全米1位獲得の次は? BTS(防弾少年団)が2021年にしそうな7のこと
今年も残り約1ヶ月。社会のあり方、エンタメの楽しみ方まですっかり変わってしまった2020年をパッと明るくしてくれたのは我らがBTS! 大盛況のオンラインライブに全米1位獲得など勢いが止まらない彼らの2021年を韓国トレンドライター、K-POPゆりこさんが大予想。
【予想①】彼らが獲らずして誰が獲る! 1月発表のグラミー賞受賞
長ったらしい能書きはもはや無粋かつ不要。全米1位獲得(ビルボードのアルバムチャートでは1位を4度獲得したが、シングル1位は初めて)、2020年の代表曲といえばBTS「Dynamite」だ(強気)。もちろんカーディ・Bとミーガン・ジー・ スタリオンの「WAP」、ザ・ウィークエンドの活躍も無視できない。
※8月21日に世界同時リリースされたBTS「Dynamite」
しかし大人から子供まで、国境を越えて広く愛されたという点で「Dynamite」がグラミー賞にノミネート、受賞するのはほぼ間違いないだろう。堂々とトロフィーを抱えてスピーチするRMの姿が目に浮かぶ。(なお2021年1月の授賞式までは誰も入隊することなく「完全体」で活動すると予想)
※YouTubeチャンネル登録者数約300万人以上を誇るNPR(アメリカ公共ラジオ)の「Tiny Desk」で歌唱を披露
【予想②】「兵役免除」の可能性も浮上するも……
韓国男性として生まれた限りは避けられないのが兵役。以前は満30歳までとされていた入隊期限が、一部特例を除き2018年5月の兵役法改正で満28歳までに変更となった。つまりBTSで最年長、1992年12月生まれのJINは「すでに期限ギリギリ状態」ということになる。ただ、現在の世界的な活躍と韓国経済への影響などを鑑みて韓国国内では「兵役免除案」や「満30歳までとする特例案」が浮上。これまで特例の対象になってきたのはスポーツ選手や司法修習生などで大衆的なエンタメ業界では初となるため、議論が重ねられている。一方でJIN本人は「兵役は当然の義務」と発言しており、多少の延期はあれど遠くない未来での入隊を考えているようだ。
※JINがセルフィーで歌う「Dynamite」
そして現在肩の治療中、2番目の年長メンバー・SUGAもともするとJINと近いタイミングで「社会服務要員」(※健康問題等を抱える者を対象とした兵役代替服務制度)として入隊する可能性も。想像するだけで寂しいものの、2021年は年長組不在の事態も覚悟しておきたい。
※Agust Dとしてソロでアーティスト活動も知るSUGA
【予想③】「TinyTAN」のアニメやゲームなど7人の”分身”が本格始動か
「BT21」の成功や今年夏にローンチされたBTSのCGキャラクター「TinyTAN」に続き、本人稼働ナシで展開できるコンテンツの増加が予想される。所属事務所ビッグヒットエンターテインメント(以下ビッグヒット)が8月に行った会社説明会からは強い「IPビジネス」への熱が感じられたからだ。すでに公開されているが、キャラクターを使ったMVや企業CMなども増加してゆく可能性がある。たとえメンバーが入隊してもキャラクターは永遠に”完全体”で活動可能だからだ。またビッグヒットは2019年に音楽ゲーム会社「Superb」を買収しており、2021年以降もBTSや「TinyTAN」とからめたゲームコンテンツを発表していくのではないだろうか。
※「TinyTAN」のアニメーションはBANGTANTVで視聴可能
【予想④】原点となるHIPHOP回帰、「アメリカンハッスルライフ」のリベンジなるか
古くからのARMYには懐かしい記憶だが、デビュー初期のBTSは「防弾少年団」という名前で活動しており、音楽性も今よりずっとHIPHOP色の濃いものであった。今年のヒット曲「Dynamite」がこれまでにないほどポップで「逆に攻めている」ともいえるサウンドだったため、来年は一転して”原点回帰”をするのでは?と読んでいる。つまりBTS流のHIPHOPを引っ提げてアメリカに再挑戦するのではないか、ということだ。
※2013年06月11日にリリースしたBTSの「NO MORE DREAM」
2014年のリアルバラエティ「防弾少年団のアメリカンハッスルライフ」では大物ヒップホップミュージシャンWarren Gらの指導(?)のもと終始ワタワタしていた7人。あの頃のおぼつかなさは何処へやら、今や向かうところ敵なしのBTSであれば次はHIPHOP曲で全米1位、というのも夢ではないだろう。
