「友人を大切にするように洋服を大切にしなさい」これは、往年ハリウッド女優ジョーン・クロフォードの言葉。
しかし、その洋服を洗濯機でぞんざいに洗うことは、自分の誕生日を忘れた友達を無下に扱うようなもの。汚れた洋服を丁寧に手洗いすることで、洋服を“良い状態で長く保つ”ことができるのだ。
そこでUK版「エル」が、ストックホルム発の衣類ケアブランド「スチーマリー」 の共同創立者で最高製品責任者のフレイ・レーヴェンハウプト氏に、正しい手洗い方法をASK!
なぜ手洗いは洋服にやさしいの?
衣類を洗濯機にそのまま「ポン」と放り込んで全自動ボタンを押していては、衣類は洗うたびにダメージを受けてしまう。他の衣類とこすれたり、洗濯槽にたたきつけられることで、衣類の繊維や縫い目がダメージを受けるのだ。
手洗いの利点は、洗い方をコントロールできるということ。例えば、シミがついた服も、シミがついていない部分にダメージを与えることなく、気になる部分だけにフォーカスして洗うことができる。
どういった洋服を手洗いすべき?
デリケートな生地や大切にしている洋服は、手洗いしたほうがベター。一般的な見分け方は洗濯表示ラベルを見ること。高級品やデリケートなシルク、ウール、カシミア、メリノウールは手洗いすることをおすすめする。
”ドライクリーニングのみ”の衣類は手洗いしていいの?
ドライクリーニングのみと表示されている洋服も、実は手洗い可能。 これはファッションブランドや繊維工場にもよるけれど、この表示は「もし洗って洋服が傷ついても彼らは責任を取らない」というサインであり、基本的には手洗いしても問題はない。
ただ、シルクやレーヨンなど水によってダメージを受けやすい素材もあるので、ドライクリーニングのみの洋服を手洗いする際は十分に気を付けて。傷めるのを避けるためには、手洗いする前に洋服の繊維が水にどう反応するのかを調べるのが◎。
正しい手洗いの方法
浸け置き洗いの方法
- ボウルまたはシンクに30度ほどのぬるま湯を入れて服を浸ける
- その中に界面活性剤などの有害薬品が含まれていない洗剤を30ml入れて、少なくとも30分浸ける
これをするだけで匂いや汚れを簡単に落とすことができる。しぶとい臭いは臭い専用の洗剤を使うことで解決する。
シミ抜きの方法
シミ抜き専用の洗剤を布につけて、気になる部分をやさしくたたくだけ。ただシミの種類によって方法の変わってくる。
- タンパク質汚れの場合は、界面活性剤を含む洗剤を使用
- 脂肪酸や草のシミは胆汁石けん、または食器用洗剤を使用
- ワインや頑固なシミはオキシクリーンを使用
手洗いの手順をガイド!
ぬるま湯で手洗い
- シミ抜きor浸け置きをしておく
- ボウルにぬるま湯を入れる
- 洗剤と一緒に衣類をボウルの中に入れる
- 15分浸けて、水と洗剤を衣類に染み込ませる
- 15分経ったら水を捨てて、冷たい水で洗剤を洗い流す
乾かし方
- 衣類をやさしくタオルで包み込み、水分を取る
- 服の縫い目や襟などに気をつけながら、やさしく衣類を伸ばす
- 洗った衣類は、日陰で平干しする
アイロン方法
可能ならドライアイロンよりも、スチームアイロンやスチーマーを使う方が、洋服に与えるダメージが少なくて済む。