組織的集団買春で英国王室も巻き込んで大スキャンダルとなっている富豪ジェフリー・エプスタイン事件。獄中で自殺と見られる彼の右腕として少女たちをあっせんし、“女衒”の役割を果たしていたのが英国ソーシャライトのギレイン(ギレーヌ)・マックスウェルと見られている。女性を売り渡す女衒に男女関係なくなってしまう事例とその後を知り、結局悪いのは買う側の男性なのだと思い知るのもいいかも?
アレックス・アダムズ(aka.ベティ・ジェセン、エリザベス・アダムズ、アレックス・フレミングなどなど)
1995年に60歳で他界したアレックスは、60~80年代に国際的売春組織を営んでいたビバリーヒルズ・マダム。ハリウッドのホテルにある花屋で働いていた時に知り合ったイギリス人マダムが引退する際に顧客リストを5000ドルで買い取ったのがこの業界に入るきっかけ。常に300人以上のコールガールを抱えていて、大手映画会社の重役や有名監督、俳優、そしてアラブのシークや国際的に活躍するビジネスマンの求めに応じて派遣。多数の偽名を使い分ける彼女はいわゆる裏の世界におけるセレブで、一般人には存在すら知られていなかった。80年台後半にコールガールともめた客が警察に駆け込み、コールガール志願者を装った美人警官による囮捜査で摘発されたことをきっかけに“マダム”と呼ばれる売買春の元締めの存在が明らかに! アレックスは他界する2年前に出版した自叙伝『マダム90210』で波乱万丈な人生を綴ったけれど、顧客の名前は墓まで持って行った本物のプロ。
アレックス・アダムズ(Alex Adams)
ハイディ・フライス
そのアレックスの元で働いていたコールガールのひとりで、90年代にハリウッド・マダムとして有名になったのがハイディ。彼女が交際していたハンガリー人映画監督アイヴァン・ナギーがギャンブルの借金450ドルのカタとしてハイディをアレックスに売り渡したのが出発点で、マナー全般や身のこなし、ファッション、会話のネタになる経済やアートなどの知識を徹底的に仕込まれた。引退するコールガールに代わる新人のリクルートを頼まれるほど信頼もされていたハイディは、コールガールたちを厳しい母親のように見守っていたアレックスが逮捕された後に顧客リストを盗み出し、自身の売買春組織を立ち上げた。当然、アレックスとの確執も発生したが、裁判で多忙な元マダムはハイディの勢いを止められず。一時期はコールガール志願者を断るまでに組織を成長させたハイディは1993年に逮捕され、20ヶ月服役。現在は薬物依存などに苦しみながら、ネバダ州に作った鳥の聖域を守りながら生活。ただしブラックブックと呼ばれる顧客リストは今も大事に保管していて、名前が載っている人は戦々恐々としているはず。
ハイディ・フライス (Heidi Fleiss)
ミシェル・ブラウン(バーク)
ハイディが逮捕された後、独力で2000年代のハリウッド・マダムに成り上がったのがミシェール。ロサンゼルス近郊の田舎町でスタートしたネット派遣型のエスコートサービス「グローバル・トラベル・ネットワーク」が原点で、やがて「ニッキーズ・ガール」へと進化。彼女が賢かったのは、コールガールのクオリティにこだわったこと。抱えていた70人は『プレイボーイ』誌のヌードモデルや有名ポルノ女優、さらには新人女優と俊英揃いで、世界中を快適に旅行できて、さらには収入も増えると知った若い美女が次々にミシェールのもとに集結。登録するのに1000ドルが必要で、さらには女性たちと一夜を共にするのが最低でも3万ドル(当時のレートで約330万円)という破格の価格が大物男性に受け、瞬く間に業界トップに登り詰める結果となった。ミシェール自身は幼い娘2人を連れてすぐに本拠地をフロリダに移したものの、抱えている女性たちは全米に散らばっていて、ネット予約に応じて世界中の顧客の元にGO! タイガー・ウッズのSEX依存症が暴露された際にはメディアがミシェールのコメントを求めに殺到。売春斡旋とマネーロンダリングで有罪判決を受けて、自宅逮捕に。その時に立ち上げたバーキン専門のネット販売会社「Privé Porter」で大成功し、今は立派なビジネスウーマン!
