露出が高いイブニングドレス。アフタヌーンドレスはとにかく肌の露出を少なく、生地も光沢や透け感のない無地のものを選ぶのがマナー。皇室の女性が着用する襟もとが詰まった立ち襟の“ローブ・モンタント”が象徴的。逆に、デコルテを大胆に開けたイブニングドレスを“ローブ・デコルテ”と呼ぶ。男性のモーニングコートやフロックコートと対をなす。日本では正式な和装(黒留袖、色留袖、振袖、喪服)もこれにあたる。


②セミフォーマル(準礼装)

結婚式・授賞式・ガラパーティ

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セミ・アフタヌーンドレス(デイタイム)
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カクテルドレス(夕方~夜)

いわゆる結婚式や披露宴のゲストドレスで、日中ならセミ・アフタヌーン、17:00以降の夜帯ならカクテルドレスがドレスコード。セミアフタヌーンとは、アフタヌーンドレス同様、肌の露出を抑えた、光沢がなく落ち着いた色合いのドレスのこと。アフタヌーンドレスよりもフォーマル度が低いので、トレンドや自分らしさを加えてアレンジする余地が許されているのも特徴。ワンピース形なら膝丈から長めのミモレ丈。ツーピース、セットアップ、アンサンブルでもOK 。肌の露出の多いノースリーブやミニ丈はNG。

一方、カクテルドレスとは、胸もとや背中が開いたデザインなど肌の露出の多いドレスのこと。生地はシルクサテンやタフタ、シフォン、ラメなど、光沢や透け感のある素材で、着丈の制限はなく、スリットやワンショルダーなどトレンドのデザインを自由に選択できる。映画祭やガラパーティのレッドカーペットドレスの多くがこれにあたる。


③インフォーマル(略礼装)

卒入園式・謝恩会・レストランウェディングなど

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インフォーマルとは、公式ではなく、形式の決まっていない略式のこと。いわゆる「平服」を指し、フォーマルウエアのなかでは最も自由度が高い。レストランウェディングや卒入園式、謝恩会などの慶事にも当てはまる。平服と言っても場に応じた高級感・上品さは必須で、肌の露出が少なく袖ありのワンピース、アンサンブル、パンツスーツなどが好ましい。柄ものや上下色違いでもOKで、個性的な小物も許容範囲。昼は光沢や肌の露出を控え、夜の場合は、光沢のあるもので華やかさを演出するというフォーマルの前提を守っておけば、自由度はかなり高い。


④スマートエレガンス 

結婚式の二次会・ホテルでの夜の会食など

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フォーマルではないけれど、ドレッシーできちんとした服装のことで、はっきりとした服装の決まりがないのが特徴。結婚式の二次会や屋外でのウェディングパーティ、高級レストランでの会食など、“個人的なハレの日”に着用する服装がイメージ。例えば、リトルブラックドレスやサテン素材のオールインワンなど、会場の雰囲気に合った程よくドレッシーな着こなし。フォーマルすぎると逆に浮いてしまうので要注意。


⑤カジュアルエレガンス 

ホテルやレストランでの会食・学校行事など

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いわゆる、高級レストランやホテルで用いられるドレスコード。ラグジュアリーな空間にふさわしいドレッシーな印象がありつつ、そのまま会社に行っても浮かない程度のカジュアルさを持ち合わせた服装がふさわしい。ワンピースやパンツセットアップなど、スマートエレガンスよりややカジュアルな雰囲気。華やかささえあれば、ニットやリネン、ツイードでもOK。


⑥ビジネスアタイア

ビジネスパーティや会食、イベントなど

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ビジネスアタイア(business attire)とは、その名の通りビジネスにおける儀式の衣装のこと。ビジネスシーンでの式典や会社関係の行事、会食で用いられるドレスコード。「ビジネス」というだけあり、求められる服装はスーツ。パンツ・スカートは不問だが、男女ともに上下同生地のスーツがマスト。男性はポケットチーフや華やかなネクタイが求められるので、女性ならジュエリーや小物で華やかさを加えるのがポイント。ストッキングはマストで、サンダルやミュールはNG。


⑦スマートカジュアル

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実はドレスコードのなかでもいちばん自由度が高いがゆえに難しいのがこれ。スマートカジュアルとは、カジュアルななかでも、比較的きれいめな印象の服装のこと。デニムやTシャツではなく、シャツやブラウス、黒パンツ、ワンピースなど、“お出かけや会社に着ていく比較的きれいめの服”がイメージ。会食や気軽なパーティ、クルーズなどさまざまなシーンで用いられ、きちんと感さえあれば、ニット、レース、コットン、リネンなど、素材や色は不問。


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