コロナ禍で緊急事態宣言が再延長し、東京や大阪などの1カ月以上休館となっていた美術館や博物館が再開した。会期途中だった注目の展覧会も再開し、東京国立博物館の「国宝 鳥獣戯画のすべて」は会期を延長、京都市京セラ美術館の「古代エジプト展 天地創造の神話」は混雑緩和のため会期中無休で開館するなどしている。また感染対策として、開館時間を短縮したり、事前予約制を新たに導入したりする施設も。会期が迫っているところも多いけれど、まだ間に合う展覧会をここにご紹介!
※新型コロナウイルス感染拡大防止対策のため、営業時間や内容が変更になる場合があります。最新情報をご確認のうえ、ご来館ください。
フジタ―色彩への旅
箱根のポーラ美術館では、レオナール・フジタ(藤田嗣治、1886-1968)の生涯の旅路と画業の展開を紹介する展覧会を楽しめる。
1920年代にパリの女性をモデルに「乳白色の肌」を完成させ、パリ画壇の寵児となったフジタは、1930年代以降、パリを離れて南北アメリカ大陸や中国大陸、東南アジア、日本などで旅を続け、旅先で目にした風景や人物、異国の歴史や風俗などに創作のインスピレーションを求めた。
1949年にニューヨークに渡るまでは、旅先こそがフジタのアトリエだった。旅と色彩に焦点をあてて厳選されたフジタの作品を見られる、またとないチャンス。
会期:~2021年9月5日(日)
会場:ポーラ美術館
住所:神奈川県箱根町仙石原小塚山 1285
時間:9:00~17:00(入館は閉館30分前まで)
休館日:会期中無休
※会期中に展示替えあり
観覧料:一般¥1,800、高校・大学生¥1,600、中学生以下無料
問い合わせ先/ポーラ美術館 tel.0460-84-2111
ライデン国立古代博物館所蔵 古代エジプト展 美しき棺(ひつぎ)のメッセージ
世界で最も古い国立博物館の一つであるオランダのライデン国立古代博物館の所蔵する、エジプト・コレクション約25,000点から選び抜かれた200点以上がこの度、渋谷に集結!
同館の所蔵品の中から人や動物のミイラ、棺、石碑、パピルスなど選りすぐりの作品・遺物を展示し、古代エジプト人の生活や社会、死生観といった様々な文明の側面を紹介する。特に12点のミイラの棺が美しく立ち並ぶ姿は圧巻。
会期:〜2021年6月27日(日)
会場: Bunkamura ザ・ミュージアム
住所:東京都渋谷区道玄坂2-24-1
時間:10:00〜20:00(入館は閉館30分前まで)
休館日:会期中無休
観覧料:一般¥1,800、 大学・高校生¥1,100、中学・小学生 ¥800
※入場にはオンラインによる事前日時予約が必要
問い合わせ先/tel. 050-5541-8600(ハローダイヤル)
夢二デザイン1910-1930 -千代紙から銀座千疋屋の図案まで-
約100年前の日本で“可愛い”というキャッチコピーを使用し、自らデザインしたグッズを売り出した画家・竹久夢二(1884-1934)。センチメンタルな画風で知られ、大正ロマンを象徴する存在として広く知られる夢二が、1910年から1930年の間に手掛けた千代紙や雑誌表紙、ポスターなどを紹介する展覧会が竹久夢二美術館で開かれている。伝統と近代、和と洋の美術様式を交差させて、暮らしに身近な日用品から商業図案まで、洗練されたデザインの魅力に触れてみて。
会期:〜2021年6月27日(日)
会場:竹久夢二美術館
住所:東京都文京区弥生2-4-2
時間:10:30〜16:30(入館は閉館30分前まで)
休館日:月曜日、火曜日
観覧料:一般¥1,000、高校・大学生¥900
※オンラインによる事前予約(日時指定)が必要
問い合わせ先/竹久夢二美術館 tel.03-5689-0462
特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」
鳥獣戯画ファン待望の特別展がやってきた! 東京国立博物館では、文字通り鳥獣戯画のすべてを堪能できる特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」が開催中。京都の高山寺所蔵の国宝・鳥獣戯画は、擬人化した動物たちや人びとの営みを墨一色で躍動的に描いた作品。今回の特別展では、よく知られているウサギやカエル、サルが登場する甲の巻のほか、乙・丙・丁全4巻の全場面を、展覧会史上初めて通期で一挙に公開。加えて、かつて4巻から分かれた断簡や、原本ではすでに失われた場面を留める模本の数々も集結。甲の巻は動く歩道で観覧する仕掛けも。
会期:〜2021年6月20日(日)
会場:東京国立博物館 平成館
住所:東京都台東区上野公園13-9
時間:8:30〜20:00(入館は閉館1時間前まで)
休館日:なし
※ただし、6月14日(月)8:30~13:00は閉館
※総合文化展は月曜日休館。
観覧料:一般¥2,000、 大学生¥1,200
※事前に「日時指定券」の予約が必要
問い合わせ先/tel. 050-5541-8600(ハローダイヤル)
