社会的ステータスに関係なく、誰もが直面する可能性のある心の問題。孤独から極度のパニック障害まで、近年、メンタルヘルスのさまざまな問題が一般的に知られるようになってきた。ここではゼンデイヤからレディー・ガガまで、メンタルヘルスの啓蒙のために自らの経験を率直に語ったセレブ18人を紹介しよう。
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エマ・ストーン
女優のエマ・ストーンは『ローリングストーン』誌のインタビューで、不安と闘っていた過去について以下のように告白している。「ママに、どんな一日になるか何百回もたずねてたわ。『何時に私を送り届けてくれるの?』『どこに行く予定なの?』『昼食では何が起きるの?』といった具合に。私はもはや友だちの家に行くこともできなくなって、学校に行くために家を出ることすら殆どできなかった」
エマ・ストーンといえば、クールで穏やかで、落ち着いた印象だが、不安や羞恥心を克服するためにやらなくてはいけないことがたくさんあるという。「それは私の本能的な振る舞いなの」
「インタビューの前には、すごくナーバスになってしまうから5分前に着席して、呼吸をして集中しないといけないわ」と続けたエマ。「インタビューはセラピーのようなものね。自分の受け答えが書かれて、印刷されてしまうことを除けばね」
ゼンデイヤ
歌手・女優のゼンデイヤは自身のアプリ内の記事で、かつて毎日のように不安と戦っていた過去について明らかにしている。
「私はかなりひどい不安とたたかってきたの。それが起きるのは、ライブで歌うときだけで、踊ったり、他のライブパフォーマンスをするときには起きなかった。そして、それは2013年に出演した『エレンの部屋』で歌ったときの嫌な経験が原因だった。私はそれ以来、不安を抱えてきた。でも、どうやって自分の不安を葬るか理解できたわ。自分のエネルギーを他のことにフォーカスさせるようにしたの。映画を作ったりね。そして、時間をかけて自信を取り戻して、ステージの上でライブで歌えるまでになったわ」
ケンダル・ジェンナー
モデルのケンダル・ジェンナーは「グッド・モーニング・アメリカ」のインタビューで、不安について治療を受けるまで、耐えてきた「狂ったようなパニック発作」について、症状を初めて経験したのは、とても幼い頃だったと明らかにしている。
「本当にまだ小さい頃、呼吸ができなくなって、母親のところに走っていって、『ママ、私、息ができないような気がする。何かが変だわ』って言ったのを覚えているわ」
不安症と診断を受けた後、彼女の不安な気持ちは沈静化したが、モデルとしてのキャリアが一気に跳ね上がってから再発。「たしか、3年か4年前くらい、それは完全に復活してしまって、狂ったようなパニック発作を経験したわ」とケンダル。「最後にようやく自分に必要な情報が得られたの」
ダコタ・ジョンソン
女優のダコタ・ジョンソンは米誌『マリ・クレール』で、「14歳か15歳頃くらいの若い頃からうつと闘ってきた」ことを明らかにしている。
「専門家の助けを借りて、『ああ、自分が分類されるのはこれか』って分かったの。でも、世界を感じることができるから、それは美しいものだと学んだわ」
「私はたくさんの複雑さを抱えていると思う。でも、それを外にさらけ出すことはしない。その複雑さを他の誰かの問題にはしないわ」
デミ・ロヴァート
ケリー・クラークソンが司会を務める番組に出演したデミ・ロヴァートは、ケリーとの対話で、現在進行形でのメンタルヘルスの闘いについて赤裸々に語っている。2人は、その過程にいる人々は、メンタルヘルスの困難さの違いはあれど、その取り組みは終わることがない、と語っている。
「何かを乗り越えたときに、みんなは『オーケー。彼女はそれをもう乗り越えたわ』ってなるけど、違う、違う、違うの。それはポジティブでいるために日々努力しているだけなの」とケリー。「それをただ乗り越えたとかマジックのようなセラピーセッションを受けた、とかではなくて、それはあなたが日々取り組んでいることだし、私が日々取り組んでいることなの」
デミ・ロヴァートがメンタルヘルスについて語ったのはこれが初めてではない。以前にも彼女は摂食障害や自傷に苦しんでいたことを明らかにしている。
「それは自分自身の恥を自分の体で表現する方法だったの。私は内面と外側の体を調和させようとしていた。ときには感情が高まりすぎて、どうすればよいのか分からないときもあった。即座に満足を得られる唯一の方法は、自分自身の体にその感情をすぐさま放出することだったの」
セレーナ・ゴメス
