自分の身体を愛するにはどうしたらいいの? リアルサイズモデル北原弥佳のボディイメージ相談室
「痩せなきゃという呪縛から逃れるにはどうしたらいい?」「太った自分を愛せない」など読者のお悩みに弥佳ちゃんがアンサー!
「太った自分を好きになれない」「他人に体型をからかわれて傷ついた」など、誰しもボディイメージに関して悩んだ経験があるはず。エル・ガールのインスタグラムに寄せられたお悩みに、リアルサイズモデルとしてボディポジティブな発信を行う北原弥佳ちゃんがアンサー。弥佳ちゃん自身のリアルな経験に基づいたアドバイスは、自分の身体を愛するヒントをくれるはず。
Q.細くない=可愛くないというイメージが頭から離れず、心も体も疲れます。痩せなきゃという呪縛から逃れるにはどうしたらいい?
他人の体型を揶揄する人からは距離を置いて
私も以前は痩せないといけないという呪縛に縛られて生きていました。太っている私は幸せになれないし、メイクやおしゃれをしてはいけない。上手くいかないのは全て体型のせいだと思っていたこともありました。そこから脱出するには環境を変えることが重要だと気づいたのは上京したことがきっかけです。田舎の学校の狭いコミュニティでは容姿批判は当たり前の環境だったので、私は体型を隠したり委縮して生きていました。でも上京して多国籍な友達との出会い、ありのままを愛することの重要性を知ったんです。なので人の体型の悪口をいう人から離れることもすごく大切です。
SNSやメディアの情報は取捨選択を
あとは、私たちの生活に深く根付いているSNSやメディアの情報をきちんと取捨選択することが重要だと思います。例えば、インスタグラムでダイエット情報を発信するアカウントをフォローしていると、太っている=モテない、可愛くないと言う思想をより強く感じてしまいます。でも本当はそんなことはありません。太っていてもどんな姿でも美しい人は美しいし、幸せな人もいる。これは事実です。決してダイエット系情報のアカウントが悪いとは言いませんが、私もかなり心がすり減っていました。だから今は、痩せることを推奨するような記事はあまり見ない、見ても鵜呑みにしないようにしています。また、太っていることは悪いとみなされることもありますが、「健康を害することや人を傷つけるようなことがなければ、どんな体型であるかは自由だ!そのままでいい!」という考えを心のどこかに置いてみてください。辛い時にあなたを守ってくれるはず。
Q.家族や友達から体型について不快なことを言われたとき、どう消化していますか?
体型批判は自分の中で無理に消化しなくてもいい。嫌だったら「NO」と伝えることが大事
正直、私も家族や親族、友達からの体型批判は消化できないです。でも「他人の体型に対して口出しすることは失礼なことだ」ときちんと言うようにしたら、太った?などと言われることが減りました。勇気が必要でしたが、とても大きな一歩になりました。だから、自分の中で無理に消化せず、でも自分の意思はしっかり伝える。そして傷ついた心をケアすることが大切だと思います。「悲しかったよね」と自分自身に寄り添ってあげるだけで楽になると思います。
あなたを否定する人のために、人生を棒に振らないで
また体型だけでなく、あらゆることに関して批判したり不快なことを言ってくる人はいます。でもその人はあなたの人生の責任をとってくれる訳ではありません。例えば、あなたに痩せた方がいいと言ってくる人がいたとします。それを受けてあなたが過度なダイエットを行い、体調を崩してしまったとしても、発言をした人はそんなの気にしないかもしれません。自分の価値観を他人に押し付けたいだけの人もいるんです。あなたをむやみに否定してくる人のために、人生を棒に振らないで。自分を大切にしてあげてください。
Q.リアルサイズを受け入れようとしても、自分の着たい服が細い子用に作られていると似合わなくて落ち込みます。
どんな体型でも似合うファッションは必ずある。トライ&エラーで自分だけのスタイルを見つけて
私も似た思いをしたことがあります。日本のブランドのショップに行っても基本服が入らず試着室ではいつも惨めな思いをしていました。醜いな……と感じて、本当に毎回ショックでした。でもそこでファッションを諦めたくないと思った私は、違うテイストやシルエットの服に沢山チャレンジ。そして自分に合う形の服が他にもちゃんとあることに気付いたんです。流行を追いかけなくても似合う服はあって、自分の好きな服を着ていれば自然と楽しく姿勢が伸びて素敵に見えます。なのでとにかく、この形!この服!と決めないでいろんなファッションに挑戦してみてください。私もトライした結果、日本の女の子がよく着ているガーリーな服より海外のグラマラスな服が似合うと気づきました。私に似合うのはこれだけだと決めず、時間をかけてたくさん失敗して、自分に合う服を見つけるのが得策かなと思います。
Q.みかさん含めリアルサイズモデルさんはとてもおしゃれに見えます。なぜそんなに服を素敵に着こなせるんですか?
