流産の辛い経験について告白したセレブ14人
全妊娠の15%に起こるとされる流産。妊娠した誰にでも起こりうるこの辛い経験のなかで私たちが共に支え合えるよう、メーガン妃からホールジー、ビヨンセ、ミシェル・オバマまで、自らの流産についてオープンに語ってくれたセレブ14人をご紹介。
ホールジー
先月末に念願の第1子妊娠を発表した歌手のホールジー。子どもの父親はボーイフレンドで脚本家のアレヴ・エイディンだ。幸せいっぱいの彼女だが、これまでの道のりは決して平坦なものではなかった。
ホールジーはこれまで子宮内膜症によって複数回の流産を経験。そのなかには、ライブ中に起きたものもあったという。彼女はその苦しみと、自らの取り組みを以前ツイッターでシェアしている(投稿は現在削除済み)。
「私は子宮内膜症。3回流産して、4回手術をしたわ。自分の人生、毎日が痛みに苦しんでいて。だから、30万ドルを研究と支援のために集めて寄付した。私は変人とか、他と違う人になりたい、とかじゃないの。あまり語られないこの病気が普通にあることを知ってもらいたいの」
現在妊娠3カ月を越えていると見られ、お腹もふっくら大きくなっている彼女。ベビーの誕生が今から心待ちだ。
メーガン妃
2018年5月にヘンリー王子との間に第1子アーチーを授かっているメーガン妃は、昨年11月、米紙ニューヨーク・タイムズにエッセイを寄稿。その中で7月に第2子を流産していたことを明らかにした。
「子どもを失うことは耐えきれないほどの悲しみで、多くの人が経験していますが、それについて語られることは殆どありません。喪失の痛みの中、私と夫は100人の女性のうち10人から20人の女性が流産を経験していることを知りました」「一部の人が勇気を持ってその経験談を語ってきました。彼女たちは誰かが真実を話せば、それによって私たち全員がそうする許可が与えられる、ということを分かってその扉を開けてくれたのです」
クリッシー・テイゲン
ジョン・レジェンドの妻でモデルや料理本の出版で活躍するクリッシー・テイゲンは自然妊娠で授かった第3子を妊娠中だった昨年10月、不正出血が続いて入院。輸血などの処置を続けたものの改善せず、このままでは母体も危うくなるという医師の判断により息子ジャックを死産している。
クリッシーはその経験について自身のインスタグラムで以下のように綴っている。
「私たちはショックを受けており、聞いたことがあるだけで、経験したことのなかった深い悲しみのなかにいます。出血を止めることができず、輸血を何回も繰り返しましたが赤ん坊に必要な体液をあげることができませんでした。(中略)私たちのジャックへ。あなたの人生が始まってすぐの間に沢山の大変なことに遭わせてしまってごめんなさい。あなたが生きるために必要な家を与えてあげられず、ごめんなさい。私たちはいつもあなたを愛しています」
ホイットニー・ポート
「The Hills」のホイットニー・ポートは今年初めにインスタグラムの投稿で最近流産を経験したことをファンに明らかにした。
「数カ月前から私たちはYouTubeのチャンネルで動画ブログを始めました。一つは新しい家のリノベーションで、もう一つは妊娠の足跡でした。悲しいことに、私は流産してしまいました。ティミーと私は自分たちがこのことを公開したいのかどうか迷いました。自分がその痛みを追体験したいかどうか分かりませんでした。しかし、今回はこの状況について違った感情を持ちました。前回(流産した時)は、すぐに新しく子どもが欲しいという気持ちにはならず、流産について異なった気持ちを抱いていました。今回は気持ちがしっかりしていましたし、実際に妊娠を楽しんでいました。そして全てを思い描いていました。今は悲しいけど大丈夫です。また頑張ろうと思います。(中略)同じことを経験する、あるいは経験したことのある人たちのことを思うと心が痛みます。ですが、私たちのコミュニティはこれを共有し、団結して支えてくれます」
彼女がSNSで流産の経験をシェアするのはこれが2度目。ホイットニーは夫でTVプロデューサーのティム・ローゼンマンとの間に2017年に息子サニーを授かっているが、2019年にも流産を経験したことを告白している。
アラニス・モリセット
シンガー・ソングライターのアラニス・モリセットは2019年6月、オンラインマガジン「SELF」のインタビューで3人の子どもたち、エヴァー、オニキス、ウィンターを授かる過程で、何度も流産を経験したと明らかにしている。
「私はいつも子どもは3人欲しいと思っていたけど、挑戦と流産を何度か経験していたから、それが可能だとは思わなかった」
アラニスはそれがどんなに「悲しく恐怖を感じる」ものだったか告白。「そのプロセスを通して自分の体や、生化学、免疫学、婦人科学について多くのことを学んだわ。それは拷問のような学習と喪失と忍耐のプロセスだった」と振り返った。
キャリー・アンダーウッド
カントリー歌手でマイク・フィッシャーの妻であるキャリー・アンダーウッドは、2015年に第1子出産後、2019年に次の子どもを授かるまでに2年間で3度に渡って流産を繰り返したことを明らかにしている。
ニュース番組「CBSサンデーモーニング」に出演したキャリーは、「2017年初めに妊娠しましたが、うまくいきませんでした」と語り、2017年にさらにもう1回流産をし、2018年にも3度目の流産を経験したことを告白。「『どうしたの?これは何なの?』って気持ちだった」と当時の正直な気持ちを吐露した。
