新たな歴史を作った副大統領カマラ・ハリスにとって、ファッションやアクセサリーは重視するものではない。法律家としてのキャリアや上院議員としての画期的な決断、アメリカで初めて有色人種の女性が副大統領に就任したという事実を鑑みると、対極に位置するものとも言ってもいい。
けれど、だからといって彼女のファッションを軽視する必要もない。元司法長官でもあるカマラのシグネチャースタイルに興味を持たずにはいられないし、他の著名な女性政治家たちへの過去数年の反応からも明らかなように、世間が彼女のファッションに注目しないわけがない。
洗練されたスーツスタイルから、履き心地重視のスニーカー、上品なボウブラウス、そして最も有名でよく身につけているパールのイヤリング&ネックレスに至るまで、55歳のカマラは政治家としてのスタイルを完成させている。“パワー・パール”と呼ばれる真珠のアクセサリーは、彼女がハワード大学の学生だった当時、黒人系女子学生のための社交クラブ「アルファ・カッパ・アルファ(AKA)」のメンバーであったことを示している。
ハワード大学にはラテン語に由来する「フラタニティ(男子学生の社交クラブ)」と「ソロリティ(女子学生の社交クラブ)」が9つあり、AKAはそのうちのひとつで、後に“トウェンティ・パールズ(20粒のパール)”と呼ばれるようになった女性グループが創設したクラブ。就任を祝して、過去10年間余りで最も注目を集めたカマラのファッションをおさらいしよう!
Photos: Getty Images Translation: Masayo Fukaya From ELLE UK
2006年11月
10年以上前に撮影された、サンフランシスコ地方検事時代の一枚。カマラは華麗なるキャリアを通じて、ブラックのブレザー×パールのネックレス&イヤリングという独自のスタイルを築いてきたことがわかる。
2011年6月
無地のトップスにストレートジーンズと「コンバース」のスニーカーを合わせたカマラのカジュアルな着こなしは、過去10年間で一貫して効果を発揮してきた。
2012年1月
シネマ・フォー・ピース財団のイベントでは、パールのイヤリング&レイヤードしたパールネックレスで、控えめながらも存在感をアピール。
2012年2月
カリフォルニア州民主党大会の写真撮影にのぞんだカマラ。濃いグレーのブレザーと黒のインナーに、2連のパールネックレス&パールのスタッドイヤリングを合わせたスタイリングでポーズ。
2012年2月
司法長官時代のカマラは、全米黒人地位向上協会(NAACP)主催の第45回イメージ・アワードに参加し、女性らしいネックラインが特徴のスパンコールドレス姿をお披露目。
2013年1月
俳優のショーン・ペンが主催する、ハイチ救済のチャリティ・イベント「Help Haiti Home」の2度目のガラに出席。この日は、カマラ定番の“プスボウ”ブラウスをチョイス。
2014年10月
『バラエティ』誌が開催した2014年度「パワー・オブ・ウーマン」には、グレーのセットアップにアイコニックな2連のパーツネックレスで出席。
2015年2月
弁護士で夫のダグラス・エムホフとともに、『ヴァニティ・フェア』誌主催のアカデミー賞アフターパーティに出席。カマラはミッドナイトブルー×ブラックのシックなドレスで登場。
2016年11月
上院議員選挙の勝利を祝う式典で、カマラはブラックのセットアップに、パテントレザーのパンプスを着用してパワフルに登場。
2018年9月
大統領民主党予備選挙への出馬発表を控えていたカマラは、米人権団体ヒューマン・ライツ・キャンペーンが開催するガラ「ナショナルディナー」に出席。
ブラックのフィッシュテールドレスに、ブラックパールのネックレスを合わせた。ドレスアップも露出控えめにまとめるのが、カマラ流。
2018年10月
ブレット・カバノー判事が最高裁判事に承認されたという結果を聞いたときは、アクセサリーもミニマルにスタイリング。
2019年1月
大統領民主党予備選挙に立候補したカマラは、ブルーのスーツ×ブラックパールのネックレスで演説に挑んだ。
2019年3月
カマラのシグネチャースタイルは、パール×パンツスーツだけではない。大統領選に出馬した際、米トーク番組『ジミー・キンメル・ライブ!』に出演したときに着ていた“プスボウ”ブラウスも愛用している。
2019年6月
サンフランシスコで行われたプライドパレードに参加。当時民主党の大統領候補に立候補していたカマラは、スパンコールのレイボーフラッグ柄を施したデニムジャケットを着用し、LGBTQ+コミュニティへの支持と祝福を明言した。
2019年6月
白のスキニージーンズとスニーカーを合わせて、レインボージャケットを主役に。
2019年8月
アイオワ州での選挙活動中には、銃規制について議論。カマラはこのとき、白シャツにライトウォッシュのデニムとスニーカーというカジュアルな装いで現れた。
2020年1月
アメリカの女性政治家たちはトランプ大統領の任期中、女性の政治参加を象徴する“白”を着用していた。
米上院議員のカマラ・ハリスは、ドナルド・トランプ大統領の弾劾裁判に関する国会議事堂での記者会見には、爽やかな白のブレザーで登場。
2020年8月
ジョー・バイデンが選出した民主党副大統領候補として初の公式イベントに参加したカマラ。シンプルなブルーのパンツスーツに黒のマスク姿で登壇した。
2020年8月
ジョー・バイデンと揃って初めて行った記者会見では、民主党のイメージカラーであるブルーのスーツに、白のトップス、クリーム色のヒールを着用した。アクセントにはもちろん、パールのネックレス。
2020年9月
ウィスコンシン州では、カマラのシグネチャースタイルのひとつ、「コンバース」のスニーカー×スキニージーンズ、そしてベーシックなTシャツにブレザーを羽織って選挙遊説を行った。