※「防弾少年団のアメリカンハッスルライフ」の映像
事務所としても新たな動きがあった。11月14日にビッグヒットが10代のラッパーを対象にしたオーディション「HIT IT 8 HIP HOP Competition」の開催を発表。さらに11月18日には元Block Bのラッパー・ZICOが設立した「KOZエンターテインメント」を買収。会社としてもHIPHOPというジャンルを重要視しているのが分かる。
※Big Hitエンターテイメントが発表した「HIT IT 8 HIP HOP Competition」のティザー動画
【予想⑤】海外の大物男性ラッパーとのコラボで「声上げろ!」
ニッキー・ミナージュ、ホールジー、ザラ・ラーソン…これまで海外の大物女性アーティストとのコラボが目立つBTS。エド・シーランの例もあれど2021年は男性アーティスト、特に大物ラッパーとの協働があるのでは?と期待している。
※「IDOL (Feat. Nicki Minaj)」のMV
先述のHIPHOP回帰、という点からだけではない。BTSは公式ツイッターを通じて「人種差別への反対」を訴えてきた。肌の色や人種、国籍を超えて共に声を上げてゆくーーそんな姿に賛同するアーティストが出てくるのではないだろうか。
※@BTS_twtで#BlackLivesMatter の文字とともに「人種差別に反対する」との意思を投稿、100万ドルを寄付した際に報じられたニュース
【予想⑥】演技、監督、ファッションデザイン……クリエイティブ面の才能が開花!?
彼らの強みは「ソロよりグループ活動」という団結力。Vの俳優デビューやSUGAの「Agust D」名義の活動など結果を出しつつも、最終的には7人での仕事を最優先しているように感じられる。これは結成7年目となったボーイズグループとして、決して当たり前のことではない。通常であれば個々のセカンドキャリアを見越し、俳優活動やソロアルバム制作に勤しんでいる時期。ただ、ファンの望む望まないを置いてもメンバーの入隊後は個人活動の機会も増えることが考えられる。
※2016年、KBS第2テレビジョンで放送された時代劇「花郎<ファラン>」にハンソン役で出演し、俳優デビューしたV
以前から映像監督業への興味を示していたジョングクは11月20日(金)に世界同時公開されるニューアルバム「BE (Deluxe Edition)」のMV制作にも参加。2021年はMV以外でも「映像監督:チョン・ジョングク」のクレジットを目にするかもしれないし、RMの芸術方面での活動やファッションに関心の高いJ-HOPEがブランド設立する可能性だって否定できない。いずれにせよ、来年は個々のクリエイティブな才能がより発揮されるのではないだろうか。
※アメリカの人気トーク番組「ザ・トゥナイト・ショー」で2021年リリース予定のアルバム「BE (Deluxe Edition)」について話したBTS
【予想⑦】オンラインとリアルの2軸、未知の「ライブ体験」を模索
コロナ以降、メンバー間の中で「禁句」となっていたのは「ツアーがしたい」という言葉。それだけ彼らのライブに懸ける想いが強いということ。そして世界中のARMYもその機会を待ち望んでいる。予定されていたワールドツアーの中止、そして今度こそはと臨んだ「BTS MAP OF THE SOUL ON:E」のリアル公演も断念することとなった2020年。そんな中でもBTSのオンラインライブはやはり大盛況、6月は75万人以上が参加し「オンラインライブ視聴者数」のギネス記録に認定、10月は2日間で191カ国・地域の100万人近くが視聴したと伝えられている。
※「BTS MAP OF THE SOUL ON:E」のダイジェスト
では2021年はどうなるか。個人的な希望的観測も含め、ではあるが「リアルライブの実施」と「さらに進化したオンラインライブ」の両軸を叶えてくれるのでは?と勝手に期待している。前者の場合屋外の広大な土地での開催や、徹底的な防疫を模索しながらの実施となるはずだが、いずれにせよ「熾烈なチケット争奪戦」だけは断言できる。オンラインライブに関しては、ビッグヒットが注力しているキャラクターやゲーム事業とのクロスメディアを意識し、よりファンの参加と交流が可能な「双方向型」のコンテンツに仕上げてくるのではないだろうか。
※BTS公式インスタグラムより