ロイヤルウエディングで、プリンセスの花嫁姿を一際輝かせるティアラ。値段がつけられないほど価値のあるティアラには、様々なドラマが隠されているのをご存知? 英国王室の超貴重なエピソードの数々をご覧あれ。
グレヴィル・エメラルド・ココシュニック・ティアラ
ユージェニー王女が結婚式で着用したのは、エリザベス女王の「グレヴィル・エメラルド・ココシュニック・ティアラ」。「ブシュロン」によるこちらのティアラは、1919年にイギリスの貴族グレヴィル夫人のために作られたもので、夫人が1942年に亡くなった際に、エリザベス皇太后(エリザベス女王の母)へと受け継がれた。プラチナにブリリアントカットダイヤモンドとローズカットダイヤモンドがセッティングされていて、センターに93.70ctのエメラルド、両サイドに6つのエメラルドがあしらわれている。
ダイヤモンド・バンドゥ・ティアラ
結婚式当日、メーガン妃(写真左)はメアリー女王のダイヤモンドティアラを着用した。ケンジントン宮殿によると、このティアラはメアリー女王のために1932年にイギリスで制作されたもので、中央にあしらわれたブローチは、1893年にまで遡るとのこと。1953年からエリザベス女王の金庫室に保管され、ヘンリー王子の大叔母に当たる故マーガレット女王が着用したことでも知られている。
グランド・ダッチェス・ウラジミール・ティアラ
メアリー女王(写真左)がロシアのウラジミール大公妃から買い取ったティアラ。その後、メアリー女王は孫娘のエリザベス女王(写真右)にこのティアラを譲った。エリザベス女王が所有するティアラの数の多さは世界一!?
ジョージ4世・ステート・ダイアデム
この王冠は、1821年に催されたイギリス王ジョージ4世の戴冠式のために制作されたもので、ヴィクトリア女王(写真中央)とエリザベス女王(写真右)の祖母にあたるメアリー女王(写真左)が着用して以来、英国王室が所有し続けている。エリザベス女王も自身の戴冠式でこのティアラを着用し、国会開会式への行き帰りにも愛用している。ちなみに、1,333石のダイヤモンドを使用しており、制作費用はたった約116万円ほどだったとか。ただし、それは1800年代の値段なため、現在では値段がつけられないほどの価値があることは間違いない。
ガールズ・オブ・グレートブリテン・アンド・アイルランド・ティアラ
元々は、1893年にメアリー女王(写真左)の結婚祝いのギフトとして贈られたティアラ。「ガールズ・オブ・グレートブリテン・アンド・アイルランド」委員会から贈られたもので、ティアラの長い名前は、その委員会名から取ったもの。メアリー女王は後の1947年、このティアラを孫娘であるエリザベス女王(写真右)の結婚祝いとして贈った。イギリス紙幣や切手に数多く登場するため、英国では極めて有名なティアラだと言える。
ビルマ産ルビー・ティアラ
結婚式当日、エリザベス女王に100石近くのビルマ産ルビーが贈られ、1973年にそれを使ったティアラが制作された。エリザベス女王は、複数のティアラを分解して取り出したダイヤモンドとルビーを組み合わせて、このティアラを完成させた。
ハロー・ティアラ
ハロー・ティアラは、1936年にジュエリーブランド「カルティエ」が制作を手掛け、エリザベス皇太后の結婚に先立って、夫であるジョージ6世が皇太后に贈ったもの。皇太后がエリザベス女王に18歳の誕生日ギフトとしてこのティアラを贈って以来、マーガレット王女(写真左)やキャサリン妃(写真右)が着用する姿が見られている。キャサリン妃が自身の結婚式でこのティアラをまとったことは有名で、739石のブリリアントカットダイヤモンドと、149石のバトンカットダイヤモンドがあしらわれているそう。
ザ・オリエンタル・サークレット
この繊細なティアラは、アルバート王配が最愛の妻であるヴィクトリア王女のために自らデザインを手掛けたもの。エリザベス皇太后(写真右)のお気に入りで、後にエリザベス女王(写真左)に贈られた。
ブラジリアン・パルーレ・ティアラ
エリザベス女王(写真左)の戴冠式にあたり、ブラジルが女王に対してアクアマリンのイヤリングやネックレスなど、ジュエリー一式を贈呈した。そこで、女王はジュエリーとお揃いのティアラの制作を発注。後にさらなる宝石が贈られたため、ティアラは当初のデザインよりも大きくなったとか。
クイーン・メアリー・フリンジ・ティアラ
2020年に行われたベアトリス王女も着用したクイーン・メアリー・フリンジ・ティアラは、1919年にメアリー女王のために制作されたもので、エリザベス女王と娘のアン王女がそれぞれの結婚式で着用したことでも知られている。このティアラは元々エリザベス女王の祖母であるメアリー王妃のものだったが、1893年のメアリー王妃の結婚式当日にヴィクトリア女王が贈ったダイヤモンドのネックレスを、1919年に王室御用達の英国宝石商「ガラード」がティアラに作り直したのだそう。なんと、チョーカーとしても使えるハイブリッドジュエリーなんだそう!
