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David Becker//Getty Images
國米櫻(Sakura Kokumai)

ハワイで生まれ、日本に留学し修行した経験も持つ空手の國米櫻選手。アメリカ代表として東京オリンピックにも出場する。その國米選手が人種差別の被害にあったことをSNSで報告した。

國米選手はインスタグラムにカリフォルニア州オレンジ郡のグリハルバ公園で撮った動画を投稿。「昨日起きたことが頭から離れない。まだ考えている。いつも私はSNSには前向きなことを投稿するようにしている。でもお互いを守るためにはこういう問題に取り組まなくてはならないことに気がついた」と綴っている。動画には男が近づいてきて「出ていけ」「この負け犬」「国に帰れ」と罵る様子が写っている。「チャイニーズ」「刺身」とも言っていることから國米選手がアジア系だと判断して嫌がらせをしていることは明らか。

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courtesy of Sakura Kokumai via Instagram

「起きたこともひどいこと。でも見知らぬ人から理由もなく罵られ暴力を振るうと脅されることと、周りの人がそれをすべて見ていて何もしないこと、どちらの方がひどいことなのかわからない」「そのときには『この人、頭がおかしいんだ』と思った。でも後から(動画を)よく見てみると、公園にたくさんの人がいることに気がついた。最後の方になって事態がエスカレートしたとき女性が近づいてきて”大丈夫?”と聞いてくれた。でもほとんどの間、誰も気にしていなかった。みんな通り過ぎていった。中には笑顔の人もいた。私はどうしたらいいのかわからなかった」。

國米選手は「これは誰にでも起きうること。誰かが怪我をした可能性もある」「私たちはお互いを思いやらなくてはいけない。なぜお互いに敬意を持って接するのがこんなに難しいのだろう。誰もが心の中で闘っている。でも敬意を持たなくては。手を差し伸べて。親切にして。それはそんなに難しいことではないはず」と呼びかけている。「怒りや苛立ち、混乱、恐怖を感じたけれど、何よりも人がどれほど冷たくなり得るのかを直接体験したことで胸が張り裂けるようだ。お互いを思いやって。お互いのために用心しあって」。

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Tommaso Boddi//Getty Images
國米櫻(Sakura Kokumai)

昨年夏にはアフリカ系アメリカ人に対する差別撲滅運動BLMが活発化し、今はアジア系コミュニティへの憎悪犯罪に抗議する運動が勢いを増している。それでも人種差別は根強く残る。國米選手のメッセージが多くの人に届くことを祈りたい。