ミシェル・ブラウン(バーク)(Michelle Braun (Berk))
クリスティン・デイヴィス
大統領選のロシア介入疑惑をめぐる調査で、偽証罪などで逮捕された政治ゴロ、ロジャー・ストーンの元恋人とされるマンハッタン・マダムがクリスティン。本人の告白によると、マダムになったのは証券会社に勤務していた20代のときに上司から(!)エスコートサービス予約を頼まれることが多かったのがきっかけ。当時、病気の母親の医療費がかさんでいて、「自分でコールガール組織を経営して、副収入を得よう」と売買春組織の経営に乗り出したそう。クリスティンの言葉以外には彼女の経歴を裏付けるものが少なく、彼女がいかにして1万人のコールガールを抱える組織を作り上げたかは謎のまま。ただ2008年に売春斡旋容疑で逮捕された際には当時、大手エスコートサービス「エンペラーズクラブVIP」を愛用していた州知事エリオット・スピッツァーにもコールガールを派遣していたと暴露(警察の調査によると派遣した事実は認められず)。さらにアレックス・ロドリゲスやデイヴィッド・ベッカムも顧客だったとメディアに告発し、クリスティンの知名度アップにつながっている。服役後にラジオ出演して知り合ったのがロジャーで、彼に発案でニューヨーク州知事選に出馬したことも!? 保護者ロジャーの逮捕後はハーレムにビューティーサロンをオープンしていて、たくましく生き延びていくでしょうね。
クリスティン・デイヴィス(Kristin M. Davis)
ギレイン(ギレーヌ)・マックスウェル
昨年8月、複数の未成年少女への性的暴行容疑で逮捕され、拘置所内で自殺した富豪J・エプスタインと仲間たちに女性を斡旋していたとされるのがイギリス人ソーシャライトのマックスウェル。出版社を経営する裕福な父親に愛され、買収した「ニューヨーク・デイリー・ニュース」社をまかされてニューヨークに移住した彼女はドナルド・トランプやハーヴェイ・ワインスタインらと知り合い、ヨーロッパのジェットセッター的流儀で上流社会の花形に! やがて父親が他界し、実際は家計が火の車だったことがわかったマックスウェルはリッチな生活スタイルを維持するために元恋人でロリコン(小児性愛愛好者)のエプスタイン(写真左)を満足させるために10代の少女に小遣い稼ぎと称する売春を持ちかけ始めた。モデル・オーディションなどと称して集めた美少女をプライベートジェット(別名ロリータ・エクスプレス)でバージン諸島のエプスタイン別荘に運び、そこでは夜な夜な、怪しい宴が行われたのだ。もともと、交友関係が多岐にわたっていた女性だけにアンドリュー王子が顧客だったのも不思議じゃない!? エプスタイン自殺後、雲隠れ中の彼女については現在、FBIが捜査を進めている。
(写真左から)ドナルド・トランプ(Donald Trump)、メラニア・トランプ(Melania Trump)、ジェフリー・エプスタイン(Jeffrey Epstein)、ギレイン(ギレーヌ)・マックスウェル(Ghislaine Noelle Marion Maxwell)
エリー・ナハス
2007年にマルセイユ警察に逮捕され、5年後の裁判で有罪となり、懲役8年お実刑判決を受けたのがレバノン人実業家のナハス。ベイルートでモデル事務所を経営していたが、実態はエスコートサービス。ベネズエラやブラジル、東ヨーロッパなどから集めた美女たちをコールガールに仕立て上げ、ビジネスマンや中近東の王族、カンヌ映画祭に集まるセレブの求めに応じて派遣していたのだ。ナハスはさらにはショービズ界の顧客のつてでリアル・セレブにも食い込み、主催した元リビア首相・カダフィ大佐の誕生会にケビン・コスナーやカルメン・エレクトラらを招き、大物ぶりを見せつけていた。そんな彼に性奴隷を供給させていた中近東の富豪たちは特に金払いがよく、顧客のひとりがカダフィ大佐の四男ムタシンで、ナハスの逮捕後に事情聴取されないままリビアに帰国したことも話題となった。ナハス一味は芸能界入りを狙ってカンヌ映画祭に集まるモデルやミス×××らに大金をチラつかせてスカウトしていたため、マルセイユ警察の人身売買取り締まり局の目を引いたというわけ。
エリー・ナハス(Elie Nahas)
V.I.(元BIGBANG)
一昨年、ソウルの漢南で経営していたクラブで起きた暴力事件をきっかけに火薬売買や性接待、警察との癒着が浮上した人気グループBIGBANGの最年少メンバーV.I.。当時は「大金を支払えば、どんな問題も解決する」と事態を甘く見ていたようだけど、SEXビデオを友人たちと共有しあったりしていたことも発覚。さらには海外(台湾や中国、日本!)からの投資家を性接待するためにコールガールを手配していた証拠となるチャットが流出し、かばいきれないと考えた事務所の判断で引退を発表。新人女優や売れないモデルたちが性接待を強要されているという韓国芸能界の黒い噂を裏付ける行動をとったV.I.に対しての調査は静かに進行していて、今年の1月に韓国の検察が裁判所に拘束令状を請求。海外逃亡の可能性などが考慮された場合、刑務所などに留置される可能性大だ。
V.I.