CULTURE SPECIAL
プライベートの醜聞がご法度だったオールドハリウッドの時代。当時世間を騒がせた妊娠にまつわるスキャンダルを振り返れば、そこには栄光の影に隠されたスターたちの悲しみに満ちた横顔が浮かんでくる。UK版エルより。
『カサブランカ』(1942)で一世を風靡した女優のイングリッド・バーグマンは、聖女や修道女など役柄の”グッドガール”としての印象が強かったため、監督ロベルト・ロッセリーニとの不倫関係は許されるものではなかった。2人の間に息子のロベルティーノが生まれてからすぐに、バーグマンは当時の夫と離婚してロッセリーニと再婚したが、キャリアは低迷。ロッセリーニと離婚後に再びハリウッドに返り咲いて、ついにはオスカーを手にした。
永遠のセックスシンボル、マリリン・モンロー抜きにはこの特集は語れない。モンローの秘められた妊娠は、1960年に写真家で、彼女の友人でもあったフリーダ・ハルによって撮影された。結局、お腹の子は生まれる前に亡くなってしまうが、父親は当時夫アーサー・ミラーではなく、『恋をしましょう』(1960)の共演者、イヴ・モンタンだと言われている。
ハリウッドの大女優ジョーン・クロフォードが1931年に妊娠した時、彼女はお腹の子の父親はクラーク・ゲーブルだと信じていた。当時MGMの広報のトップだったハワード・ストリックリングが中絶手術を手配して、クロフォードは別居状態だった夫に、映画の撮影中に船のデッキで転倒して流産したと伝えたという。
『ミネソタの娘』(1947)で知られるロレッタ・ヤングもまたゲーブルによって妊娠させられた一人だ。彼女の義理の娘は、その妊娠はデートレイプによるものだったと主張している。敬けんなカトリック教徒だったヤングは中絶を拒絶したため、スタジオは彼女がL.A.の自宅で出産するまでの間、彼女が病気だという噂を流布。出産後、ヤングは自分の娘を養子として迎えている。
映画『三銃士』や『青春物語』で知られるセクシー女優のラナ・ターナーが1941年に妊娠した際は、ハワイへのプロモーション・ツアーを装って堕胎手術が行われた。その処置はホテルのベッドの上で麻酔なしで行われ、ターナーの母親は彼女の泣き声が外に漏れないように、ターナーの口を押さえていたという。中絶にかかった費用500ドルは彼女の給料から差し引かれ、一週間後には彼女は現場に復帰したというから、惨たらしい話だ。
『オズの魔法使』(1939)のドロシー役で知られるジュディ・ガーランドだが、『ヴァニティフェア』誌によると、観客が母親としてよりも、子どもらしいイメージを望んでいたため、最初の夫デイヴィッド・ローズとの間に子どもを授かった時に中絶を余儀なくされたという。彼女はその後、別の情事でできた子供も堕胎している。
1954年の『カルメン』で黒人女性として初めてアカデミー主演女優賞にノミネートされたドロシー・ダンドリッジ。彼女をスターにした同作品の監督オットー・プレミンジャーはしかし、彼女を妊娠させ、当時の妻との離婚を拒んだ相手でもあった。スタジオは彼女に中絶を求めたが、それは単に子供の存在が彼女の官能的なイメージを害するから、というだけではなく、プレミンンジャーが白人だったからだ(当時、カリフォルニア州の異人種間混交を禁じる法律はすでに撤廃されていたが、人々の間ではルールとして残っていた)。
喜劇王チャーリー・チャップリンと聞くと、鼻の下にたくわえられた口ひげと、コミカルなドタバタ劇を思い浮かべるかもしれないが、彼はティーンエイジャーとの結婚を繰り返していたことでも有名で、その回数は実に4回にものぼる。2番目の妻は、チャップリンが妊娠が分かってようやく結婚に同意したことや、彼女に中絶を強要してきたことを主張。その妻と離婚後、チャップリンは彼女よりさらに2歳若い女性に乗り換え、本人が50代で、その女性が18歳の時に再婚している。
Translation, Text: Naoko Ogata Photo: Aflo, Getty Images
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