これまでも自身のメンタルヘルスとの闘いについてオープンだったセレーナ・ゴメスだが、現在も闘病が続くループス(全身性エリテマトーデス)を患っていることを明らかにしてからは特にそうだ。
「1年ほど前に、自分がループスを患っていることを公表しました。この病気が及ぼす影響は人によってさまざまです。私は、不安やパニック発作、うつなどが、ループスによって引き起こされていると知りました。それぞれ大変な症状です。私は前を向いて、自分の健康と幸せを維持することに集中したいと思っています」
マイリー・サイラス
マイリーはうつとの闘いで、献身的なファンの存在が助けになったと語っている。
「(私のファンのみんなは)私がうつと闘っていると知ってる。そして、それは彼らの彼ら自身の問題を乗り越えるための助けにもなっているの。そのことは私に大きな目的を与えてくれた。朝、目覚めるための理由を。それは羽飾りをつけたり、かわいい服を着たりするよりずっと大きいことなの」
ヘイリー・ビーバー
英紙タイムズのインタビューで、ヘイリーはソーシャルメディアで受けるヘイトによって、どんなに自分が「落ち込まされて、不安に」なっているかを明らかにしている。
「ときどき、もうたくさんだって思う。もっと長くオフ(SNSを休止)できれば、って思うけど、仕事のために投稿しないといけないの。オフにした瞬間から、オンに戻すまでの間は、私は自由だわ」
「それは精神の深いところに影響を与えているわ。自分が落ち込んだり不安なとき、大部分はそこが原因のことがよくある。もしソーシャルメディアがなかったら、肩の荷が軽くなっていたと思う」
リリ・ラインハート
「リバーデイル」のベティ役で知られるリリ・ラインハートは、メンタルヘルス啓発月間に合わせた一連のツイートで、うつと闘ってきたことについて口を開いている。
「『リバーデイル』が始まったとき、私が今まで経験した中でも最悪のうつを経験していたの。そして、最後は『リバーデイル』が私を完全に救ってくれた」と彼女。「今はメンタルヘルスの啓蒙月間だから、その経験をシェアすることは良いことだと気づいた。私は自分が大好きなことで生計を立てるために一生懸命働いたわ。そして、自分が落ち込んだり悲しい気持ちになったときには、自分がどれだけ遠くまで来たかを自分に思い出させるようにしている。そして、自分がどうやってうつに消耗されないようにやってきたかを……」
「落ち込んでいたり、希望を失っている人たちへ……自分を諦めないで。あなたはあなたの全てなの。そして、あなたは世界にふさわしい存在なの。あなたの心の健康があなたの再優先事項よ。それを忘れないで。これはあなたの人生なのだから……そして人生は一度きりなの。だから、悲しむことで人生を無駄にしないで」
レディー・ガガ
レディー・ガガは19歳のときに受けた性的暴行によるPTSD(心的外傷後ストレス障害)にいかに日々対処してきたかを明らかにしている。
TV番組「トゥデイ・ショー」でガガはニューヨークにある若い性的少数者のためのホームレス保護施設を訪問。LGBTQ+のティーンエイジャーのグループと向き合い、以下のように話した。「私はPTSDにかかっているんです。今まで誰にも言ったことがなく、これが最初です。医師や、家族、私の友人たちが見せてくれた優しさが私の人生を本当に救ってくれました」
ガガは、自分のトラウマが他の人を理解するためにいかに役立っているかも説明している。「私はあなたと同じ問題は抱えていませんが、私はメンタルの病気があります。あなたは勇敢で、強い精神の持ち主です」
レディー・ガガ
レディー・ガガはPTSDの診断に加え、うつとも闘っており、それが彼女のメンタルヘルスにどれくらい深く影響を与えているのか、以下のように話している。
「私は怒りを感じていて、皮肉っぽくなり、深い悲しみにくれ、どこに行っても碇を引きずっているような感じでした。私はもう戦う気がしなかったのです。自分のためにもう一度立ち上がる気分ではありませんでした。私に嘘をついた人に対して」
「自分は死んでいるような気分でした。私の光は完全に消えていたのです。私は自分に言いました。『何か残っているもの、たった一つの光の粒でもいいから、それを見つけて、増やすのよ。自分のためにそうするの。自分の音楽のためにそうするの。ファンと家族のためにそうするのよ』」
ベラ・ハディド
ベラ・ハディドはパパラッチによって引き起こされた不安について英紙テレグラフで語っている。「以前は不安で、パニックになって、汗が吹き出してきてた……でも今は外を歩けるようになったし、前より落ち着いてる」
