ハリウッド進出の韓国俳優にブライト&ウィンの新作も! 2022年、世界を沸かすアジアスターをチェック
待望の注目作が続々と! グローバル配信や公開を控え、ますます熱視線を集めそうなアジア系俳優をマークして。
『イカゲーム』がNetflix史上最高のヒットを叩き出すなど、ますますエンタメ界を席巻するアジアンパワー。
いよいよハリウッド進出を果たすパク・ソジュンやチェ・ウシク、Twitter世界トレンド1位の『2gether』に次ぐ新作ドラマ・タイ版『花より男子』で期待が高まるブライト&ウィン、マーベル映画史上初のイスラム系ヒロインに大抜擢された無名の新人俳優など、話題作に続々登場するアジア系俳優から目が離せない! 果たしてグローバルな熱狂を生むスターは?
チェ・ウシク
『パラサイト』で知名度を上げ、ハリウッドに本格進出。
『パラサイト 半地下の家族』(2019)で貧困一家が富裕層家庭に寄生するきっかけを作る長男ギウを演じ、知名度アップしたウシク。ソウル生まれカナダ育ちのバイリンガルなので、国際的な活躍が期待されていた彼が、『ムーンライト』(2016)や『ミナリ』(2020)といった話題作を製作・配給するA24が手がける映画『Past Lives』でハリウッド進出する! 10歳でカナダに移住した韓国人女性ノラがネットで大好きだった幼馴染みと再会し、二人の間に恋が生まれるという展開のよう。韓国系アメリカ人であるセリーヌ・ソン監督が自身の経験を元に脚本を書いたラブストーリーで、ウシクはユ・テオが演じる韓国人男性の青年時代を演じると見られている。『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016)や『オクジャ/okja』(2017)でグローバルなファンを獲得しているウシクだから、次なるステージでさらに活躍するはず。
ユ・テオ
監督デビューも果たした本格派。A24製作映画の演技に期待!
チェ・ウシクが出演するA24製作映画『Past Lives』でグレタ・リー演じるノラとオンラインで繋がる、大人になった初恋相手を演じるのが、ドラマ『アスダル年代記』(2019)や映画『めまい 窓越しの想い』(2019)で複雑な心理演技を披露しているユ・テオだ。ドイツ・ケルンで生まれ育ち、ニューヨークのリー・ストラスバーグ演劇学校やロンドンの王立演劇学校で演技を学んだ本格派。ドイツ語と韓国語、英語を操るトリリンガルで、アメリカのインディーズ映画で俳優活動を始め、ベルリンやロンドンでは舞台俳優としても活躍。タイ映画やベトナム映画にも出演しているグローバルな韓国俳優の一人だ。カンヌ映画祭の招待作『LETO』(2018)で国際的に名を知られるようになった彼だが、2021年12月には監督デビュー作『Log in Belgium』が韓国で公開に。俳優兼監督としての活躍も楽しみ。
パク・ソジュン
マーベルも射止めた韓国トップスターの役どころは?
『梨泰院クラス』(2020)で世界的に注目度がUPしたパク・ソジュンは、2023年公開予定(2022年から延期)の『ザ・マーベルズ』でハリウッド進出すると所属事務所が公表。MCU作品なので詳細に関しては謎に包まれた部分が多く、なかでもソジュンの役どころはトップ・シークレットの一つ。ただし人の口に戸は立てられず、ハルクとなる韓国系アメリカ人青年アマデウス・チョウ、もしくはアンチヒーローであるマーベルボーイを演じるという2パターンの噂が浮上。しかも映画データサイトIMDbのキャスト順を見る限り、主演のブリー・ラーソンと並ぶくらいに重要なキャラクターなのは一目瞭然。というわけで、ザウイ・アシュトンが演じる悪役と手を組んでキャプテン・マーベルと宇宙の平和を脅かす強敵を演じる可能性も捨てがたく、世界中のファンは公開までヤキモキ必至!
イマン・ヴェラニ
マーベル初のムスリム系ヒーローに無名の新人が大抜擢!