クイーン・アレキサンドラズ・ココシュニック・ティアラ
このまばゆいティアラは、1888年、エドワード8世とアレキサンドラ女王(エリザベス女王の曽祖母)の結婚記念日を祝って贈られたもの。後にエリザベス女王(写真)が譲り受けた。
ケンブリッジ・ラバーズ・ノット・ティアラ
ダイアナ元妃(写真左)がまとっていたイメージが強いケンブリッジ・ラバーズ・ノット・ティアラは、1900年代初期にメアリー女王のために制作され、後にエリザベス女王が受け継いだもの。ダイアナ元妃はこのティアラを結婚記念に贈られ、今ではキャサリン妃(写真右)が着用している。
ロータス・フラワー・ティアラ
現在キャサリン妃(写真右)がこのティアラを着用しているけれど、元はエリザベス皇太后(写真左)が所有しており、夫から贈られたネックレスをリフォームしたもの。エリザベス女王の妹のマーガレット王女が頻繁にこのティアラを着けていて、マーガレット王女が義理の娘に当たるセレナ・アームストロング=ジョーンズの結婚式当日、セレナに貸し出したというエピソードも。
グレヴィル・ティアラ
名士であったマーガレット・グレヴィル夫人が所有していたこのティアラは、後にエリザベス皇太后(写真左)に譲られた。その後、チャールズ皇太子と結婚したカミラ夫人(写真右)に貸し出され、事あるごとにカミラ夫人はこのティアラを着用している。
デリー・ダーバー・ティアラ
1911年、メアリー女王(写真左)のために制作されたこのティアラは、後にリフォームされている。エリザベス女王が譲り受けた後、カミラ夫人(写真右)に貸与された。見て分かる通り、これは王室が所有する中でも最大級のティアラの1つ。そのサイズは、頭1つ分に相当するほど。
ミーンダー・ティアラ
エリザベス女王が義理の母からギフトとして譲り受けたもの。後にエリザベス女王は娘のアン王女(写真左)に贈り、その娘のザラ・フィリップス(写真右)は結婚式でこれを着用した。
スペンサー・ファミリー・ティアラ
ダイアナ元妃(写真中央)が最も頻繁に着用したティアラの1つであるスペンサー・ファミリー・ティアラは、元妃の家族に先祖代々受け継がれているもの。チャールズ皇太子との結婚式ではもちろん、2人の姉や義理の妹にあたるヴィクトリア・ロックウッド(写真右)も、自身の結婚式で着用した。左側の写真は、ダイアナ元妃の姉レディ・サラ・スペンサーとサラの夫。
ポルティモア・ティアラ
ポルティモア・ティアラは1870年代に制作されたもので、エリザベス皇太后が娘のマーガレット王女(写真)が結婚式で着用するようにと購入。そして2006年にオークションにかけられ、約13億円で落札された。
ジョージ6世・サファイア・ティアラ
1947年、エリザベス女王(写真)の父親が女王の結婚祝いに、サファイアのジュエリーを贈った。元はジョージ4世が購入したものだったそう。そして60年代に、女王はジュエリーとお揃いのティアラを制作させ、完成したのがこちら。
photo : Getty Images translation : Rubicon Solutions, Inc.
>>US版『Marie Claire』のオリジナル記事はこちら