あまり知られていない実力派セレブ３世＆４世【ピーチズのOM(F)G！】

姓からはわからないけれど、エリザベス・テイラーと２度結婚＆離婚した名優リチャード・バートンの孫。といってもテイラーとは血縁関係はなく、バートンと女優シビル・ウィリアムズの娘で、「グレイズ・アナトミー」主役メレディスの母親役などで大活躍の女優ケイト・バートンの長男だ。実は父親が舞台演出家マイケル・リッチーという演劇サラブレッド。７歳の時に母親が出演する映画『August』（‘96）に子役として参加し、「リチャード・バートンの孫がついにデビュー！」と期待されたが、その後は学業優先。ブラウン大学入学後に「卒業後は役者になるつもり」と宣言した通りにエンタメ界入りしていて、祖父の名声を汚さないように地道に研鑽を積む日々を送っている。活動の中心となっているのは舞台で、映画やテレビへの出演は数えるほど。祖父によく似た男らしい容貌なので、息が長い俳優になりそう。

写真左から：エリザベス・テイラー、リチャード・バートン、マイケル・リッチー、モーガン・リッチー（Eliabeth Taylor, Richard Burton, Michael Ritchie, Morgan Ritchie）

アラン・ドロンの息子アンソニー・ドロンがクレイジー・ホースのダンサー、マリー・エレーヌ・ル・ボージェスとの交際でもうけた娘がアリソン・ル・ボージェス。パリ近郊のヌイイ＝シュル＝セーヌでシングルマザーに育てられ、11歳のときに初めて有名な祖父アランに会ったものの、その後も顔を合わせたのは数えるほどとか。少女時代に女優になると決意したもののセレブな祖父や父親に頼らずに独力で頑張ると決意。14歳からオーディションを受け始めたアリソンに目を留めたのがナディーン・トランティニャン監督で、『 L'Île bleue 』（‘11）の小さな役でデビュー。その後もウェイトレスをしながら女優活動を続け、演劇学校に通っていた時にスカウトされて、モデル活動をスタート。祖父アランから受け継いだ美貌のおかげでモデル業の方がメインになっているけれど、女優業もあきらめていらず、ハリウッド進出を目指して英語力に磨きをかけているところ。

写真左から：祖父 アラン・ドロン、アリソン・ル・ボージェス　（Alain Delon, Alyson Le Borges）

映画監督サミュエル・・ベンシェトリの息子で、『Chez Gino（原題）』（‘11）の端役で俳優デビューしたジュールは、『男と女』シリーズなどで知られるフランスのレジェンド俳優ジャン＝ルイ・トランティニャンの孫。ジャン＝ルイと二人目の妻ナディーン・トランティニャンの間に生まれた次女で後に女優となったマリー・トランティニャンが４人の異なる男性との間にもうけた子供のうちの末っ子で、父親に育てられたそう。もちろん祖父母にも可愛がられたので、ジュールがエンタメ界入りするのも自然な流れ。しかしフランスでは有名な芸能一家ランティニャン家の七光と思われるのが嫌で、出演作選びには慎重。初主演作『パリに見出されたピアニスト』（’18）でセザール賞有望男優賞候補になって、ホッとしちゃはず。２年前に父親が再婚し、義母がヴァネッサ・パラディで、ステップシスターがリリー・ローズ・デップという華やかな家族に！


写真左から： 祖父 ジャン＝ルイ・トランティニャン、ジュール・ベンシェトリ　(Jean-Louis Trintignant, Jules Benchetrit)

17歳の時にフランスから移住したニューヨークでモデル活動を始め、それから女優に転身したアレクサも実はハリウッドの３世代目。祖父は『エデンの東』（‘55）でジェームス・ディーン演じるキャルの、優等生の兄アーロン役で知られる俳優でリチャード・ダヴァロスだ。彼の長女で女優のエイッサと写真家のジェフ・デュナスとの間に生まれたのがアレクサ。祖父も母親もさほどメジャーな役者でなかったので、七光りもコネも使わず、実力で勝負。フランス生まれということもあり、デビューしてからずっと「ヨーロピアンな雰囲気を持った女優」と思われていから、両親共にアメリカ人というのも驚き。とはいえアレクサ自身は「毒づく時はフランス語。英語はあまり出てこない」そう!?　フランク・ダラボン監督のお気に入りだし、リドリー・スコットが製作総指揮を務めたTVシリーズ「高い城の男」でヒロインを演じ、注目度が一気に上がった。

写真左から2番目、右端：祖父リチャード・ダヴァロス、アレクサ・ダヴァロス（Richard Davalos, Alexa Davalos）

TVシリーズ「アレステッド・ディベトップメント」のメイビー役でブレイクし、『ローラーガールズ・ダイアリーズ』（’09）や『ルビー・スパークス』（‘12）などでコミカルな演技を披露するアリシアは、一風変わったハリウッド３世。彼女の祖父は、『華麗なる賭け』（’68）やTVシリーズ「Naked City」に出演した60〜70年代の人気俳優ポール・バークだ。ポールはアリシアが生まれた直後に俳優を引退していて、彼女の両親はポールの面倒を見るために、祖父が俳優引退後に居を構えたパームスプリングに引越し。祖父と過ごす時間が多かったため、アリシアに「女優になりたい」という夢が芽生えたという。10歳で女優デビュー後は祖父がハリウッドの人気俳優だったと積極的に明かすこともなく（バクダッド出身の父親がストリップクラブを経営していたことは公表!?）、彼女が３世スターと知る人は意外に少ないかも。

写真左から：祖父 ポール・バーク、アリア・ショウカット（Paul Burke, Alia Shawkat）

音楽界にも２世、３世が！　ヴェロニカ・アヴァンという芸名でベーシストとして活動中のターシャは、リンゴ・スターの孫だ。父ザックはバンド「オアシス」や「ザ・フー」のサポート・メンバーとして活躍する人気ドラマーだが、その父親が常にリンゴと比較されるのを見てきたので「音楽をやるなら、ドラム以外にしなくては」と思っていたそう。さいわい、ギターやベースの才能に恵まれ、ベラキスというバンドでデビュー。彼女の音楽はヴェルヴェッと・アンダーグランドやピンク・フロイドの影響を感じさせるけれど、ビートルズっぽさは皆無という不思議。感性は祖父に似なかった？　とはいえ、ターシャの顔立ちは祖父のDNAをしっかりと感じさせていて、４年前に誕生したストーン君は曽祖父リンゴに激似だそう。

写真左から：祖父 リンゴ・スター、ターシャ・スターキー（Ringo Starr, Tatia Starkey）