『キャプテン・マーベル』(2019)のスピンオフ的な続編となるTVシリーズ『Ms.マーベル』(2022年7月以降ディズニープラスで配信予定)で主人公カマラ・カーン/ミズ・マーベルを演じ、『ザ・マーベルズ』にも出演するのは、パキスタン系カナダ人のイマン・ヴェラニ。カマラは、ニュージャージー州在住のパキスタン系アメリカ人であり、ある事件によって眠っていたインヒューマン(超人類)の遺伝子が覚醒し、スーパーパワー(シェイプシフティングと超人的な治癒能力など)を発揮するようになる設定。MCU史上初のムスリム系ヒーローの誕生であり、同世界のダイバーシティをさらに拡大する存在だ。とはいえイマンは全く無名の新人であり、演技経験も未知数。2019年にトロント国際映画祭委員会の一つであるネクスト・ウェーブ委員会メンバーに選出され、その後は自身も出演する自主映画(短編)を3本監督していて、かなりの映画通なのは確か。
ヨー・ジヨン
ニコール・キッドマンとの共演が見ものの女子大生。
香港の駐在員コミュニティを軸にしたTVシリーズ『Expats(原題)』(2022年にAmazon Primeで配信スタート)でニコール・キッドマンと共演することが決まり、業界内で注目されているのが南カリフォルニア大学で映画製作を学ぶ女子大生ヨー・ジヨン。中学時代に演劇の魅力に取り憑かれた彼女はこれまでロサンゼルスのアジア系シアターにおける舞台や大学生の自主制作映画に出演したほか、『モキシー 〜私たちのムーブメント』(2021)やTVシリーズ『Solve : The Podcast』(本名のスンイー・セオ名義)に小さな役で出演していただけ。実力は未知数だが、『フェアウェル』(2019)でオークワフィナの知られざる魅力を引き出したルル・ワン監督の抜擢だけに期待は高い。またアートハウス映画界で存在感を増すジョセフィン・デッカー監督が手がけた青春映画『The Sky is Everywhere』(2022年、アメリカ公開予定)では自信たっぷりな韓国系アメリカ人の女子高生サラを演じていて、前評判も上々! 選んだ芸名は奇しくも『セサミ・ストリート』初として話題のアジア系アメリカ人キャラクターと同じ名前だし、知名度アップは確実。
ブライト&ウィン
タイBLドラマの金字塔を打ち立てた二人が再び旋風を巻き起こす⁉
タイ発のBLドラマ『2gether』でTwitter世界トレンド1位のBright(ワチラウィット・チワアリー)&Win(メータウイン・オーパッイアムカジョーン)。プライベートでも仲良し(ラブラブ?)な二人の新作となるタイ版『花より男子』の『F4 Thailand/BOYS OVER FLOWERS』が2021年12月18日よりU-NEXTとCSテレ朝チャンネルでタイと同時刻放送開始! 韓国や台湾、中国でもリメイクされてきた鉄板ドラマでBright&Winが演じるのは、金至上主義の傲慢な御曹司青年タームと超プレイボーイのカヴィン。タームが道明寺司で、カヴィンが西門総二郎の設定で、二人は今まで見せたことがない魅力を発揮してくれるはず。『2gether』とは異なるジャンルの作品ながら、F4と呼ばれるグループの友情も重要なポイントになりそうだから、これからもBright&Winから目が離せません! これに先立って、二人が出演するバラエティ番組『Bright - Win Inbox』がU-NEXTにて独占配信中(写真)。視聴者から募集したゲームやスポーツで二人が対決する姿も必見。
ファン・イニョプ
『女神降臨』で中毒者続出。Netflix新作ドラマが世界配信へ。
完璧な顔立ちとプロポーションを持ち、さらには人柄も素晴らしい青年ソジュンを演じた『女神降臨』で人気急上昇中のファン・イニョプ。番組中では甘い歌声も披露していて、ミュージシャンとしての才能もありそう。高校と大学をフィリピンで過ごしていて、大学ではファッションデザインを専攻。卒業後、モデルとして活躍中に兵役を始め、その際に俳優チャレンジを決意したとか。オーディションを受けて、WEBドラマ『WHY : あなたが恋人に振られた本当の理由』でデビュー。フェミニンとも感じられる両性具有的な魅力があり、女性だけでなく男性ファンも獲得している。来年は冷徹な女性弁護士の心を溶かす法学部の学生を演じる『なぜオ・スジェなのか』が韓国で3月に放送開始予定。またNetflixが世界同時配信する『アンナラスマナラ(The Sound of Magic)』でチ・チャンウクとの共演も控えていて、国際的な注目を集めるのは間違いなさそう。
リナ・サワヤマ
『ジョン・ウィック4』でキアヌ・リーブスと共演!