チームラボ & TikTok, チームラボリコネクト:アートとサウナ
アートを鑑賞する場は美術館だけじゃない! これまで国内外で体験型の展覧会を開催してきたアート集団「チームラボ」による、アートとサウナを掛け合わせた全く新しい形の体験型展覧会が、半年間限定で東京・けやき坂下にお目見え。
超温冷交代浴(サウナ・冷水・休憩を繰り返すこと)によってもたらされる、脳科学的にも非常に特殊で、感覚が鋭くなると言われる“ととのう”という状態で、美しいアート作品の数々を鑑賞。サウナに入り、ととのい、アートを体験し、さらなる深みへと入っていく感覚をぜひ感じてみて。
会期:〜2021年8月31日(火)
会場:チームラボリコネクト
住所:東京都港区六本木5丁目10-25
時間:10:00〜23:00(最終入館は21:30)
※新型コロナウイルスの感染状況などにより、変動の可能性あり
※期間中、女性客のみが入場可能なレディースデーの開催を予定
休館日:不定休、7月6日(火)~7月8日(木)
入場料:平日¥4,800、土日祝¥5,800
アナザーエナジー展:挑戦しつづける力―世界の女性アーティスト16人
森美術館では、世界各地で挑戦を続ける70代以上の女性アーティスト16名の作品を展示する「アナザーエナジー展」が再開。全員の年齢が71歳から105歳で、50年以上のキャリアを積んでいる。その出身地は日本を含め世界14カ国におよび、現在の活動拠点も多岐にわたる。
それぞれが置かれた環境や時代の変化のなか自らの信念を貫き、美術館やアートマーケットの評価にとらわれることなく独自の創作活動を続ける姿が、私たちに挑戦する新しい力を与えてくれる。
会期:〜2021年9月26日(日)
会場:森美術館
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階
時間:10:00-20:00、火曜日は10:00~17:00(入館は閉館 30 分前まで)
※当面、時間を短縮して営業
休館日:会期中無休
観覧料:平日一般¥2,000(¥1,800)、 高校・大学生¥1,300(¥1,200)、土日祝一般¥2,200(¥2,000)、高校・大学生¥1,400(¥1,300)
※()内はオンラインチケット料金
問い合わせ先/tel. 050-5541-8600(ハローダイヤル)
国立ベルリン・エジプト博物館所蔵 古代エジプト展 天地創造の神話
ヨーロッパ最大級の規模と質の高さで知られるベルリン国立博物館群。その世界有数のエジプト・コレクションを「天地創造の神話」をテーマとして紹介する展覧会が京都市京セラ美術館で開会中。
約130点の名品を展示し、知られざる古代エジプトの神話の世界を、アニメーションも駆使しながら貴重な出土品とともに解き明かしてくれる。長さ4メートルを超える「タレメチュエンバステトの『死者の書』」や装飾が美しい「タイレトカプの人型木棺(外棺)」など100点以上は日本初公開!
会期:〜2021年6月27日(日)
会場:京都市京セラ美術館本館
住所:京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124
時間:10:00〜18:00(展示室への入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜日
観覧料:一般¥2,000、高校・大学生¥1,500、小学・中学生¥900
※美術館公式HPでの事前予約優先
イサム・ノグチ 発見の道
20世紀を代表する彫刻家イサム・ノグチ(1904〜1988年)にまつわる展覧会が東京都美術館で楽しめる。提灯にヒントを得て、30年以上にわたって取り組み続けられた光の彫刻「あかり」を150灯も用いたインスタレーションや、折り紙などからインスピレーションを得た金属彫刻のシリーズと遊具彫刻を合わせて展示するなど、3つのフロアそれぞれで特色ある体感型展示を味わえる。一つの素材や様式にとどまることなく、貪欲に「彫刻とは何か」を追求したノグチの前人未到といえる創造の軌跡を辿る。
会期:〜2021年8月29日(日)
会場:東京都美術館 企画展示室
住所:東京都台東区上野公園8-36
時間:9:30~17:30(入室は閉室30分前まで)
休室日:月曜日
※7月26日(月)、8月2日(月)、8月9日(月)は開室
観覧料:一般¥1,900、 大学生¥1,300
※日時指定予約を推奨
問い合わせ先/tel. 050-5541-8600(ハローダイヤル)
ピピロッティ・リスト:Your Eye Is My Island -あなたの眼はわたしの島-
スイスを拠点に国際的に活躍する現代アーティスト、ピピロッティ・リスト(1962—)。五感を刺激する心地よい音楽と、鮮やかに彩られた世界をユーモアたっぷりに切り取った映像によるヴィデオ・インスタレーションで、国を越えて幅広い世代の観客を魅了する。
身体、女性、自然、エコロジーをテーマとした作品およそ40点で構成され、ベッドでくつろぐ、食卓を囲むといった遊び心あふれる没入型の映像体験を通して、現代社会における切実なテーマを鑑賞者の身体とともに少しずつ解きほぐしてくれる。
