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アカデミー賞衣装デザイン賞を受賞した、歴代おしゃれ映画BEST39【2024年最新】

現地時間2024年3月10日(現地時間)に開催された第96回アカデミー賞授賞式。今年は『バービー』のジャクリーヌ・デュラン、『オッペンハイマー』のエレン・ミロイニックなどがノミネートされる中、『哀れなるものたち』のホリー・ワディントンが見事受賞を果たした。そこで、過去に衣装デザイン賞を受賞した映画の中から、ファッション好きなら観ておきたいおしゃれ映画を振り返り!

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a collage of a man and woman in wedding attire

アカデミー賞といえば作品賞や主演女優賞などに注目が集まるけれど、ファッション好きなら衣装デザイン賞も見逃せない! 俳優を輝かせ、ストーリーを彩る衣装は、ファッションを語るうえでも見どころのひとつ。2024年は、ヨルゴス・ランティモス監督の『哀れなるものたち』で、華麗なる衣装を手掛けたホリー・ワディントンが受賞。

そこで衣装デザイン賞を受賞した歴代作品のなかから、モード史に残る名画を厳選してピックアップ。

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『哀れなるものたち』

a woman with a white scarf on her head
©2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

2024年

アラスター・グレイによる小説の世界を、天才監督ヨルゴス・ランティモスが映像化した『哀れなるものたち』。衣装を手掛けたのは、2016年の映画『レディ・マクベス』の衣装も手掛けたデザイナー、ホリー・ワディントン。

a man and woman sitting on a couch
©2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

エマ・ストーン演じる、運命に翻弄される自由奔放な主人公、ベラが、大陸横断の冒険の旅へ出ることで、時代の偏見から解き放たれていくというストーリー。舞台は19世紀末の設定だが、いわゆる歴史映画ではないという監督の意見のもと、華麗でカラフルなオリジナリティあふれる衣装が随所にちりばめられている。

a man standing in front of a building with ornate decorations
©2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

衣装には、60~70年代の「スキャパレリ」「ピエール カルダン」「パコ・ラバンヌ」といったデザイナーからのインピレーションや、ビニール、サテン、オーガンザといった70年代風の素材が反映されている。

また、「この時代のドレスは肩を膨らませることで、女性らしい線を強調した」と説明するように、ベラがまとう多くの衣装は過剰なまでにボリューミーなスリーブラインを描き、シーンをドラマティックに演出している。

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これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
『哀れなるものたち』特別映像<こだわり抜かれた衣裳>│大ヒット上映中!
『哀れなるものたち』特別映像<こだわり抜かれた衣裳>│大ヒット上映中! thumnail
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キャストやホリー・ワディントンが、衣装に込めた思いを語る特別映像もチェックして。

公式サイトはコチラ

『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』

l r dorothy steel as merchant tribe elder, florence kasumba as ayo, angela bassett as ramonda, danai gurira as okoye in marvel studios' black panther wakanda forever photo courtesy of marvel studios © 2022 marvel
© 2023 Marvel

2023年

2019年にも同賞を受賞した『ブラックパンサー』の続編が、見事2回目の受賞。衣装を手掛けたのは、前作に引き続きルース・E・カーター。前作以上に女性たちの活躍やシスターフッドを大々的に描いた本作では、衣装も多様性のメッセージが込められている。

ルースは「アディダス」のチームとタッグを組み、シューズ業界で働く黒人女性たちと一緒にコスチュームを作り上げたそう。「彼女の衣装は、美しさ、アフリカの王族、テクノロジーに基づいたものです」と語ったルース。アフリカの歴史や力強い色彩を踏襲しつつ、現代のスポーツテイストも反映した衣装は必見!

© 2023 Marvel ディズニープラスで配信中

『クルエラ』

クルエラ
©2021 DISNEY ENTERPRISES INC. ALL RIGHTS RESERVED.

2022年

エマ・ストーン演じるエステラという少女がクルエラになるまでのストーリーを、ファッション業界を舞台に描いた映画『クルエラ』。その衣装を手掛けたのは、2015年に『マッドマックス 怒りのデス・ロード』でも衣装デザイン賞を受賞した英国人デザイナー、ジェニー・ビーヴァン。1970年代のロンドンを背景に、「ヴィヴィアン・ウエストウッド」や「ビバ」が一斉を風靡したパンク要素を盛り込み、ヴィンテージやリメイク衣装をふんだんに取り入れた衣装は、ファッション好きなら虜になるはず。

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『マ・レイニーのブラックボトム』

マ・レイニーのブラックボトム
David Lee/NETFLIX

2021年

ヴィオラ・デイヴィスが“ブルースの母”を熱演し、チャドウィック・ボーズマンの遺作となった本作が衣装デザイン賞を受賞。20世紀初頭のアメリカ中南部のカルチャーを忠実に再現した衣装は、ゴージャスでありながら退廃的で憂いを感じさせる。独特の熱気と埃っぽさを表現した衣装は見応え満点。

