未だに納得できない!TVドラマ史上、最も問題アリだったカップル18組
それでもやっぱり好き!なカップルから、全く賛同できないカップルまで、TVドラマを盛り上げた18組をAU版『ELLE』が辛口批評。
TVドラマを盛り上げる要素はたくさんあれど、その中でも私たちを惹きつけて離さないのが劇中でドラマを繰り広げる架空のカップルだ。もちろん、スクリーン上での「良い」カップルが健全な関係ばかりとは限らない。不完全な関係は現実世界にも存在するし、彼らのドラマのために私たちは何時間もその世界に入り込む。
しかし、なかには今でも思い出すとドン引きして、混乱させられ、イライラしてしまうような、さらにはそもそも2人の“ドラマ”がそれだけの価値があったの?と思わせるカップルが。ここでは近年のTVドラマシリーズで議論を呼んだ18組の劇中カップルをご紹介。AU版『ELLE』より。
1. ライアン & テイラー、「The O.C.」
正直に言えば、このカップルがある意味好きだけど、一方ではやっぱり……好きになれない。シーズン3のエンドでのマリッサの死が未だに悲しい、というのはさておき、ライアンとテイラーがくっつくのは、まるでプロデューサーに弄ばれた気分になってしまう(あの変なパラレルワールドのエピソードは何?)。そう、彼女は確かにマリッサを失ったライアンを「救った」かもしれないけど、それでも彼らの惹かれ合いには何か信じられない感じがするし、何か全体的に望んでいたことが置き去りにされた感じが。もちろん振り返れば、彼女がライアンにとってベストな選択だったことは分かるけど、でもやっぱりどこかで彼らを応援することはできない。
2. イジー & ジョージ、「グレイズ・アナトミー」
この「グレイズ・アナトミー」のカップルがすぐに終わりを迎えてくれて、脚本家には感謝しかない。何故なら、このめちゃくちゃなカップルがそもそもなぜ誕生したのか私たちは絶対に理解できないから。付き合ってしまったことでイジーとジョージは完璧だった友情をだめにしてしまい、昔ながらのありがちな展開を演じ、彼ら全体のダイナミクスを気まずいものにしてしまった。そして挙句の果てに、彼らのケミストリーの無い関係は無駄になる。というのも、ジョージは当時結婚しており、彼は発展しようのない関係のために結婚を台無しにしてしまうことになる。あーあ!
3. ウィロー & ケネディ、「バフィー 〜恋する十字架〜」
「バフィー」に登場するウィローとケネディの関係はおそらくTVドラマの恋愛史上最もこじつけの関係だ。痛ましいタラの喪失の後(これまたさらにイライラさせられる「ゲイを葬る」という使い古された展開だが)、ウィローにとっての喪失後の関係は私達を癒やすものになるはずだった。しかし、それはウィローが最愛の人を目の前で撃たれて失い、悪に染まってから1年も経ってないのに、「ほら、ハッピーエンドだよ。だからハッピーになって」とでも言わんばかりに番組に取って付けたような感じだったから堪らない。却下!
4. アリア & エズラ、「プリティ・リトル・ライアーズ」
「絶対に起きてはいけなかった、問題アリのカップル」のリストにこの2人も加えよう。アリアがエズラと初めてバーで出会ったとき彼女が16歳だっただけではなく、エズラは彼女の高校教師だったし、彼女がそのバーにいる未成年だと十分理解していた。さらに不気味なことに彼はそこにいたのは彼の実在犯罪小説のインスピレーションを得るためだった、と語っている(どういうこと?)。彼は彼女にとって良い恋人ですらなかった。彼の行動は法定強姦に他ならないのに、どういうわけなのか彼らは最後には結ばれる。ありえない。
5. ニック & ジェス、「New Girl / ダサかわ女子と三銃士」
ジェスとニックがとってもキュートな関係の時があったのは認める。でも、正直言うと彼らは友達のままで居たほうが良かったはず! 不幸なことに、彼らの交際期間中に脚本家が投げやりになってしまい、2人は派手な勢いをなくしてしまい、残念ながらそれに引っ張られて番組全体がダウンすることに。
6. アレックス & パイパー、「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」
アレックスとパイパーはお互いに良い相手ではなかった、これに尽きる。彼女たちの猫とネズミの追いかけっこみたいな関係や、神経質で自己陶酔的な振る舞いはお互いに良くない影響を及ぼしていた。彼らのめちゃくちゃな関係がそもそも彼らが刑務所に行くことになった理由の一つであるにも関わらず、彼らは間違いから学ばずに、シリーズを通してずっとベタベタ。我々はその間、無駄にイライラし続ける羽目に。
