なぜ市長なのか? 都市は地球上の表面積の約2%しか占めていないにもかかわらず、世界のエネルギーの約78%を消費し、70%以上の温室効果ガス放出に関する責任があるという。メンバーはすぐに具体策に取り掛かり、この会議期間中に、世界の市長たちに対する温暖化対策への包括的ガイドを発表した。
そしてなぜ女性と温暖化が関係あるのか。例えば、交通という問題で考えたとき、性別と交通手段には密接な関係がある。都市の女性は男性に比べて公共交通機関をより頻繁に利用しているというデータがある。彼女らは、セクハラや暴力のリスクにさらされながら、ベビーカーや小さな子ども、ショッピングカートを背負い、1日に何度も移動している。ここでもし、地方政府がより多くの監視カメラの導入や法整備の強化を行えば、もっと多くの人が公共交通機関を利用するようになるかもしれない。このように現実の生活を変えるためには、ジェンダーの視点が必要だとわかる。
体力的な面もある。統計的に自然災害の生存率は男性より女性のほうが低いが、どれだけの人が地球を良くするために行動を起こしているだろうか? 女性は人口の約51%を占めているのにもかかわらず、地域コミュニティーの会議に参加している率では女性が約43%。このギャップが埋まっていき、女性のリーダーが増えることが、温暖化問題の解決の鍵なのだ。
「私たちはここにいます。世界を変えることを信じ、実現します」。アンヌ・イダルゴは強い口調でそう締めくくった。私たちの地球である限り、それぞれの都市が、地球を守るためのベストな発言力を持つべきなのだ。