会期:〜2021年6月13日(日)
会場:京都国立近代美術館
住所:京都市左京区岡崎円勝町
時間:9:30〜18:00、金曜日・土曜日は9:30~20:00(入館は閉館30分前まで)、6月20日(日)は9:30~17:00
休館日:月曜日
観覧料:一般¥1,200、 大学生¥500
※前売り、金曜日、土曜日の17:00以降は一般¥1,000、大学生¥400
問い合わせ先/京都国立近代美術館 tel.075-761-4111
グランマ・モーゼス展―素敵な100年人生
モーゼスおばあさん(グランマ・モーゼス)の愛称で親しまれ、アメリカ人なら誰もが知る国民的画家、アンナ・メアリー・ロバートソン・モーゼス(1860-1961)。無名の農婦から、70代で本格的に絵を描き始め、80歳の時ニューヨークで初個展を開催。国内で開催される回顧展としては16年ぶりの展覧会では、初期の作品から100歳で描いた絶筆、また愛用品ほか関連資料まで、日本初来日を含む約130点を展示。自然や素朴な暮らしを愛し、たくましく誠実に、素敵な100年を生きたモーゼスおばあさんの世界をご覧あれ。
会期:〜2021年6月27日(日)
会場:あべのハルカス美術館
住所:大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16階
時間:10:00〜20:00、月曜日は10:00~18:00(入館は閉館30分前まで)
休館日:土曜日、日曜日
※6月20日までは緊急事態宣言を伴う要請を受けて週末休館
観覧料:一般¥1,500、 高校・大学生¥1,100
問い合わせ先/あべのハルカス美術館 tel.06-4399-9050
聖徳太子1400年遠忌記念 特別展「聖徳太子と法隆寺」
聖徳太子の1400年遠忌にあたる2021年を記念して、特別展「聖徳太子と法隆寺」が奈良国立博物館で開かれている。聖徳太子によって創建されたと伝えられる法隆寺において護り伝えられてきた寺宝を中心に、太子の肖像や遺品と伝わる宝物、また飛鳥時代以来の貴重な文化財を通じて、太子その人と太子信仰の世界に迫る。今を生きる私たちが悠久の歴史に思いをはせ、聖徳太子に心を寄せることで、この先の未来についても考えさせられる。
会期:〜2021年6月20日(日)
会場:奈良国立博物館 東・西新館(奈良公園内)
住所:奈良県奈良市登大路50
時間:9:30〜17:00、土曜日は9:30~19:00(入館は閉館30分前まで)
休館日:月曜日
観覧料:一般¥2,000(¥1,800)、 高校・大学生¥1,400(¥1,200)
※()内は前売日時指定券料金
※予約不要の「当日券」は若干数用意、前売日時指定券持参者を優先
問い合わせ先/tel.050-5542-8600(ハローダイヤル)
ファッション イン ジャパン 1945-2020 ─流行と社会
1970年代以降、世界的に高い評価を得てきた日本人ファッション・デザイナーたち。これまでまとまって紹介されることのなかった、洋服を基本とした日本ファッションの黎明期から最先端の動向を、社会的背景とともに紐解く展覧会が国立新美術館で開催中。戦中戦後のもんぺや国民服から、グローバルに活躍した森英恵ら日本人デザイナーの作品、そしてカワイイ(Kawaii)文化、サステナブルな近未来まで、日本のファッションを包括的に紹介。
会期:〜2021年9月6日(月)
会場: 国立新美術館 企画展示室1E
住所:東京都港区六本木7-22-2
時間:10:00〜18:00、金曜日・土曜日は10:00~20:00(入場は閉館 30 分前まで)
休館日:火曜日
観覧料:一般¥1,700、 大学生¥1,200
※オンラインによる事前予約制
問い合わせ先/tel.03-5777-8600(ハローダイヤル)
サントリー美術館 開館60周年記念展 「ミネアポリス美術館 日本絵画の名品」
アメリカ中西部ミネソタ州最大の都市ミネアポリスに設立されたミネアポリス美術館は、世界各地の約9万点を超える美術作品を所蔵。そのうち日本絵画のコレクションは、約2500点の浮世絵をはじめ、質・量ともに国際的にも高い評価を得ている。この展覧会では、日本絵画コレクションの中から中世から近代にいたる日本絵画の変遷を選りすぐって紹介。葛飾北斎や歌川広重らの浮世絵をはじめ、伊藤若冲や鈴木春信ら人気画家の作品をじっくりと味わえる。
会期:〜2021年6月27日(日)
会場:サントリー美術館
住所:東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階
時間:10:00〜18:00、金曜日・土曜日は10:00~20:00(入館は閉館 30 分前まで)
休館日:火曜日
※6月22日(火)は18:00まで開館
観覧料:一般¥1,500、 高校・大学生¥1,000
問い合わせ先/サントリー美術館 tel.03-3479-8600