イギリス王室と並んでロイヤルファンの人気を集めるスウェーデン王室。実はイギリス王室以上に個性的なメンバーばかりだって知っていた? そこで今回はスウェーデンのロイヤルメンバーについて知っておきたい事実を総復習!
総勢16人の大家族
2019年にカール16世グスタフ国王はスウェーデン王室の範囲を狭めると発表。税金から出される国費を受け取り公務を行う王室メンバーは国王とシルヴィア王妃、第1子のヴィクトリア王太子の一家だけ。この決断の背後には、王室メンバーが多すぎて維持するための税金がかかりすぎると国民からの批判が高まったことがあると見られている。現在スウェーデン王室は国王と王妃の他に、3家族。まずヴィクトリア王太子と夫ダニエル王子、その2人の子どものエステル王女とオスカル王子。長男のカール・フィリップ王子と妻ソフィア妃、その3人の子どものアレクサンダー王子とガブリエル王子とジュリアン王子。そして次女のマデレーン王女と夫クリストファー・オニール、その3人の子どものレオノール王女とニコラス王子、アドリアンネ王女。総勢16名で確かに大家族! ちなみに「王室メンバー」は縮小されたけれど、家族であることには変わらない。2021年夏には一家が勢揃いしてバカンスを過ごす写真が話題に。
男女平等は世界最速!
1980年に王位継承制度を変えたスウェーデン。それまでは王位を継ぐのは長男と法律で決まっていたけれど、ジェンダーに関わらず長子が継ぐと改正した。ヴィクトリア王太子が生まれてわずか3年後だった。今ではイギリス、ベルギーやオランダ、ノルウェーなど長子を優先にする王室は他にもあるけれど、スウェーデンはその中でも一番早かったそう。
(写真はシルヴィア王妃と5歳のヴィクトリア王太子)
シルヴィア王妃は元キャリアウーマン
現国王のカール16世グスタフ国王の夫人、シルヴィア王妃はドイツ出身で結婚するまで通訳として働いていたキャリアウーマン。職業を持っていた女性がスウェーデンのロイヤルファミリーに入ったのは王妃が初。ちなみに職場はミュンヘンのアルゼンチン大使館。国王(当時は王子)と出会ったのも1972年のオリンピックに訪れた王子に通訳として随行したのがきっかけだった。
国王から王妃へのポップなプレゼント
1976年に結婚した国王と王妃。結婚式前夜のガラではなんと国王が王妃にABBAの「ダンシングクイーン」をプレゼント。ABBAがライブでパフォーマンスした。
失読症のチャリティをカミングアウト
失読症とは書かれた文字を読むことが困難な障がいの1つ。グスタフ国王、ヴィクトリア王太子、カール・フィリップ王子が軽度の失読症を抱えているという。ひと昔前であれば隠すところだけれどスウェーデン王室はカミングアウト。言語障害に負わされてきたスティグマを取り除こうと務めている。カール・フィリップ王子はスウェーデンの失読症協会のパトロンを務め、失読症があることで知能に問題があると偏見を持たれて苦しんだ経験をシェア、国民の支持を集めた。
ヴィクトリア王太子は拒食症を克服
思春期に入り公務が増え始めた頃から激痩せしていってしまった王太子。その痩せ方からマスコミの間では「拒食症では?」と囁かれるように。すると王室は王太子が拒食症であると声明を発表。プロによる治療を受けるためにアメリカで過ごすことを明らかにした。失読症と同様に拒食症も隠さずにカミングアウト、摂食障害に対する理解や治療の必要性を訴えたことで専門家たちから評価された。
ダニエル王子は元トレーナー
そのヴィクトリア王太子の夫となったダニエル王子は元トレーナー。2001年、王太子が24歳のときに彼女のパーソナルトレーナーとして起用された。王太子が適切な食事と運動を続け、摂食障害を克服するのをサポートするうちに交際に発展、2010年に結婚した。
カール・フィリップ王子はカーレーサー
グスタフ国王もカール・フィリップ王子もモータースポーツの大ファン。国王は観戦するだけだったけれど、カール・フィリップ王子は自らレースに参加! 2008年からはポルシェカレラカップ・スカンジナビアに参戦、2010年にはポルシェGT3 エンデュランス・スカンジナビアで優勝した。
ソフィア妃は元リアリティタレント
2015年にカール・フィリップ王子と結婚したソフィア妃。モデルのバイトをしていた20歳のときに男性誌『スリッツ』でセミヌードを披露、読者投票でミス・スリッツになったり、それをきっかけにリアリティ番組に出演したりと、華やかに活躍していた。ちなみにそれは全部アメリカへの留学費用を貯めるためだったそう。その後、アメリカで会計学や教育論を学んだ妃。今はその教育論を生かして、教育分野のチャリティ活動に取り組んでいる。
ソフィア妃はタトゥーが好き
