一歩使い方を誤ると、取り返しのつかないほど大きな問題に発展してしまうのがネット社会の怖さ。ここではSNSのプラットフオームを舞台に、そして時には現実の世界まで及んで争ったハリウッドの昔ながらのエンターテイナーと、新興のインターネット上の有名人のバトルを見てみよう。AU版『ELLE』より。
アリエル(写真)が“不健康なボティイメージを美化している”という友人のコメントをリポストして、アリエルを名指しはしなかったものの、自分とリポストしたコメント主をブロックしてきた彼女に対して、「もし自分のライタイルを見せびらかすこと(そして同時に人をインスパイアすること)でお金をもらうつもりなら、自分が助長していることに関する議論にオープンでなきゃ。そこにある問題から逃げちゃだめ」と追及した。
アマンダは後に、議論を提起するつもりが結果としてアリエル1人を集中的に批判することになってしまったことを謝罪している。
ジェニファー・ローレンス VS ペレス・ヒルトン
ジェニファー・ローレンスは2014年に起きた著名人のプライベート写真大量流出事件の標的にされ、インターネットにヌード写真が出回ってしまったセレブの一人。彼女は直ちに、これは「性犯罪」だとして、その盗まれた写真を共有する人たちを非難した。
ほとんどのメディアがその流出した写真を報道することはなかったが、お騒がせセレブ・ブロガーのペレス・ヒルトン(写真)は自身のサイトでローレンスの写真をその他のプライベート写真とともに掲載。彼は後にその写真をシェアしたことを謝罪しているが、ジェニファーはそれを受け入れていない。
2014年の『ヴァニティフェア』誌のインタビューでジェニファーは彼について以下のように語っている。「彼はみんなを煽る、そのためだけにその写真を掲載した。その後、彼の謝罪を見ることになったけど、彼は基本的には『そのことについて考えが及ばなかった』としか言わなかった。その言葉は謝罪ではないわ。その事自体がまさしく問題」
カイリー・ジェンナー VS ジェフリー・スター
それぞれビューティー・カンパニーを所有しているカイリー・ジェンナーとジェフリー・スターは一度も良い関係になったことがない。
自身もリキッドタイプのリップをプロデュースしているメイクアップアーティストのジェフリーは、2016年4月、カイリーが手がける「カイリー・コスメティックス」のリップグロスのアプリケーターに欠陥があると非難。自分の試した商品の写真をシェアして、「もし自分に発言力があるなら、それを使うべきよね。私は、セレブが何でも中途半端にやりっぱなしなのにウンザリ」とツイートした。このツイートは現在削除されている。
オリヴィア・マン VS 「Go Fug Yourself」
今年4月、女優のオリヴィア・マンは人気ファッションブログ「Go Fug Yourself」の作者ヘザー・コックス&ジェシカ・モルガンを相手取って奇妙な諍いを起こしている。
オリヴィアが着用していた「ピーター・ピロット」のストライプジャケットについて、「Go Fug Yourself」が冗談めいた批評をしたところ、オリヴィアが激怒。「Go Fug Yourself」はいじめを行っているとツイッターに怒りの長文を非難した。
「『Go Fug Yourself』みたいな嫌味ったらしくてあからさまに偽善的な内容のブログがあるけど、こういうブログが受けてるのは、私たちが女性は体重や見た目、ファッションのチョイスなどで公然と批判されることが普通だと信じ込まされてるからだと思う」
オリヴィアの投稿後、多くの人が「Go Fug Yourself」の批評は、害のないファッションについてのコメントにすぎないと擁護。その後オリヴィアはこの件について沈黙している。
写真/「Go Fug Yourself」のヘザー・コックスとジェシカ・モルガン
ジェニファー・アニストン VS ペレス・ヒルトン
ジェニファー・ローレンスとは異なり、ジェニファー・アニストンはロサンゼルスでペレス・ヒルトンと対面する機会があり、彼女は直接対決に臨んでいる。
2011年の「エレンの部屋」でその時の様子について回想しているジェニファー。「私は駐車場でペレス・ヒルトンでバッタリ会ったの。こんなことが起こるなんて想像だにしなかったわ」
「私は車のウィンドウを下げて、『こんにちは』って挨拶したの。そしたら相手も『こんにちは』って返してきたわ。私たちはまるでヘッドライトに照らされている2匹のシカのような感じだった。そして私が言ったの。『ここにきて、ちょっと私と話しをしましょ』ってね。それはとても心地よい時間で、私は『なんであなたはそんなに意地悪なの?』って聞いたのよ」
アニストンはその偶然の出会いについて、「素敵」だったとさえ発言している(!)
ザラ・ラーソン VS ジェームス・チャールズ
今年5月、恩師であり親友だったユーチューバー、タティ・ウェストブルックにより数々の裏切り行為を告発され話題になった“メイク男子”の美容系ユーチューバー、ジェームス・チャールズ。その告発には、本業のビジネスでの背信行為に加えて、ゲイであるジェームスがストレートの男性に対して自分と付き合うよう強要している、という内容も含まれていた。
この騒動の最中、スウェーデン人歌手のザラ・ラーソンが、ジェームスは彼女の恋人であるモデルのブライアン・ウィテカーにもDMでメッセージを送ってきた、と告発。ツイッターで「(ジェームス・チャールズが)私の彼がストレートと完全に分かっていながら、何度もDMを送りつけてきた」と書き込んだ。
ジャミーラ・ジャミル VS カーダシアン家
カーダシアン家を批判する人は数多いが、その中でも女優で活動家のジャミーラ・ジャミルは最も声高だ。ボディ・イメージに対する意識向上を目指すウェブサイト「I Weigh」を運営しているジャミーラは、カーダシアン家の女性たちがダイエット・シェイクや「お腹がぺたんこになる」お茶など議論を呼ぶ商品を広告する度に批判を繰り返してきた。
2019年4月には、クロエ・カーダシアンが投稿したデトックス・スムージーの広告に対して長文コメントを投稿。「この業界があなたをその見た目に執着するようになるまでいじめたというのは本当にひどい話。それはメディアの過ちよね。だけどどうか、それを繰り返して自分が傷つけられたように、他の女の子を傷つけるのはやめて」と訴えた。
このコメントに対してクロエはジャミーラをあからさまに下げる発言をしており、ニューヨーク・タイムズ紙のインタビューでは自分を批判する人々を「バカ」呼ばわりしている。
Translation & Text : Naoko Ogata