7. キャリー & アレクサンドル、「セックス・アンド・ザ・シティ」
アレクサンドル・ペトロフスキーはシーズン6の始めに、キャリーの恋愛のお口直しとしてSATCファンのために差し出されたキャラだけど、結局は彼とキャリーの恋愛は全く上手く行かなかった。基本的に、2人はあらゆる面で違ってるし(正反対のものが惹かれ合う、ってこと?)、彼は高圧的だし、感情的な距離があって、キャリーは彼の世界に合わせるためにすごく努力した。最終的に、全てはパリで大きな音を立てて崩れ落ちてしまう。アレクサンドルの自分に従わないなら結構という態度、身勝手さ、そしてあの決定的な“平手打ち”がこれは最悪な関係だという事実を確かなものにしてしまった。
8. キャリー & ビッグ、「セックス・アンド・ザ・シティ」
アレクサンドル・ペトロフスキーのことを話しておいて、ビッグのことについては再検討しないとでも思ってた? 確かにキャリーとビッグは2人の間のドラマによって成長することができたものの、彼は何年にも渡ってキャリーをひどく扱ってきたし(それに、キャリー自身も面倒なキャラ)、彼らの関係が最後は小さくまとまってしまったのは、このTVシリーズの意味を台無しにしてしまったと番組制作者のダレン・スターも語っている。
「番組は最後に作品の意味を裏切ってしまったと思います。それは女性が最終的に結婚で幸せを見つけるわけではないというものでした。番組はそれまでのロマンティック・コメディと一線を画していました。そして、そこが女性を引きつけていたのです」と2016年に彼は語っている。
「しかし最後はありきたりのロマンティック・コメディになってしまいました。全部のエピソードを書かない限り、自分の思い通りの結末を迎えることはできないのです」
9. ドーソン & ジョーイ、「ドーソンズ・クリーク」
これまでのTVドラマカップルのなかで一番フラストレーションが溜まるカップルだと考えられている「ドーソンズ・クリーク」のドーソンとジョーイの関係はまさしく列車事故レベル。「New Girl」のニックとジェス同様に、彼らは友人のまま終わったほうがずっと良かった。
長期間の恋愛に耐えるだけの十分なケミストリーが欠けていたことに加えて、彼らはそもそもお互いに違い過ぎていた。ジョーイは自由精神の持ち主で、ドーソンにはある種の悲哀があった(彼の泣き顔はゼロ年代のネットミームだ)。幸いにも、ジョーイは最後は(正しい相手である)ペーシーと結ばれている。
10. アーチー & ヴェロニカ、「リバーデイル」
この2人はささやきあって、いちゃつく以外に何かしていただろうか? 真面目な話、これは「リバーデイル」だし、彼らは精力旺盛なティーン・エイジャーだし、ガーゴイル・キングやその他のカオスなプロットの仕掛けと戦っているとき以外はすること無いのはわかるけど、アーチーとヴェロニカはしてたことはベタベタ一緒にいることだけ。余分にイライラ。
11. サーセイ & ジェイミー・ラニスター、「ゲーム・オブ・スローンズ」
これは説明の必要はある? たしかに、「ゲーム・オブ・スローンズ」では他にも近親相姦の関係があったけど、サーセイとジェイミーの双子の姉弟としての関係は間違いなくその中で最悪(2人は、全編を通じて自分たちに血の繋がりがあることをちゃんと分かっている)。彼らの歪んだロマンスからは良いものは何も生まれなかったし(ジョフリーしかり)、その何もかもがキモすぎる。
12. ロビン & テッド、「ママと恋に落ちるまで」
我々にTVドラマ史上最悪といわれるラストをもたらすために最後に結ばれたことを抜きにしても、ロビンとテッドは、彼らのうっとうしい関係をあそこまで長続きさせる必要はなかった。カップルとしての2人は腹立たしいどころではない。彼らは常に違うものを求めていたし、ロビンはいつもテッドより自分のキャリアを優先していた。テッドはロビンに対してしょっちゅう高圧的でストーカーっぽい態度に変わるし、二人の間にはいつも張り詰めた空気があった。極めつけは我々は彼らの2人の生活に感情を投資させられていたが、結局2人は別れ、「ママ」が死に、我々の夢が打ち砕かれたことで2人はいずれにせよ最後は一緒になれた、という事実だ。なぜ彼らがこのリストに並んでいるかは容易に分かるはず。
