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2020年の今では完全にアウト!? 実は設定に難アリだった名作ラブコメ映画11選
いつの時代も私たちをハッピーな気分にしてくれるラブコメディの映画&ドラマ。最近は動画配信サービスの充実もあって、昔の作品も気軽に観れるようになったけど、中には2020年だとありえない設定のものもちらほら。性差別的だったり、単純にストーリーラインが不気味だったりと、今だと疑問ありなラブコメ11作品をAU版『ELLE』が紹介。
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『クルーレス』(1995年)
今年は『クルーレス』が公開されてから25周年。同作品には時代を超えた参照価値やファッションがあるのは事実だけど、シェールとジョシュの関係だけは過去のままが良かったと言えそう。2人は両親が離婚するまで義理の兄妹の関係だったからというのはもちろん、彼らの恋愛は今日では違法だとされる可能性も。というのもジョシュは大学生で、彼が追いかけていたのは16歳の未成年の女の子だから。さらにシェールのパパはジョシュのことを息子だと思い続けていた、というのも気になる。シェールに向かって、映画の序盤で「離婚しても親子(ジョシュと自分)は親子だ」というセリフが……ゲッ。
『ウソツキは結婚のはじまり』(2011年)
ラブコメでおなじみのアダム・サンドラーが、“妻に浮気されて離婚した可哀相な男”のフリをして次々に女性たちをベッドに誘う主人公ダニエルを演じる『ウソツキは結婚のはじまり』。計画が成功して、若くて美しい女性パーマー(ブルックリン・デッカー)を誘惑した彼は、網の目のように張り巡らされた嘘の一部として、助手のキャサリン(ジェニファー・アニストン)に自分の別れた妻役を演じるよう依頼する。一緒になるために女性を騙して、人生のあらゆる場面で嘘をつき続けるというのも、ダニエルがキャサリンを恋愛対象として意識したのは彼女のビキニ姿を見てからというのも明らかに受け入れられない。
『25年目のキス』(1999年)
長く愛されるラブコメの古典で、ドリュー・バリモアの最良の作品の一つだとされているこちらの映画だけど、一つだけ“大きすぎる”問題が。それは、これが(成りすましていた、とはいえ)高校生と教師の禁断の愛の物語だということだ。US版『ELLE』のライター、エステル・タンは次のように指摘している。「『25年目のキス』の前提はかなり奇妙で、問題あり。たしかに、教師や教授に恋した経験があるナードな女の子(私も)にはたまらない設定かもしれないけど、一方の大人の教師がティーンエイジャーだと考えられる相手に、しかも自分の教え子に、恋心を抱くというのは単純におかしい。この映画は今だったら、絶対に製作されないはず」
アーメン。
『ベスト・フレンズ・ウェディング』(1997年)
間違いなく、この映画でジュリア・ロバーツが演じているのは完全なる悪役。それはこの予想外にダークなラブコメの見どころなのだけど、ジュリアン(ジュリア・ロバーツ)は、自分が親友に恋をしていると気づいて、彼に結婚してほしくない!と気づいた瞬間から、彼の婚約者キンバリー(キャメロン・ディアス)に総攻撃をしかける。そのやり口はすごく不愉快だし、視聴者はどの場面でもキンバリーに同情すること間違いなしだ。でも、一番気がかりな部分は別に。それはジュリアンのもう一人の親友でゲイのジョージ(ルパート・エヴェレット)の扱いだ。彼女は憂さ晴らしのためにしょっちゅうジョージを呼び出して、婚約者のフリをするように強要したり、彼の親切心につけ込みまくり。彼がその友情から得られるものはゼロ。ジョージのためにジャスティスを!