おしゃれの1つとして一般的になっているタトゥーだけれど、ロイヤルファミリーではまだまだ少ないのが現実。そんな中、ソフィア妃はロイヤル入りする前に入れたタトゥーをそのまま残していることで有名。確認できただけでも足首と背中に入っている。またバカンス中にパパラッチがキャッチした写真によると脇腹にも蝶のタトゥーが入っているそう。ちなみに足首のタトゥーは「EMSL」とアルファベットが並んだもの。Eは父エリック、Mは母マリー、Lは姉リナ、Sは妹サラのイニシャルだというから、家族への愛の深さがわかるというもの。
ソフィア妃は結婚前、タレント活動やセミヌードを理由に「ロイヤルにふさわしくない」と一部の国民からバッシングの標的になっていた。王室が王子と妃の交際に反対していると報じられたことも。でも王室は2人の関係を認めていると声明を発表し妃をサポート。また妃も「自分の行いを恥じてはいない。すべての体験が今の私を作っている」と発言、その潔さで国民の支持を獲得! ちなみに結婚式では背中のタトゥーも隠さず、過去を否定しない姿勢を改めて表明した。
マデレーン王女は恋愛体質
美形揃いのスウェーデンロイヤルの中でも特に美しいと評判のマデレーン王女。学生時代にはスウェーデンの裕福な実業家の御曹司エリック・グラナスとの交際で注目を集めた。でもエリックには違法薬物の所持で逮捕された過去があることから国民の間からは批判の声も。王室はこのとき「私たちは2人の交際を歓迎している」と声明を発表したけれど、王女とエリックは結局2002年に破局。ちなみに国王は内心2人の交際に反対、王女が自ら別れを選んでくれたことに安堵していたという噂も。
結婚式の2か月前に婚約破棄
エリックと破局した数か月後には新しい恋人が出現。今度のお相手は弁護士のヨナス・バーグストローム。7年間かけてしっかり愛を育み2009年8月に婚約。ロイヤルウェディングに向けて国が盛り上がる中、なんと式の2か月前にヨナスの浮気が発覚! 王女は婚約を破棄してニューヨークへ。傷心を癒すためとも過熱するマスコミマスコミ報道を逃れるためとも言われている。
ニューヨークで運命の出会い
ニューヨークでもパリス・ヒルトンの元恋人でギリシャ海運王の孫スタヴロス・ニアルコス3世と交際するなど華やかな噂を振りまいていた王女。でもその後8歳年上、イギリス出身の投資銀行家のクリストファー・オニールと友達の紹介で出会い、恋に発展! 2012年5月、ヴィクトリア王太子の長女エステル王女の洗礼式が行われたときにマデレーン王女はオニールを同伴、交際を公にした。そして2012年10月に婚約を発表した。ちなみにオニールはグスタフ国王に事前に承諾をもらってプロポーズ。婚約発表のときには「マデレーンと私はこの2年交際してきました。最近になってようやく私は勇気を振り絞って結婚を申し込みました。ありがたいことに彼女はイエスと言ってくれました」と飾らず告白。国民の人気を獲得した。
マデレーン王女夫妻はプライベート重視派
マデレーン王女とクリストファー・オニールは2013年6月にロイヤルファミリーが暮らすドロットニングホルム宮殿で挙式。姉ヴィクトリア王太子も兄カール・フィリップ王子も結婚式やレセプションの様子をテレビで放送したけれど、マデレーン王女はそうしなかった。
クリストファー・オニールはロイヤルのタイトルを持たない
結婚後、オニールにはロイヤルファミリーとしての称号が授与されるのではないかと見られていたけれど、オニールはこれを辞退。イギリスとアメリカの二重国籍をそのまま保持、一般市民として暮らすことを選んだ。これはビジネス界で仕事を続けるためでもあったそう。王女とオニール一家は現在フロリダに在住、オニールも投資銀行家として仕事を続けている。
エステル王女は早くも公務スタート
ヴィクトリア王太子とダニエル王子の第1子、エステル王女。王位継承順位は母のヴィクトリア王太子に次いで2位で、将来女王となる。だからまだ9歳ではあるけれど早くも公務をスタート! 昨年10月には祖父のグスタフ国王、ヴィクトリア王太子と3代で新たな道路の開通式に登場、注目を集めた。ヴィクトリア王太子とお揃いのような上品&知的なファッションを披露、早くも次世代ロイヤルファッショニスタと評されている。
ドロットニングホルム宮殿は世界遺産
ロイヤルファミリーの私邸として知られるドロットニングホルム宮殿。1686年に完成した歴史ある建物で通称「北欧のベルサイユ宮殿」。現在は世界遺産に認定されている。カール11世の母后ヘトヴィヒ・エレオノーラの命令で建設が始まったため、「王妃の小島」を意味する「ドロットニングホルム」と名付けられたそう。ちなみにロイヤルファミリーの暮らすエリア以外は一般に公開されているので、スウェーデンを訪れたときにはぜひ見学に行ってみて!