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厳しい自然、女子禁制のパブリックスクール、揺るぎない戒律、社会に立ちはだかる階級。それらに耐え忍び気高く生きる英国紳士。いつだって英国の美青年俳優たちが華麗に演技する耽美映画は私たちを魅了する。そんな作品の至高の瞬間を集めました。
『アナザー・カントリー』（’84）のルパート・エヴェレットとコリン・ファース
伝説のBL映画『アナザー・カントリー』、通称“アナカン”は、ウィリアム王子も通った“女子禁制”の名門パブリックスクール、イートン校で繰り広げれらる少年たちの恋模様を描いたもの。とくにルパートが美少年たちと戯れる姿はため息が出るほど美しく描かれている。
スパイとなった上流階級の子女であった実在の人物をモデルにした主人公を、実際貴族の出であるルパート・エヴェレットが上品さと野卑を見事に融合させて演じた。
そしてまだ若手俳優だったコリン・ファースの純朴なジャドが繊細なルームメイトと友情を築いていく過程もまた美しい。
『オスカー・ワイルド』（’97）のジュード・ロウ
英国紳士の耽美、といえば欠かせない作家オスカー・ワイルド。この作品は妻子ある彼の若く奔放な男性の恋人との出会いと別れがテーマ。
ここで天才作家を惑わす若き貴族を演じたジュード・ロウの美しさと言ったら、匂い立つ官能の香りで鼻血が出そうに……。
見逃せないのはこのシーン！ 今となっては想像しがたいかもしれない。でもこの美貌はワイルドを振り回して破滅に至らせてしまう小悪魔役の説得力として最高。
英国時代物あるあるのピクニック・シーンもしっかり用意してあって楽しめる。
映画 『モーリス』（’87）のヒュー・グラントとジェームズ・ウィルビー
言わずもがなの不朽の名作BL『モーリス』。
階級を超えた恋。ジェームズ・ウィルビーとヒュー・グラントが、愛していても抱きしめることも難しいやきもきさを、ざっくりセーターをギュッとすることで表現したこのシーンはベスト・スタイリング賞をあげたい。
そしてお決まりのピクニック・シーン。青葉と紳士のマッチングは最高。
労働者スカダー（演ルパート・グレイヴス）と中流銀行マン・モーリスとの逢引きシーンは鼓動が早くなる。
映画宣伝用のこの写真はセクシュアリティの解放の暗喩としての“窓”を効果的に写し出している。それ以上にこの3人の組み合わせは英国耽美映画史的に神！
『眺めのいい部屋』（’85）のジュリアン・サンズとルパート・グレイヴス
『モーリス』のジェームズ・アイヴォリーが同じく監督した『眺めのいい部屋』で世界的に注目されたヘレナ・ボナム＝カーター以上に、やはりジュリアン・サンズの圧倒的な美しさが光るこのロマンス映画。
金髪そして長髪のストレートヘアをサラサラさせて王子そのもの。この後サラサラヘアはどんどん失われていってしまうため、ジュリアンの瑞々しい美貌はこのときがピークかも。とはいえ『ねじれた家』('17)などで見せている最近の枯れっぷりもオツ。
こんな美貌を持っているのに一途に相手を愛するキャラ。UMA並みのありえないキャラクターに脳内がグワングワン。
そしてまたここでも青葉とジェントルマンのマリアージュが。
注目すべきなのはこの映画でヘレナのやんちゃで優しい弟役を演じたルパート・グレイヴス。『モーリス』で見せた粗野なイメージから真逆の粋なファッションも見どころ。ジュリアンとルパートが沼を一糸まとわぬ姿で泳ぐシーンはまるでフェアリーテイルのごとし。
