昨年の『万引き家族』が記憶に新しいけど、実は5作品もあるんです。
いよいよ現地時間5月14日(火)より開幕となる、第72回カンヌ国際映画祭。今年は残念ながらオフィシャルセレクションのラインナップに日本映画が入らなかったが、過去に最高賞「パルム・ドール」に輝いた日本映画はどんなものがあったのか、ここに振り返り。まだ観ていない人は要チェック!
是枝裕和監督によるヒューマンドラマは、昨年の受賞が記憶に新しい。東京のとある下町で、家主・初枝(樹木希林)の年金と万引きで食い繋ぐ治(リリー・フランキー)ら一家。貧しい暮らしながらも毎日笑いは絶えないが、ある冬の日、近所の団地の廊下で震えていた幼女(佐々木みゆ)を治が発見、見かねて家に連れ帰る……。2004年の『誰も知らない』でも高評価を得て、以降も着実にキャリアを伸ばしている是枝監督のさらなる飛躍に期待。
浮気した妻を殺害してしまい服役していた拓郎(役所広司)は、8年後に仮出所。極度の人間不信に陥った彼は理髪店を開くが、唯一飼っているうなぎだけにしか心を開かない。だがある日、川原で自殺未遂した女性・桂子(清水美砂)を助けてから、少しずつ彼の中で何かが変わってゆく。第50回で2度目のパルム・ドール獲得した今村昌平監督(写真右)が贈る、悲しくも愛おしいストーリー。
舞台は信州の山奥の寒村。おりん(坂本スミ子)はまだまだ元気に働けるが、70歳の冬になると楢山(ならやま)という山へ捨てられねばならないという村の掟“楢山参り”を迎えようとしていた。おりんは喜んで神に召されようとするが、息子の辰平(緒形拳)は気持ちの整理がつかない。人間の業や運命を描き、今村昌平監督が初のパルム・ドールを獲得した心揺さぶるドラマ。
巨匠・黒澤明監督が、甲斐の戦国武将・武田信玄の死と武田家の滅亡にまつわる物語を描いた一大歴史スペクタクル。「我が死を3年隠せ」という遺言を託して死んだ信玄(仲代達矢)。家臣たちはその死を徹底的に隠そうと、信玄にそっくりの盗っ人を影武者に仕立て上げるが……。黒澤を崇拝するフランシス・F・コッポラとジョージ・ルーカスもプロデューサーとして参加しており、製作費調達を働きかけたのだとか。
記念すべき日本勢のパルム・ドール初受賞は、衣笠貞之助監督(写真右)によるこちらの悲恋物語。平安時代末期、平家に仕える武士の盛遠(長谷川一夫)は、戦乱のさなかに出会った人妻の袈裟(京マチ子・写真左)に恋してしまい、何度も言い寄るがまったく相手にされない。業を煮やした盛遠は、やがて彼女を脅迫し始め――。アカデミー賞でも名誉賞(現在の外国語映画賞にあたる)や衣装デザイン賞を獲得している。
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