『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』

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Aflo

2020年

グレタ・ガーウィグが監督を務め、シアーシャ・ローナン、エマ・ワトソン、ティモシー・シャラメといった若手実力派が出演する話題作『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』。ガーウィグ自身、「『若草物語』は、物心ついた時から、常に自分を形成する一部のような作品だったわ」と語るように、この作品に対する思い入れは相当なもの。衣装についても、実力派でありながらコンテンポラリー作品にも携わるバランス感覚をもったデザイナーにこだわったそう。そこで手腕を振るったのが、アカデミー賞受賞歴のあるジャクリーン・デュラン。

デュランは、違う時代で同じ生地を使っておさがりでの節約を反映したり、姉妹のキャラクターを明確なカラーパレットで描いた。

「ジャクリーンは、私が求めていたことを完全に理解していたわ。真実に忠実で、触り心地が想像できて、毎日着る洋服のような感覚で、衣裳ではないもの。そういったことでモダンな感じが出せると思う。一つ一つがちゃんとリサーチされている事実に基づいたものでありながらも、マーチ家の一部であるようなものにしたかったの」とガーウィグも大絶賛

>>衣装の詳しい解説はコチラ

『ブラックパンサー』

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Matt Kennedy//Aflo

2019年

キャストはほぼ全員が黒人、そしてマーベルのメジャー作品で初めての黒人が主役ということで話題を集め、記録的大ヒットとなった『ブラックパンサー』。衣装を担当したルース・E・カーターは、過去に『アミスタッド』(’97)と『マルコムX』(’92)で同賞のノミネート経験はあるものの、今回が初めての受賞。さらに、黒人女性が衣装デザイン賞を受賞するのは史上初。ルースはアフリカの伝統を何よりも大切にするため徹底的なリサーチを行い、ドゴン族、トゥアレグ族、ヒンバ族といった実際に存在するアフリカの部族たちをインスピレーションにしたそう。今作はアフリカ文化とテクノロジーを融合した“アフロフューチャリズム”も映画のテーマだったこともあり、最先端の3D技術も活用し、見事ハイテクかつ伝統的なファッションを生み出した。ちなみに主演のチャドウィック・ボーズマンは、ブラックパンサーのスーツを着る時スタッフ3人の助けを借りていたとか。

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『ファントム スレッド』

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© 2017 Phantom Thread, LLC All Rights Reserved

2018年

2018年は、英国アカデミー賞でも衣装デザインを受賞した『ファントム・スレッド』が衣装デザイン賞を受賞。『シェイプ・オブ・ウォーター』や『美女と野獣』、『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』などのライバルを抑え、1950年代イギリスのオートクチュールの世界を舞台にした本作が圧勝した。
衣装を担当したのは、ポール・トーマス・アンダーソン監督と8度のタッグを組んだマーク・ブリッジズ。ダニエル・デイ=ルイスが演じたオートクチュールの仕立て屋を演じ、素朴なウェイトレスをミューズにするところから始まるストーリー。ジョン・カバナーやバレンシアガなど、さまざまなクチュリエの衣装からインスパイアされて作ったという今作の衣装は、すべて当時のアンティーク生地を使用したオリジナルで、リアルなオートクチュールピースに引けを取らないクオリティ。また主演のダニエルは、ニューヨーク・シティ・バレエ団のコスチューム部門主任のもとで1年間衣装作りの技術と心構えを学び、撮影が終わるころには実際にドレスが仕立てられるほどの腕前になったのだとか。

『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』

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2017年

『ラ・ラ・ランド』や『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』など、並み居るライバルを抑えて2017年に衣装デザイン賞を受賞したのが、『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』の衣装を手掛けたコリーン・アトウッド。ティム・バートンの右腕として、『シカゴ』(’02)、『SAYURI』(’05)、『アリス・イン・ワンダーランド』(’10)で同賞を受賞しているコリーンにとって、これで4回目の受賞という快挙。“狂騒の20年代”ともいわれる1920年代のNYを舞台にした本作で、エディ・レッドメインをはじめとするキャストが着用していたのは、ゆったりとしたツイードジャケットやボディラインの出ないコート、太めのボトムスといった、労働者階級のリアルな平服。特に、ダン・フォグラー演じるジェイコブ・コワルスキーの衣装は、布が擦り切れていたり、ボタンがちぐはぐだったり、靴が汚れて穴が開いていたり……工場で働く男性の決して裕福ではない生活をとことんリアルに表現。衣装に注目して、改めて鑑賞したい。

© 2016 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved. Harry Potter and Fantastic Beasts Publishing Rights (C) JKR.