堂々と胸を張って着こなせば、どんなファッションもおしゃれに見える
意識しているのは、姿勢を良くして堂々と胸を張ること。姿勢が良いとどんなお洋服でも素敵に見えることがあります。服は身体で着ずに、心で着るのが私のポリシー。街を歩く時、どうしても綺麗な人と比べてネガティブになってしまって、以前は下を向いて猫背になることが多かったです。その時に鏡に映った自分は全然素敵じゃなくて。同じ服でも堂々としているだけで、格段に素敵に見えます。だから本当に大切なのは、他人から見て自分はどうなのかではなく、自分がどういう姿でいたいか。それをイメージして出来るだけポジティブに服を纏うようにしています。
海外では多様なボディタイプのモデルが活躍中。自分に近い体型のモデルをファッションの参考に
そして、私は海外のプラスサイズモデルをよくファッションのお手本にしています。日本のファッションモデルは痩せている方がほとんどで、自分の体型とかけ離れているのであまり参考にならなくて。それに気づかず日本の流行を追いかけて失敗した事も多々あります。最近は海外のプラスサイズ、カーヴィーボディのモデルが着用しているのを見て、いいなと感じる服を買うようにしています。ちなみに買い物はZARAや海外通販のSHEINを利用することが多いかな。SHEINはプラスサイズの洋服が多いし、着用モデルのサイズ表が記載してあるので、自分に合うサイズを見つけることができます! ただ、あまり服を無駄にしたくないので買いすぎには注意しています。
Q.服薬の影響で20キロ以上太り、自分の姿を愛せません。どうしたら自分を愛することができますか。
体型の変化が気になってしまうのは、自分自身をよく見て大切にしているからこそ
無理に自分のすべてを愛そうとしなくてもいいと思います。おそらく、そのお悩みは自分を大切にしているからこそ出てきたもの。ちゃんと自分を見てあげているし、想っている。それを事実として受け入れてください♡ あとは、太っているのは醜いとする社会全体の思想を受け入れるべきなのかどうか、ちゃんと考えて選択することが大切です。自分の心と体の健康に必要ないなと思った情報は切り捨てていいんです。私も、SNSでダイエット情報を発信するアカウントの代わりにプラスサイズモデルのアカウントをフォローするようになって、見える世界が変わりました。
Q.むくんだり体型が変化したとき、どんなことを思いますか? 生理前の身体の変化で凹んでしまいます。
身体のむくみは自然なこと。ネガティブな感情にのまれないで、今自分にできることを考えてみて
生理前の身体の変化は凹みますよね。でもその変化は身体にとって必要なことでもあるので、「身体が私を守ろうとしてくれてむくんでる。ありがたいな」と感謝の気持ちを持つようになりました。とはいっても、撮影前はむくみ対策も行います。むくみは自然なことだと受け入れること、そしてネガティブな感情にのまれないで、今自分にできることを考える! これが自分磨きにも繋がるかと思います。「むくんでるのにこんなに頑張ってる自分偉い」と自分を肯定するのも忘れずに。
Q.ありのままの体型で良いと思う反面、痩せた方が綺麗に服が着れるかなと、矛盾した感情になってしまい、下っ腹が出ていると不快な気持ちになってしまいます。
自分の体型を愛せない時もある。そんな心の揺らぎも受け入れることが、ボディポジティブ
心が揺れ動かない人はいません。私も座った時にお腹を自然と隠してしまう時もあれば、全く気にしない時もあったり……。でもそれが自然で、人間らしいんじゃないかなと思います。完璧に自分を好きになれなくてもいい! 不完全な自分を受け入れることができたら、それがボディポジティブじゃないかなと思います。人と違っていても、自分自身でいることを諦めないで♡
Q.「本当にこれが自分の理想の体型?」と悩むことはありますか?
理想は移り変わっていくもの。ネガティブに考えすぎず、その時々の自分の理想の姿を追いかける
あります! でもネガティブにはあまりなりません。理想は変わっていくものだからこそ見失いがちになります。その時々にちゃんと立ち止まって、ノートとペンを用意して理想の自分をイメージしてアウトプット大会をします。そうしてるうちに、また新たに理想の体型や方向性などが見えてくるので、それに従って行動します。とはいえ、「自分の今の姿が、本当になりたい姿なのか?」という悩みは私にも高頻度で訪れます。考えすぎると疲れちゃうので、最近は理想の姿に縛られずとも私が私でいられればいいなとも感じています。
Q.自分の体型を嫌いではないけど、人と比べてしまうことがあります。みかちゃんはそういうことある?
人と比べてしまうことは誰にだってある。でも「私には私にしかない美しさがある」ということを忘れないで
もちろんあります! 私はちょっと特殊で、肉付きがいい人と自分を比べて、私は全然痩せてる……と悲しくなることが多々あります。「もっと太らないと私の価値が無くなる」と思ってしまうことも。実際、太るために無理して食事の量を増やし、お腹を壊したこともありました。結局痩せていても太っていても、人と比べてしまうのは人間の本能なのかもしれません。でも、心の中に「私には私にしかない美しさがある」と言うブレない軸を持っておくと、自分を愛せるはず。人と比べてしまったり、迷うことがあってもいい。人と違っていたとしても、あなたは素敵♡ それを忘れないで。