動画シリーズ“FASHION HACKS”第一章は、衣替えシーズンに備えた「ファッションマニアのためのお洗濯講座」。水洗いクリーニング専門店「Licue」の永井良房さんを講師に「衣類が長持ちする」とファッション関係者の熱い視線を集める“水洗い洗濯”を自宅で実践! フェイクファー編に引き続き、今回は縮みが気になるニットの正しい洗い方をマスターしよう。
まず最初に水洗い可能かどうか、洗濯表示をチェック。その後、洗剤を少量つけたタオルでセーターを拭いてみて、染料が落ちないかをチェック。色が落ちないようなら、水洗いOK。
縮みの原因は、繊維のズレ。繊維どうしがこすれないように、ジャストサイズの洗濯ネットに入れて洗うのがポイント。
柔軟剤は入れすぎても、少なすぎても効果なし。生地を柔らかくし、静電気を抑える役割を果たす柔軟剤は、表示分量を通りに投入するのがベスト。
縮まないように水洗いしたら、最後は型崩れしないように乾かすのみ。風通しのよい日陰での平置きがベストだけれど、スペース的に難しい場合は、ハンガーを使って干す方法も。
近年「水洗い洗濯」が注目される理由
エコロジー意識が高いヨーロッパでは、何でもかんでもクリーニングに出すのではなく、自宅でのお湯洗いが主流。その理由は、ドライクリーニングで使用する有機溶剤には、光化学オキシダントや発がん性物質が含まれているから。また、廃液ヘドロは産業廃棄物となり、燃やすことで大気汚染や土壌汚染の原因に。さらに乾燥工程で重油やガス等の化石燃料を大量使用するなど、環境負荷が大きい点が社会問題になっている。汚れが落ちやすいお湯を使って家で洗濯をする文化が浸透しているヨーロッパでは、汚れの種類に合わせて実にさまざまな洗剤が普及。短絡的にドライクリーニングに出すのではなく、必要に応じて使い分けることが、今の時代に求められている洗濯観なのかも。
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■今回の講師
永井良房さん/石油系有機溶剤を一切使用しない、水洗いクリーニング専門のクリーニング店「Licue(リクエ)」の責任者。クリーニング業界約30年のベテランで、高知県に本山を構えるシミ抜きの流派「不入流(いらずりゅう)」に学ぶシミ抜きやテーラードプレスのプロフェッショナル。アパレルブランドや芸能界からの支持も厚く、全国各地でさまざまな講演を行う。
Video: Candee Motion Graphics: Hikari Sakurai