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Sang-hun Lee
ティアナ・トルストイ(Tiana Tolstoi)

7月10日(火)配信号「ELLE girl LINE MOOK」ファッションストーリー(スマホでここからLINEを立ち上げてチェック!)に登場したトップモデル、ティアナ・トルストイ。「クラランス」や「リーバイス」など名だたるブランドの顔を務める彼女は、セルビア出身の父と韓国出身の母のもとパリで生まれた生粋のパリジェンヌ。同時に自身のインスタグラムでファンとの交流を通じ、業界の実情を語る“もの言うモデル”のひとり。パリジェンヌならではの、歯に衣着せぬ本音で、バッサリとモデル業界を斬ってくれた。

ELLE どうやってモデルの世界に入ったの?

母の友人がモデルエージェンシーの面接を受けてみてはどうかと提案してくれたの。そのときすでに別のエージェントのスカウトを2度断ってた。だってモデルの仕事にまったく興味がなかったから。
でも「あとで後悔しないためにも、やったことがないことを一度は試してみるべき」と母に言われたので受けて合格したの。

ELLE  もし女の子が「あなたみたいになりたい!」と言ってきたら、なんて答える? やるべきこと/やってはいけないことは?

●「やるべきこと」=本当にモデルが自分自身の夢であることが確認すること。
他の誰かが望んだことではなく、自分自身が辿りつきたい目標なのかをまずは問いかけて。そうすれば実現するためにどんな努力もできるから。そうでないなら、絶対になってはダメ。

●「やってはいけないこと」=自分の希望じゃないのにモデルになること。
モデルの仕事は使い捨てなの。今、ブランドの多くは哀しいことにモデルを起用してはすぐに捨てる。繰り返し容姿を採点され、仕事をし、プレッシャーに耐えることは、若い女性にとってあまりに過酷。とくに最近では、モデルの寿命がどんどん短くなっているから。

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
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ELLE  ニコラス・ウィンディング・レフン監督が『ネオン・デーモン』でオーディションをすごく残酷な批評の場として描いていたけれど、キャスティング(ランウェイのオーディション)で容姿をけなされたことはある?

数えきれないほど! デブだの太りすぎだの言われることなんてしょっちゅうだし、ときには「アジア人っぽすぎる」なんて言われることも。同じくらい「君はアジア人っぽくないよ」って言われたわ。どうすればいいのよ(笑) 骨格を非難されたこともある。「骨格が大きすぎる……」ですって。


ELLE あなたのどこにそんなことを言われる要素があるのかわからないけれど。

多くの場合、面接する人たちはふさわしい人を見つけるのではなく、自分たちにとってふさわしくない人をそぎ落としていく、つまり排除することが目的だから。

ELLE モデル業界で改善してほしいことは?

人への敬意ね。それがあれば改善していくと思う。それから、モデルの個性の違いを受け入れるようになってもらいたい。ひとつの理想像にはめこんでモデルを揃えれば当然見栄えはいいけれど、それはもう変わってほしい。

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From ELLE girl Sang-hun Lee
ティアナ・トルストイ(Tiana Tolstoi)

ELLE 自分の能力に自信をもてない、自分自身を受け入れられない女性たちがたくさんいます。

女性たちはエンパワーされるべき。私は自分の仕事も好きだし、この仕事を通じて自分自身をよく知ることもできた。自分の身体も心地よいと思える。
でも同時に、私の自信を無くそうと画策する人もたくさんいたわ。社会は女性にとてつもない抑圧を仕掛けてることをそこで知ったの。
私が言える唯一最大のことは、自信を挫かれそうになっても「自分を愛してあげて」ということ。それ以上のことなんてない。自分に自信がある人こそが本当に美しいもの。どんな人の外見にも長所と短所がある。その人を、誰のどの視点で見るかによって美しさは変わってしまう。だったら自分が自分であることを受け入れなきゃ始まらないわ。

ELLE モデルの仕事をしていていちばん幸せな瞬間は?

初めての国に行けたとき。あと、とても優しくて、気持ちのいいスタッフと一緒に仕事ができたときね。

ELLE 大好きな格言は?

「自分の運命を愛せよ」

ELLE 大嫌いな格言は?

「美しくあるためには辛い思いをしろ(おしゃれはガマン)」。

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ELLE (バレエダンサーである)お母さんからいいアドバイスはあった?

「何事も白と黒には分けられない。すべてグレーなの。ときにはそのグレーがとっても白に近いときもあるし、とっても黒に近いこともある。
状況は関係ない。どんなに辛いことにもどこかに光明は差すし、逆にどんなに幸せな瞬間にも影は差すことを忘れず、つねに冷静で謙虚でありなさい。幸せも不幸も永遠には続かないのだから」

ELLE 近い将来の目標は?

幸せになること。v

なぜ容姿に恵まれているのはずのモデルがもっとも自尊心に欠ける職業と言われてきたのか……。受け入れるのではなく、排除することで作り上げてきた“美”の基準に原因があるとすれば、今後モデル業界はどの方向に進むべきか。起用する側であるファッション界がどう行動しているのか。モデル志望の若者たちは注視して目指したほうがよさそう。

7月10日(火)配信のELLEgirl LINE MOOKではティアナのファッションストーリーと動画をお届け(スマホからLINEアプリを起動してご覧ください)