『グランド・ブタペスト・ホテル』

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2015年

ファッション好きを魅了するウェス・アンダーソン監督作品『グランド・ブタペスト・ホテル』の衣装を手がけたのが、衣装デザイン界のレジェンド、ミレーナ・カノネロ。ウェスとは『ダージリン急行』(’07)でもタッグを組み、アカデミー衣装デザイン賞は8回ノミネート、うち4回受賞という輝かしい経歴の持ち主。劇中でティルダ・スウィントンやエドワード・ノートンがまとった衣装は、「フェンディ」とのコラボによるもの。

Photo: Photofest/AFLO

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『華麗なるギャツビー』

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2014年

「プラダ」「ミュウミュウ」「ブルックス ブラザーズ」、ジュエリーは「ティファニー」というそうそうたるブランドが衣装協力した『華麗なるギャツビー』が、この年の衣装デザイン賞を受賞。手掛けたのは、バズ・ラーマン監督作品すべての衣装を手がけるキャサリン・マーティン。キャリー・マリガンやレオ様の美しさを際立たせただけでなく、徹底的な下調べを行い、1920年代アメリカ東海岸に住む上流階級の人々の華麗で退廃的なファッションを見事に再現した。

『アンナ・カレーニナ』

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T.C.D / VISUAL Press Agency//Aflo

2013年

“不倫”をテーマに美しくも儚い悲恋を描いたロシアの文豪レフ・トルストイの傑作「アンナ・カレーニナ」を映画化。今作の見どころはなんといっても豪華絢爛な衣装! この華やかな衣装を手掛けたのは、今年の話題作『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』でも衣装を担当しているジャクリーヌ・デュラン。意外にも衣装に関しては小説を参考にしなかったそうで、主役のアンが舞踏会のときに着る黒のドレス以外は、ジャクリーヌなりに再構築してデザインしたそう。なかでも注目してほしいのは、映画に華やぎを添える本物のファインジュエリー。なんと1億8,000万円相当の「シャネル」のダイヤモンドジュエリーもお目見え!

『アリス・イン・ワンダーランド』

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2010年

『シザーハンズ』(’90)以来、ティム・バートン作品の衣装を手がけるコリーン・アトウッドが衣装デザイン賞を受賞。もともとミュージシャンのツアー衣装を手掛けていただけに、バラエティと色彩に富んだアーティスティックなデザインが特徴。ヴィクトリアンからシノワズリまでさまざまなテイストがミックスされた衣装の数々は、ティム独特のファンタジーワールドにぴったり。

Photo: Everett Collection/AFLO

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『エリザベス:ゴールデン・エイジ』

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2007年

第一作『エリザベス』('98)に続き、ケイト・ブランシェットがエリザベス一世を演じた『エリザベス:ゴールデン・エイジ』。衣装を手がけたアレクサンドラ・バーンは、過去3度のノミネートの末、4度目のノミネートでの受賞となった。16世紀に流行したひだ襟や巨大なヘッドピース、ペチコートを何枚もレイヤーしたボリュームスカートなど、当時の衣装を忠実に再現したドレスは見ごたえ十分。

Photo: Everett Collection/AFLO

『マリー・アントワネット』

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2006年

言わずと知れたおしゃれムービー、ソフィア・コッポラ監督手掛ける『マリー・アントワネット』の衣装を手がけたのも、『グランド・ブタペスト・ホテル』と同じミレーナ・カノネロ。18世紀のロココ美術に影響された瀟洒なドレスと、ソフィア・コッポラ監督のガーリーな世界観を見事にマッチした衣装はどれもロマンティックで素敵。

Photo: Everett Collection/AFLO

『SAYURI』

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2005年

チャン・ツィイーや渡辺謙が出演して注目を集めた、スティーヴン・スピルバーグ製作、ロブ・マーシャル監督の『SAYURI』。この作品の衣装を手がけたのも、『アリス・イン・ワンダーランド』同様、コリーン・アットウッド。チャン・ツィイーが着用した着物の数々は、ファッションデザイナーで着物コレクターの永幡雄哉氏が所有するアンティークだったそう。

Photo: AFLO

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『アビエイター』

Coat, Trousers, Shirt, Outerwear, Suit, Happy, Formal wear, Dress shirt, Facial expression, Collar,

2004年

20世紀初頭のアメリカの大富豪、ハワード・ヒューズの半生をレオナルド・ディカプリオが演じた、マーティン・スコセッシ監督の『アビエイター』。衣装を手がけたのが、スコセッシ監督のお気に入り、サンディ・パウエルだ。当時、ヒューズとのロマンスがささやかれたキャサリン・ヘップバーンを演じたのはケイト・ブランシェット。ドレープが美しいシルクドレスにオーバーサイズのミンクのファーコートを羽織るなど、キャサリンのおしゃれっぷりを見事に表現。それにしても、この映画のレオ様は本当にカッコいい!

Photo: Everett Collection/AFLO

『シカゴ』

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2002年

『SAYURI』に続き、こちらもコリーン・アトウッドが衣装を担当。歴史モノからファンタジーまで幅広くカバーするコリーンの手にかかると、’20年代前半のシカゴのナイトシーンの興奮と喧騒が、一気にリアリティ度アップ。フラッパースタイルのキャサリン・ゼタ=ジョーンズ&レネー・ゼルウィガーが妖艶すぎる!

Photo: Everett Collection/AFLO

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