4年振りの来日！　マライア・キャリーについて知っておきたい13のこと

高校を卒業したマライアは、スターになるべくNYに飛びたった。穴のあいたスニーカーで雪のなか、歩く日々を送ったが、友人に強引に誘われたパーティーで配った楽曲テープがコロムビアCEOトミー・モトーラの手に渡る。帰路の車で曲を聴いたモトーラは才能に驚き、すぐさま会場に引き返したが、マライアは帰宅済み。彼はシンデレラのごとく「テープの主」捜索作戦を決行。マライアはこのモトーラと契約し、後に結婚することに。

（写真左から）マライア・キャリー、トミー・モトーラ

トップスターとなったマライアだったが、夫モトーラが彼女を厳しく監視し、束縛するようになり、結婚生活は破綻。離婚後、モトーラはマライアのキャリアを阻害する裏工作に。当時、彼がプッシュした新人がジェニファー・ロペスで、マライアの曲のコラボ相手をジェニファーに回す泥沼状態に。そんな事件があってから、マスコミにジェニファーについて訊かれてもマライアは「I don’t know her」と返答。2016年にも「知らない」と言い続けており、確執は継続中。

（写真左から）マライア・キャリー、ジェニファー・ロペス

「保守的な女の子」のイメージで通っていたマライアだが、離婚後はゴージャスな女性としての姿を披露。モトーラから離れ移籍を果たすも、主演映画『グリッター きらめきの向こうに』が大コケし、ヴァージンから速攻契約解除される危機に。しかし、2005年に移籍先のユニバーサルからリリースしたアルバム『MIMI』が大ヒットし復活。年上男性との結婚式から逃亡して、若いイケメンと結ばれるMV「We Belong Together」には「シンデレラ」から「女王」への成長が刻まれている。

ビーフの女王としても知られるマライア。交際が噂されたエミネムとのバトルでは、「Obsessed」のMVにて「マライアのストーカーをするエミネム役」を男装して演じる女優魂を発揮！　TV番組で衝突したニッキー・ミナージュの長所3つを問われた際は、司会にこう訊き返した。「あなたは言える？」。後輩については「頑張ってる子はいるけど、皆まだまだね」と一掃したが、ブリトニーとビヨンセ、リアーナのことは認めている。

わがまま伝説もマライアの持ち味。TV番組に出演した際には、自分の左側だけが映るよう「ステージを180度回転させろ」と要求。周囲は冗談と受け取ったが、マライアは至極真顔だったとか！　映画の撮影現場では「髪をなびかせる為に天井から大型扇風機を吊るせ」と要求したよう。本人によると、ディーバキャラは世間から求められるイメージを演じるサービス精神の一貫だそうだけど、どこまでが演技でどこまでが本気か謎なところもスーパースターの証!?

女優としては、大コケした『グリッター きらめきの向こうに』の出演が有名なマライアだが、スターのイメージから逸脱した役にも挑戦。貧困層の少女を描いた『プレシャス』ではノーメイクでソーシャルワーカー役に挑み、第21回パームスプリングス国際映画祭でブレイクスルー賞を獲得。ホワイトハウス専属の黒人執事を描いた『大統領の執事の涙』では、強姦されて心神喪失する黒人奴隷を演じきった。2作品ともリー・ダニエルズ監督作品で、アカデミー賞作品賞にノミネート。

（『プレシャス』トレーラー、マライア登場は0:36～）

チャート女王マライアは、2010年代に入ってもトップを獲得。1994年にリリースされたクリスマス・ソング「All I Want For Christmas Is You」は2017年にもSpotifyチャート首位を記録し、更にはビルボードでもTOP10入りを達成！　ジャスティン・ビーバーが参加したバージョンもあるこの名曲は、同年「カプール・カラオケ」でアデル、エルトン・ジョン、セレーナ・ゴメス、レディ・ガガらにカバーされた。

時代を築くディーバとして確固たる地位を確立したマライアだが、2017年にはバッシングの憂き目に遭う。2016年の大晦日、ニューヨークのタイムズスクエアで開催された恒例のニューイヤー・コンサートで機材トラブルに見舞われ、歌えなくなったことで「プロ失格」の烙印を落とされる羽目に。しかし、翌年の同ショーでは、悪評をねじ伏せる圧倒的なパフォーマンスを披露。感嘆した司会者はこう評した。「この素晴らしいパフォーマンスが、彼女が“マライア・キャリー”である理由です」。