激動の2020年は、周りの環境や生活が大きく変わっていくと同時に、ファッションの選択も変わることとなった。おうち時間でスウェットやニットのセットアップを着る機会が増えたり、仕事服の相棒だったテーラードジャケットをクローゼットの奥にしまったり……。
そんななか、トレンドも時代に合わせて大きく変化。去年の夏にヘビロテしたタイダイ柄シャツやニットアップに別れを告げて、今年トレンドにランクインするアイテムを要チェック。1年が始まったばかりの今知っておきたい、2021春夏トレンドのINとOUT、そしてキープすべきSTAYアイテムを「エル」が勝手に大予想!
定番のローファーはエターナルに愛される逸品だけれど、そのローファーが少し進化してチャンキーなヒールが付くことで、瞬時に最旬モードに早変わり。チャンキーヒールは疲れにくいため、少しずつこれまでの生活に戻りつつある今こそ求められているアイテムのひとつ。ストリートを席巻する日もそう遠くないはず。
リモートワークが世の中に浸透し、パソコンを持ち歩くことが当たり前に。そこでパソコンやA4サイズの資料がすっぽり入るトートバッグの需要が急増! これからデイリーに使うものだから、便利性だけでなくデザイン性も妥協できないファッションラバーの間でのトートバッグ熱はまだまだ冷めなさそう。
これまでトレンドに浮上してきたジュエリーピース同様、パールもトレンドにカムバック。ここ最近は、パール=フォーマルというイメージを払拭させるモダンなデザインが豊富に登場。今年は身につけるだけでコーデの主役になるようなステートメントパールをゲットして。
アクティブウェアの需要増加と共に、ポロシャツもニットに姿を変えて登場した。ニットポロシャツはレトロかつプレッピー、そして堅実な印象に見えるところが魅力。さらに、汎用性もあり着心地も最高というだけあって、インフルエンサーたちが夢中になるのも頷ける。
ストリートスナップで頻出率がかなり高かったチェック柄の人気は、今年もすさまじい勢いで上昇。改めてスポットライトが当たったチェック柄は、アウターやジャケット、ボトムスと幅広いアイテムに取り入れられた。この勢いはしばらくは続くこと間違いなし。
おうちファッションをおしゃれに楽しみたいというファッション好きの間で浮上した「ath-flow(アスフロー)」という言葉をご存じだろうか。アスフローとは、家でゆったりするにも、仕事をするにも適したスタイルのことを指す。今シーズンは、上質な素材を使用したスウェットなどのスポーツウェアで大人なアスフロースタイルを楽しんで。
より仕事服に着心地や動きやすさを求められるようになったなか、オーバーサイズでルーズフィットなデニムはまさにぴったりなアイテム。床につきそうなほど長いヘムラインやローライズデザインといったゆるいシルエットのデニムが、世界中の“it”ガールの間で定番アイテムになりつつある。
スタイルにプリミティブな印象を与えるアニマル柄が今年のビッグトレンドにイン。そのなかでも、ファッショニスタたちはちょっぴり攻めた牛柄を取り入れたスタイルを謳歌中。モノクロの牛柄よりも、ニュートラルカラーの牛柄で柔らかな印象を作って。
今年のキーワードをひとつ挙げるなら、それは“コンフォート”。となると、外せないのがオーバーサイズシルエットのストライプシャツ。着こなし方によってはオフショルダーになったりと姿を変えるストライプシャツは、今年のワードローブのエッセンシャルアイテムに。
ビーチやプールでしか履かないイメージのビーチサンダルが、昨年プラットフォームやヒールに形を変えて市民権を獲得。「ザ ロウ」などの人気ブランドがビーチサンダルを打ち出してインスタグラマーたちがこぞって愛用していたのも記憶に新しい。しかし、今年はよりエレガントなスタイルが主流になり、カジュアル代表のビーチサンダルトレンドは縮小傾向に。
「ジャックムス」がAirPodsすら入らないほどのマイクロ・マイクロアバッグ“ミニ・ル・チキート”を2019秋冬コレクションで打ち出しSNSでバズったことがきっかけで、ファッション界にミニバッグブームが到来。けれど既に紹介したトートバッグが勢いを増し、ミニバッグブームが若干下火に。2021春夏コレクションでも多くのメゾンがマイクロバッグを発表し、ネックレスタイプやブレスレット、AirPodsやウォーターボトルケースなどデザインに変化を遂げつつ拡大を続けているので、マイクロミニバッグはブームというより、定番アイテムとして定着しそうな予感。
海外セレブもさまざまなスタイリングで愛用し、インスタグラムでも見ない日はないほど大人気だったゴールドチェーンネックレス。’90年代風の首もとを演出できるアイテムの役目もそろそろ終了。代わりに、肌に馴染むスキンジュエリーの人気がじわじわと浸透中。
外出自粛生活のなかで生まれたトレンド“コテージコア”の影響もあり、 ロマンチックなプレーリー柄のドレスやブラウスがトレンドに。けれど、世の中の変化と共にコテージコアの勢いも収まり、プレーリーアイテムもトレンドからはアウト。
去年は’70年代にピッピーたちの間で流行したタイダイ柄がトレンドにカムバック。コーデのアクセントにもなるタイダイ柄も、他のトレンドと同様に終わりを迎える時が来たよう。
少しずつ外出が許されるようになった今、自粛生活を支えてくれたスウェットパンツとはおさらば。これからは着心地もよく上質なボトムスやデニムが代わりとなりそう。ただおうちファッションを楽しむアイテムとしては持ってこいなので、処分するのはNG!
上記したように、 コンフォタブルなニットのセットアップ(=ニットアップ)は家のなかだけに限定して、外出にはよりラグジュアリーなアイテムを身につけるのが今のムード。
頭からつま先までワンカラーで揃えるスタイルはモード好きにはたまらない。けれど、長い間トレンドだったワントーンコーデもSNSのフィードから消えるときがやってきた。最近はプリントが好まれる傾向にあるので、カラーで遊びたいならプリントを取り入れてみては?
「メゾン マルジェラ」の“グラム スラム”や「ボッテガ・ヴェネタ」の“カセット”のおかげで、ファッションシーンにはキルティング旋風が巻き起こった。けれど、今年のトレンドはテクスチャーよりもパターンやプリントに寄っていることを考えると、キルティングアイテム人気は少し落ち着きそう。