演じるのが仕事の俳優たちでも、好きになれないキャラクターに扮するのはつらいもの。さらに幸か不幸かその映画やドラマが大ヒット、シリーズ化してしまったセレブたちも……。そこで今回はブレイクのきっかけになったシリーズ作が嫌いだとカミングアウトした俳優たちを大特集。『トワイライト』から「ゴシップガール」『007』まで超人気シリーズばかりだけれど、中には主要キャラクターのうち3人に嫌われている不憫な作品もあるもよう。
ミーガン・フォックス
2007年、映画『トランスフォーマー』のミカエラ役で大ブレイクしたミーガン・フォックス。この映画のマイケル・ベイ監督が「ヒトラーみたい」「女性に対して差別的で一緒に働くのは最悪だった」とコメントしたことがあるだけにこの出世作が大嫌い。理由はベイ監督だけではなく演じた役も大嫌いだから。
インタビューでは「この映画で演技が大切ではないことはみんなよくわかっているよね? そのことに気が付くとその場にいるのが面白くなってくる。『彼がアクション!って叫んだら、私はは走るか叫ぶか、走りながら叫べばいいんだ』って思えるから」。ちなみに「この映画のおかげで色々な仕事への扉が開いたからバカにすることはできない」とも。それがわかった上で言うのだからよっぽど嫌い。
ザック・エフロン
ディズニーチャンネルのテレビ映画『ハイスクール・ミュージカル』シリーズ で演じたトロイ役でブレイクしたザック・エフロン。このシリーズが、というよりもトロイ役が嫌いだと語っている。「今でも彼の尻を蹴りたくなるよ。彼はクールな人とクールなことをしている。でもまだ彼は『ハイスクール・ミュージカル』ではクソガキなんだ」。
ペン・バッジリー
ドラマ「ゴシップガール」のダン役で一躍人気俳優の仲間入りを果たしたペン・バッジリー。彼はこの作品に限らずテレビが嫌い。「テレビの世界には入りたくなかった。ダンを演じながらチャンスを待っていた。この作品には本腰を入れていなかった」。
ちなみにこの作品、近年ではキャラクターの多様性に欠けることが指摘されることも多いけれど、ペンは放送終了後の早い時期からこの点について語っていた。2015年にこのドラマについてツイートしたときには「白人の特権意識について話し合おう」というコメントも。
ジェネット・マッカーディ
ニコロデオンの人気ドラマ「iCarly」でブレイクしたジェネット・マッカーディ。家族を養うために幼くしてショービズ界に入り、しかも女優になりたかった母親の夢を代理で叶えるためだったというから出世作を嫌いになるのも当然。「私にとって名声は心を掻き乱すものだった」と語っている。
スピンオフの「サム&キャット 」にも出演したがどちらの作品でも「自分の役を安っぽく感じた」「13歳から21歳くらいまでやったけれど15歳くらいで嫌になっていた」。
マンディ・パティンキン
マンディ・パティンキン(右)の名前を知らなくても「クリマイ」ことドラマ「クリミナル・マインド FBI行動分析課」 の初期シーズンに出ていたギデオン役と聞くとピンとくる人もいるのでは?
彼はそれまでにブロードウェイで数多くの舞台に出演、トニー賞も受賞しているけれど「クリマイ」で一気にお茶の間の人気者に。でも本人はこのドラマが苦痛だった。「このドラマに出演したことは人生最大の過ちだ。最初はまったく違うものだと思っていたんだ。まさか毎回毎回、女性たちを殺し、レイプするストーリーが延々と続くとは思っていなかった。私の魂と人格はこのドラマでめちゃくちゃになった。もうテレビの仕事は2度とするものか、と思っていた」。もはやトラウマ。ちなみに彼は「クリマイ」をシーズン3で卒業した4年後「HOMELAND」で再びドラマの世界にカムバックしている。心の傷が癒えたようでよかった……。
アナ・ケンドリック
撮影から12年も経った最近になって映画『トワイライト』シリーズの撮影が最悪だったと明かしたのはアナ・ケンドリック。アナが演じていたのは主人公のベラの友達ジェシカ。アナ曰く「最初の映画はオレゴン州のポートランドで撮影したんだけど、とても寒くてみじめだったのを覚えてる。履いていたコンバースは完全にビショビショで『このグループが本当に最高な人たちで、他のときに出会えていたら友達になったかも。でも今はみんなを殺したい』って」。
作品の撮影は好きになれなかったみたいだけれど、キャストたちとは友達に。「それが絆のようなものでもあった。そういうのってあるでしょう。トラウマになるような出来事を一緒に乗り越える、みたいな感じなの。人質になった人たちが共に生き延びるみたいな感じね」。
テイラー・モムセン
レイトンと一緒に「ゴシップガール」に出演していたテイラー・モムセン。このドラマも女優業も嫌いだと断言している。シーズン3でこのドラマを降板、バンド「プリティ・レックレス」のボーカリストとして音楽の仕事に専念し始めてから、あるインタビューで「ゴシップガール」について聞かれたテイラー。「何回も言い続けているんだけど、音楽で何回チャートの1位を取れば演技について聞かれないで済むようになるわけ? 私はもうすでに3回も1位をとっているのにみんなにあのドラマのことを聞かれる」「あのドラマは大昔のことみたいに思えるの。あれは私にとって子ども時代よ」とキレ気味に回答、「二度と演技はしない」と宣言している。
ジェシカ・アルバ
2005年に『ファンタスティック・フォー [超能力ユニット]』、2007年に『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』に出演したジェシカ・アルバ。彼女が嫌っていたのは映画そのものというよりも監督と脚本。ジェシカが泣くシーンで、なんと監督は彼女の顔をCGで加工、涙を加えたそう! 理由はジェシカが泣けなかったわけではなく彼女の泣き顔が「リアルすぎたから!」。公開直後のインタビューでジェシカは「監督に『リアルすぎて見るのに耐えられない。泣いているときもっとかわいい顔ができない? かわいく泣いてよ』って言われたの」と暴露。さらにジェシカは「いい俳優は上手く書けていない脚本には従わない。私が共演したことのあるいい俳優たちはみんな、自分の意見を言うわ」。この映画の脚本がいい出来ではなかったこともほのめかしている。