美容からひもとく、ジェーン・バーキンが今も愛される理由

アラン・ドロンと共演、白いTシャツにウィッカーバスケット、セクシーな歌声、そしてセルジュ・ゲンズブールとのロマンス。これらの要素すべてがジェーン・バーキンという存在を形成しているけど、もうひとつ忘れてはならないのは、彼女の美容に対するエスプリだ。

タイムレスな美しさを作る要素を知っていた彼女のヘア＆メイクのポリシーは次の通り。

コケティッシュでいたずらっぽい表情のジェーンは、美しいブルネットヘアがアイコンスタイル。

もうひとつ、このヘアカラーはジェンダーレスな彼女のシルエットや骨格にマッチする。実際、ブリジット・バルドーと比べるとよりヒッピーシックな彼女の顔立ちに憧れて感化される人はとても多かった。

ジェンダーレスが時代のトレンドとなっている今、ジェーンのスタイルは改めて注目を集めている。シンプルで自由、でも小悪魔のようなェミニンなスタイルは、独創的だけどリラックスを好む今のムードにマッチする。

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何よりもアイメイクが重視された60年代。この時代特有のベビードールなアイメイクは、トップモデルのツイギーによって牽引された。

ジェーンもまた、ブルーの澄んだ瞳を強調すべくこのアイメイクを採用。ポイントは、一本ずつセパレートしたかのような上まつ毛と、下まつ毛にもマスカラをふわっと塗って誇張すること。そこに黒いアイライナーを引くことで美しい二重に力強さを加えている。

ツイギーとは異なり控えめなジェーンは、日によってマスカラとアイライナーの加減を調整。瞳に込められた強さと同時に、女性らしい柔らかさも手に入れることに成功している。

彼女の圧倒的な存在感は色素の薄い乳白色の肌と、それを覆う柔らかな質感の髪によって作られている。

ジェーンと同じ時代を生きたカトリーヌ・ドヌーヴにブリジット・バルドー、ロミー・シュナイダーのように、完璧にカール＆ブラッシングされたスタイルではなく、自由で飼いならされていない緩い髪質であることが特徴。

一方で、前髪は常にまっすぐ。クセを生かす場合もあるけど、スタイリングレスで厚みのある印象。時折見せていたハイシニヨンの場合は、顔まわりのヘアをルーズに施し、セクシーな印象をメイク。少女のようなあどけなさが残る、つかみどころのない美しさがジェーンならではの魅力といえそう。

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ジェーンは自分が挑戦したいと思うことは、なんでも自由に取り入れるという考えの持ち主。財布よりもバスケットを持つことを好むなら躊躇なくそうしたし、それが60年代のエスプリを作り上げたといっても過言ではない。今日では女性たちが再び、彼女の考え方をこぞって取り入れようとしている。

ラフな髪質によって作られるヘアスタイル、控えめだけどどこか力強いまつ毛。そしてとびきりの笑顔を心がければ、ジェーンならぬ、あなただけのビューティルックがきっと完成するはず。

Translation & Text : Nathalie Lima KONISHI