2019年には「フォーブス」誌が選ぶ“30 Under 30”に、そして今年は「TIME」誌が選ぶ“Next Generation Leaders”に選出されたリナ・サワヤマ。ケンブリッジ大在学中にミュージシャンとして活動を始め、イギリスのインディーズシーンに参戦。作詞作曲はもちろん、プロデュースやミュージック・ビデオの監督もこなすマルチなアーティストだ。アジアとヨーロッパというルーツを持つクィアであり、彼女自身の体験や思想から生み出される楽曲はリベラルな若者やLGBTQ +コミュニティで熱く支持されている。2020年にはリナの国籍問題からUK音楽界の非ダイバーシティが明らかになり、国籍条項撤廃へと発展すると同時に業界内における彼女の存在感が増すことに! リナの才能を認めるエルトン・ジョンやメタリカとのコラボも話題だ。モデルとしても活躍する彼女を「ジャパニーズ・ブリトニー・スピアーズ」や「和製レディー・ガガ」と呼ぶ人もいるが、リナの個性と存在感はワン&オンリー。彼女の個性的なスタイルにはデザイナーも注目しているし、2022年5月全米公開予定の『ジョン・ウィック4』でキアヌ・リーブスと共演することも決定。とにかく目が離せない。
チョン・ヨビン
『ヴィンチェンツォ』で演技派として地位を確立。再来が待ち遠しい!
『ヴィンチェンツォ』(2021)でソン・ジュンギ演じる元マフィアの顧問弁護士の相棒となるクール・ビューティーな弁護士チャヨンを演じ、確かな演技力を高く評価されているチョン・ヨビン。前年に公開された『シークレット・ジョブ』(2020)では廃業寸前の動物園の飼育員をコミカルに演じていて(ナマケモノに扮する設定!)、幅広いキャラクターを縦横無尽に演じる実力派だ。大学の放送演劇学科で演技を学んだけれど、女優デビューはソウル国際女性映画フェスティバルのスタッフをしていたことがきっかけ。同映画祭のトレイラーを見た女優ムン・ソリが監督する短編『最高の監督』(2015)にヨビンを起用したのが彼女のデビューだ。『楽園の夜』(2020)では逃亡中の主人公が出会うミステリアスな女性を怪演。2022年にNetflixで世界配信予定の『Glitch』では、UFOクラブのメンバーの助けを借りて行方不明の恋人を探す富豪令嬢役。ヨビンが世界を席巻する韓国エンタメのトップランナーの仲間入りする日は近い⁉
チョン・ホヨン
『イカゲーム』で一躍スターへ。ハリウッド進出も間近?
Netflix史上最高のヒットとなった『イカゲーム』で女優デビューし、韓国女優の中ではインストグラムのフォロワー数がトップとなったチョン・ホヨン。16歳からフリーランスのモデルとして活躍し、『Korea’s Next Top Mode』出演をきっかけに大手事務所と契約して海外のファッションショーに進出。当時は燃えるような赤毛がトレードマークで、ファレル・ウィリアムズがシャネルとコラボしたコレクションのビデオなどにも出演している。モデル出身のスタイリッシュな彼女が演じたのは、家族のために危険なゲームに参加する脱北者女性セビョクで、その複雑な生い立ちや人生模様、人間的な優しさに共感する視聴者が多かった。『イカゲーム』の大ヒット以来、出演陣にハリウッドからのオファーが続いているのは周知の事実で、ホヨンは11月にハリウッドの大手エージェンシーCAAと契約したことが明らかに。モデルとして世界を飛び回っていた彼女は英語も堪能なので、次なる活躍の場はハリウッドになりそう。
チョン・ジョンソ
デビューまもなく演技賞を獲得し、オスカー女優とも共演。
芸能事務所と契約した3日後に受けたオーディションに合格し、『バーニング 劇場版』(2018)で鮮烈なデビューを飾ったチョン・ジョンソ。「この子は何を考えているの?」と思わせる謎めいた雰囲気と無邪気さが混在する不思議な存在感で観客はもちろん、名だたる映画評論家も魅了した。続く『ザ・コール』(2020)では人気女優パク・シネ相手に、社会病質者の連続殺人鬼を体当たりで熱演し、憑依的な役作りを絶賛されることに。この怪演で百想芸術大賞女性最優秀演技賞など複数の演技賞を受賞した彼女は2021年9月にベネチア国際映画祭に出品された『モナリザ・アンド・ザ・ブラッドムーン』でついにハリウッド進出! 特殊なパワーを持つ女性モナが精神病院を抜け出し、落ち着き先のニューオーリンズで自分らしく生きようと頑張る姿を追うファンタジー・アドベンチャーで、オスカー女優ケイト・ハドソンらが出演するが、主役はあくまでもジョンソ! 幼い頃に家族でカナダに移住した彼女は英語も流暢なので、国際的な活躍も視野に入れているはず。新作はスペインの人気ドラマ『ペーパー・ハウス』の韓国リメイク版で、無謀な問題児トーキョーを演じる予定。嫌われキャラに挑戦するあたりにもジョンソのアーティスト魂を感じる。
ジェシカ・ヘンウィック
『マトリックス レザレクションズ』ほか大作に引っ張りだこ!