『チャックとラリー おかしな偽装結婚!?』(2007年)
どっから始めたら良い? この映画の問題点は男同士が結婚することはジョークというのを中心テーマに据えていること、だけではない。それに加えてアダム・サンドラーが扮する役柄が文字通り最悪のミソジニストだし、見るに堪えないシーンがこの映画にはいくつも登場する。中でも特にゾッとするシーンが、チャックとラリーが、病院で仕事中の女性医師に対してセクハラをするシーンで、その医師は不快のあまり部屋を出ていってしまう。さらに彼らは、自分たちの嘘のホモセクシュアルの関係を、女性たちを脱がせるために利用するわけだけど、それって単純に不快。この映画では贖罪的な感じで中途半端なダイバーシティと受容のメッセージを投げかけているけど、最初の10分間を見るのも本当に辛いので、そこに含まれるどんな善意も汲み取るのは難しいのでは?と思う。
『チェンジ・アップ/オレはどっちで、アイツもどっち!?』(2011年)
それぞれ全く異なる人生を歩んでいる親友同士を演じたジェイソン・ベイトマンとライアン・レイノルズ。デイヴ(ジェイソン・ベイトマン)は結婚して子持ちの男性で、仕事と家庭生活のストレスからメンタルの休暇を望んでいる。一方のミッチ(ライアン・レイノルズ)は売れない俳優で、家族の財産のおかげで豊かな生活をしながら、毎晩違う女性と遊んでいる。そしてある時2人は『フォーチュン・クッキー』的展開で、偶然お互いが入れ替わってしまう。プロットにはいろいろ可能性を感じさせるけど、この男性の友情コメディ映画にはイラッとする要素が散りばめられている。1つ目は、男性にとって妻と子どもは本質的に“重い”ために、そこから逃げる必要があるという当てこすり。2つ目は、デイヴの会社で弁護士の助手として働くオリヴィア・ワイルドの役へのあからさまなセクハラ。3つ目は、女性はセックストイと変わらないとでも言うようなミッチの女性に対する扱い。そして、最後は、繰り返し登場する「妻がガンで死んだらリスト」で、この女性のリストとは、妻がガンで亡くなった場合に、寝たい女性のリストだ。なんて魅力的なんでしょう(白目)。
『男と女の不都合な真実』(2009年)
この映画では、知的で成功した女性が愛を見つけるために、性差別主義者の無礼な男から一日中説教を受ける、というもの。2009年に映画がプレミア上映されたときにはこの映画は評論家から酷評されたが、その理由は分からなくはない。映画が投げかける全体的なメッセージは、男をゲットするためにはおバカで、卑屈で、魅力的なタイプじゃないといけない、というもの。3人の女性が脚本を担当したこの映画があらゆるレベルでどんなに問題だらけかを理解したいなら、英紙ガーディアンのこちらの才気あふれる映画評をぜひ読んでみて。
『ブライダル・ウォーズ』(2009年)
ハリウッドのD級映画における小さな一歩であり、女性たちにとっては大きな後退ともいえるこの作品。アン・ハサウェイとケイト・ハドソンは親友同士を演じており、ある日自分たちが同じ日に同じ場所で結婚式を挙げるつもりであることを知った途端、2人は不可解なまでにお互いに激しく対立するように。互いに仕掛ける意地悪な攻撃は見るに堪えないし、女性はいつも自分が先んじたいものだ、というステレオタイプが描かれているのはさらに駄目な感じ。
『近距離恋愛』(2008年)
パトリック・デンプシーとミシェル・モナハンが演じるトムとハンナは、プラトニックな関係を続ける大学時代からの親友。トムは女たらしで、ハンナの方は思慮に富む、知的な女性で明らかに彼より格上だ。当然のごとくハンナは素晴らしいスコットランド出身のコリンという男性と恋に落ちて幸せを見つけ、トムに自分たちの結婚式の“花嫁付添人”になることをお願いするが、トムはそこで急に自分がハンナに恋をしていて、彼女なしでは生きれないと気づく。トムの友人たちが彼に「花嫁を奪え」とけしかけたり、トムが普通は女性が担う花嫁付添人の役をしようとすることに対して、お前はゲイだとからかったり、不愉快な男の友情シーンはとりあえずスキップ。決定的なのは、コリンはほぼ完璧といえる男性で、すぐにハンナのすばらしさに気づいたのに、彼女は10年以上も自分を友だちカテゴリーに入れていたおバカのために、結婚式の真っ最中にコリンを振ってしまうということ。さすがにそれは無い……
『かぞくはじめました』(2010年)
キャサリン・ハイグルとジョシュ・デュアメルが演じる2人は、共通の友人のお膳立てでデートしようとするがすぐにお互いを軽蔑しあっていることを気づく。そして、その共通の友人が車で事故死するという予想だにしない、不幸なアクシデントによって、この敵対する2人は遺された友人の子どもを一緒に育てることになる。2人は子どもを育てるために同棲することになり、お互いに相応しくない相手ながら必然的に恋に落ちてしまう。以下はネタバレ注意。キャサリンの演じる主人公はハンサムで心優しい男性(しかもなんと彼は小児科医)に求婚されることになるが、デュアメル演じるわがままで幼稚な男のために、その相手を振ってしまう。現実なら、彼女と同じ立場の女性は決してそんな行動は取らないはず。