彼女も時々、デジタルデトックスを実践しているという。「月に1回、数日間(インスタグラムから)デトックスしてる。顔を上げて、周りの世界を見てみるの。一日中携帯電話を見つめる代わりに」
アマンダ・サイフリッド
女優のアマンダ・サイフリッドは『allure』誌の対談で、強迫性障害に対処するために、11年にわたって抗不安薬を服用していることを公表している。
「最低容量を服用しているわ。それをやめる理由は見当たらない。それがプラシーボ効果だったとしても、リスクを冒したくないの。みんな一体、何と闘っているのかしら?薬を使うことが恥?精神疾患についてはみんな他の病気と違うカテゴリーに分けようとするけど、私はそう思わない。他の病気と同様に深刻に捉えるべきよ」
ヘイデン・パネッティーア
ヘイデン・パネッティーアは娘を出産後、産後うつになったことを告白。
「誤解が多いのだけど、多くの人が産後うつは真実じゃないとか、事実じゃないとか、心のなかで作り上げたものだとか考えている。『ああ、ホルモンの影響でしょ』って、無視してる。でも、それは本当に自分ではコントロール不可能なものなの。ものすごく辛くて、とても怖くて、女性はさまざまなサポートが必要よ」
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エリー・ゴールディング
ロイヤルウェディングでパフォーマンスしたり、トップチャートの音楽を作っているエリー・ゴールディングは、駆け出しの頃から始まった不安との闘いと、それをコントロールできるようになったいきさつについて以下のように語っている。
「最初は認知行動療法を受けることに懐疑的だったわ。だって、セラピーを受けたことが無かったから。でも、パニック発作で家から出れなくなるとものすごく消耗するの。そして、これが起きたのは自分のキャリアが軌道に乗るタイミングだったの……周囲の環境がパニック発作の引き金になるから、顔に枕をのせて、車のシートに横たわった状態でないと、スタジオにも行けなかった」
「私はそのことで自分を責めていたわ。『デリリアム』をリリースして、プロモーションをやっているときに何度か『ああどうしよう、あれがまた来る、あれがまた来る』と考えることもあったけど、結局起きなかった。私の体は不安を上手にコントロールできるようになったみたい」
ブリタニー・スノウ
ティーンエイジャー時代からの名声で知られるブリタニー・スノウだが、それによって、身体醜形障害、うつ、そして自傷になってしまったようにも見える。その闘いについて、ブリタニーは以下のように明らかにしている。
「最終的に、私は19歳のときにうつと、自傷で入院することになりました。私はなりたかった自分になれず、何かがおかしいと気づいていました。セラピストは私が拒食症、そして吐くかわりに何時間もジムで運動する運動中毒、うつ、身体醜形障害だと診断しました」
カーラ・デルヴィーニュ
ロンドンで行われた世界女性サミット(Women in the World Summit)で、ルパート・エヴェレットと対談したカーラ・デルヴィーニュは、ティーンエイジャー時代のうつとの闘いについて赤裸々に語っている。
「精神が参ってしまうまで、自分を追い込みすぎていたと思います……自殺したいと思っていました。もう生きていたくないと思ったのです。自分は完全に一人ぼっちだと思いました。自分には素晴らしい家族や素晴らしい友人がいてどんなに幸運なのかは理解していました。でも、それは重要ではなかったのです。私は世界に飲み込まれてしまいたいと思い、私にとって死より良いものはなかったのです」
クリステン・スチュワート
US版『マリ・クレール』で、クリステンは不安との闘いと、それが彼女をいかに消耗させるものだったかを明らかにしている。「15歳から20歳まで、それは特に強かった」と語ったクリステン。
「常に不安だった。一種のコントロール・フリークになってた。どうなるのか分からないことがあると、自分が具合が悪くなるか、身動きがとれなくなるか、ひどく消耗的なやりかたで抑圧するかしていたわ」
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現在、新型コロナウイルス感染症のまん延とその対策による自主隔離生活や外出自粛が続くなか、心のケアは以前にも増して重要になっている。もし、自分がメンタルヘルスの問題を抱えていると感じる、あるいは周りにそういう人が思い当たる場合はぜひ専門機関へ連絡を。
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