2021年12日17日公開『マトリックス レザレクションズ』の予告編が公開されるや、物語の重要な鍵を握る存在に違いないと話題になったジェシカ・ヘンウィック。彼女が演じるのは主人公を再びマトリックスの世界に誘うミステリアスなキャラクターで、華麗なアクション演技を披露する。17歳の時にBBC放送のTVシリーズ『Spirit Warriors』でいきなり主役デビューし、『スターウォーズ/フォースの覚醒』(2015)や『ゲーム・オブ・スローンズ』と話題作に次々に出演するも、意外にも注目度はUPせず。その後、Netflixの『Marvel アイアン・フィスト』や『Marvel ザ・ディフェンダーズ』で武士の子孫である女剣士コリーンを演じたことで得意のアクション演技を開花させ、映画雑誌「ハリウッド・レポーター」や「ヴァラエティ」が“ブレイクアウト・スター”として取り上げ、業界内での注目度が急上昇。それが今につながり、2022年にはルッソ兄弟が製作するアクション・スリラー『グレイマン』や『ナイブズ・アウト2』など話題作の公開が続く。人気作家である父親マークの才能を受け継ぐジェシカは実は『Nancy Wu Done It』の脚本も書いていて、Amazonで映像化される予定。
新田真剣佑
ハリウッド実写版『聖闘士星矢』で主演に抜擢。
アメリカで生まれ育ち、高校卒業後に本格的に俳優活動をスタートさせた新田真剣佑。父親、千葉真一の影響で幼少期よりスポーツや音楽を嗜んでいて、アクション演技も得意。日本に活動拠点を移す前にアメリカでも俳優活動をしており、『パシフィック・リム:アップライジング』(2018)でハリウッドにメジャー・デビューしている。チャーミングで甘い顔立ちのせいか、漫画やアニメを原作とする作品にキャスティングされがちだが、二次元キャラをリアルに演じるのも才能! そんな真剣佑だから、ハリウッドが長年、実写化に挑んできた『聖闘士星矢』の主役、星矢に抜擢されたのも当然かも。ファムケ・ヤンセンやショーン・ビーンと共演した本作はすでに撮影は終わっていて、公開待機中。またNetflixが世界配信する実写版『ONE PIECE』では武士道精神を持つ賞金稼ぎゾロを演じることも決定。世界的に人気の漫画だけに、真剣佑のインターナショナルな知名度がアップしそう。
YU
台湾と日本から世界進出を見据える二刀流エンターテイナー。
2020年に台湾でデビューした日本と台湾のハーフで、日本語と中国語のバイリンガル。台湾の大学に進学し、在学中に芸能事務所の研修生となって、演技や音楽、ダンスを特訓。楊宇騰(ヤン・ウーテン)名義で台湾の人気BLドラマ『We Best Love』シリーズ(2021)で裕福な日本人実業家の御曹司ジョウ・シューイー役をゲットしただけでなく、主題歌も担当! ミュージシャン&役者としてアジア圏で人気急上昇。また2022年公開予定の歴史ファンタジー・アクション『尋泰記』では、ルイス・クーと共演している。サモ・ハン・キンポーがアクション監督として参加している話題作で、YUも華麗なアクション演技を披露しているはず。2021年にアミューズが逆輸入アーティストとして日本専属契約していて、二刀流エンターテイナーとしてNetflixなど世界配信を狙う予定。アミューズの先輩である金城武やDEAN FUJIOKAに続くのは間違いなさそう。