13. チャック & ブレア、「ゴシップガール」
反論はなしでよろしく。実際、チャックとブレアはかなり長い間お互いに対して良くない相手だった。はっきり言って、最初の方はそれぞれ個人としてもかなり曲がってるし(それにチャックの場合は、露骨に身の毛がよだつキャラ)、自己中心的で、概して嫌な人間たちだった。もちろん、彼らには一種の惹きつける魅力があったし、ティーンを題材にしたTVドラマにそれは欠かせないものだから、彼らを許せる。少なくとも、最後には彼らは汚名を返上している。
14. ダン & セリーナ、「ゴシップガール」
このカップルの何が問題かって? ひとつずつ説明すると、まず1つ目はダンはセリーナに対しては何年もストーカーみたいだったし、(ネタバレだが)「彼女の世界」の登場人物になるために“ゴシップガール”になった。2つ目は、彼らに共通点は何もなかった(原作では1度きりの破局で2人のロマンスは終わっている)。そして3つ目は、ダンがゴシップガールの正体なのを嘘をつき続け、彼女を何年もネチネチと中傷し続けてきたのに、セリーナがあっさりとそれを許してしまうほど愚かだったことだ。
15. ジョーイ & レイチェル、「フレンズ」
このリストに登場する、TVドラマで起きてほしくなかった恋愛関係のなかで、この2人は一番マシとも一番最悪とも言える。穿った見方では、ジョーイとレイチェルという組み合わせは理論上は合点がいく(待って、話を最後まで聞いて!)。ジョーイはレイチェルにずっと憧憬を抱いていたのはその通りだし、彼らがそれまでの数シーズンでもし兄妹のような関係を築いていなかったのなら、我々はそれを信じたかもしれない。だけど、この場合はそうじゃなかった。2人が恋仲になるのは、「フレンズ」に登場する恋愛のなかでも一番気まずいものだった(幸いにも劇中で彼らはそのことに自分たちで気づいて別れている)。
16. ブレア & ダン、「ゴシップガール」
今考えても身震いが止まらないのが、この2人。いくら「ゴシップガール」のイッキ見を何度繰り返しても、ロンリーボーイとクイーンBの組み合わせは、あらゆる点で間違い。あまりにもありえないので、説明すら必要なし。
17. ライアン & マリッサ、「The O.C.」
ドラマの予感がする、チノ出身の内気なアウトサイダーの男の子と、ニューポートのItガールの出会い。貧乏な男の子がリッチな女の子と出会うという話は昔からある物語だ。しかし、この2人の場合はお互いが非常に悪かった。くっついたり離れたりの物語の横糸は彼らを(そして我々も)ぐったりさせてしまったし、最終的には常にライアンがマリッサを救おうと頑張る話に。彼らは3シーズンに渡って続いた恋愛を安定したものにしようと努力したことは一度もなかった。それでも私達はずっと彼らが一緒の幸せを見つけることを望んでやまなかったけど、結局それは彼らの悲劇的な最後をさらに悲痛なものにしただけだった。
18. ロス & レイチェル、「フレンズ」
皆さん、お待たせしました。正直、ロスとレイチェルの件についてはどこから始めたら良いだろう? 2人の付き合う、付き合わないという関係は10シーズンまで続いたシリーズのバックボーンだったことを無視すれば、特に初期の頃は2人の間にはちっとも良くないことがたくさんあった。ロスはめそめそしていて、うっとうしくて、自分の思い通りにしたがる、嫉妬深い男だったし(ブルーミングデールズのマークのエピソードを参照)、レイチェルが自分の情熱を傾けるキャリアを築こうとしているのに、敬意を払ってこなかった。
それらの多くはキャロルとの離婚のせいにされていたけど、ロスはレイチェルを追いやって他の誰かと寝る前に、それらを解決しておく必要があった。更に悪いことに、番組の最後は正確には我々が望んでいると考えていたものだったけど(キャスト全員がみんな一緒に幸せ)、レイチェルはロスと一緒になるためにパリで仕事をするという夢を諦めたし、事の成り行きはあまりしっくりとこなかった。
もちろん、恋愛のために仕事を諦めるのは良くない、だめ、と言っているわけではない。だけどレイチェルのキャリアはロスが再び一緒にいたい、と決心した瞬間に重要ではなくなったように見えた。そして、彼らが再び一緒になってからは、彼らが最初付き合っていたときに彼がそうしたように、彼女の仕事は全くの後付けのようになってしまったのが残念。
Translation & Text : Naoko Ogata