ヒラリア・ボールドウィン
俳優アレック・ボールドウィンとの間に短期間に5人の子どもをもうけているヒラリアだが、彼女は2019年4月に自身のインスタグラムで、当時妊娠していた子どもの流産についてファンに打ち明けている。
「私は自分の家族のことや、トレーニング、妊娠についていつもオープンにしてきた。だから、このことも、他の話題みたいにポジティブで輝かしいことじゃないからっていう理由で隠しておきたくはないの」とヒラリア。「私は、流産が普通のことだと知られるようになる一助になりたいし、社会的に不名誉だということを取り除きたいわ」と思いを綴った。
ヒラリアは同年11月にも再び流産を経験したが、その後2020年9月に第5子エドゥアルドが無事誕生している。
ビヨンセ
歌姫ビヨンセは2013年のオプラ・ウィンフリーのインタビューで2012年にブルー・アイビーを出産するより以前に流産を経験していたことを告白。「これを経験するカップルは多いわ。そして、これは私にとってすごく大きなことだった」と語った。「2回目の妊娠のときに、すぐに公表しなかったのはこれが理由でもある。だって、何が起こるか分からないから」
また、2019年12月のUS版『ELLE』のインタビューでは、ビヨンセは流産が自分の“成功”に対する見方を変えてくれた、と打ち明けた。
「自分でも必要だと知らなかった教訓を人生が私に教えようとしたとき、その深い意味を探るようになった。今では成功について異なった考えを持っている」「全ての痛みや喪失は、実際のところ、人生の贈り物なの。流産を経験して、私は誰かの母親になるよりもまず先に、自分自身の母親になるべきだと学んだわ」
マライア・キャリー
マライア・キャリーは2010年、TV番組「アクセス・ハリウッド」に当時の夫ニック・キャノンと一緒に出演し、2人の間に最初にできた子どもを流産した経験をシェアした。
「それは私たち2人にとってショックだったし、本当に暗くて辛い気持ちになったわ。それが起きた時……私はそれについて誰とも話せなかった。簡単なことじゃなかったわ」と当時の辛い心境について打ち明けたマライア。ニックは流産の経験は2人の絆を深めたと語っている。「それは私たちの関係をとても強くしてくれました……彼女はとても立派に対処していました」
2人は2011年4月に双子モンロー&モロッカンを授かっている。
シェイ・ミッチェル
「プリティ・リトル・ライアーズ」や「YOU ー君がすべてー」のシェイ・ミッチェルは2018年、インスタグラムのストーリーズで割れたハートの絵文字と一緒にエコー写真を公開。自身の流産の経験についてファンとシェアした。
「私たちは人生においてさまざまな葛藤や挑戦に対処しなくてはいけない。ソーシャルメディアでは時に良いときだけを見せるのが楽だったりするけど、それによって多くの人からSNSの本当らしさの欠如が指摘されてるよね」と彼女。「みんなが私に示してくれるサポートと愛情が一番ダークな日々でも私を押し上げてくれるわ。昨年流産して私の希望と夢だった子供を失ったときがそうだった」
悲しみを乗り越えて、2019年10月、シェイは第1子アトラス・ノアを出産している。
ケイト・マーラ
2019年に夫ジェイミー・ベルとの第1子・女児を出産したケイト・マーラだが、その以前に妊娠8週で流産した経験があるという。
ドクター・ベルリンのポッドキャスト番組に出演した際、ケイトは流産に終わった初めての妊娠について「枯死卵」(胎嚢は存在するがその内部に観察されるべき胎芽が認められないもの)だったと説明。当時は医者から言われたその言葉の意味も分からなかったという。「それが体内にまだ残っている」ために、自然に流産するまで数カ月待たなくてはいけなかった、と語った。
その流産の経験がきっかけで、彼女は次に妊娠が分かった時にはやや怖気づいてしまったという。
「奇妙だったわ。ほろ苦い気持ちというか……私はとてもワクワクしていたけど、最初のときほどは興奮しなかった」
ピンク
2019年、歌手のピンクは米紙USAトゥデイのインタビューで、楽曲「Happy」の「17歳から自分の体が大嫌い/自分の体も自分を大嫌いなんだと思う」という歌詞は17歳のときに経験した流産について歌っていると明らかにしている。
「女性とか若い女の子はこれを経験すると、自分の体が自分を嫌っているような感じがするし、自分の体が壊れてしまったような感覚になる」
その後も何回も流産を経験したというピンクは、その度に辛い経験と向き合うために、曲に書いてきたという。
「自分が引け目を感じていることや、本当の自分、痛みについて語ることは大切だと思う。だからそうやって曲に書いてきた」
ピンクと夫のケアリー・ハートは現在、2人子どもウィロー&ジェームソンの親だ。
リリー・アレン
シンガー・ソングライターのリリー・アレンは2015年、自身のツイッターで彼女の楽曲「Something’s Not Right」は死産した息子の思い出を歌ったものだと明らかにした。
「5年前の今日、私は病院にいました。それから4日後、私は美しい男の子の赤ちゃんを出産しました。ですが、残念ながら彼は生きられませんでした。普段こういったことを公ではあまり口にしないのですが、この曲はあの子の思い出として書いたものです」
ミシェル・オバマ
世界45言語で発売されベストセラーとなった回顧録『マイ・ストーリー』の中で不妊治療や2人の娘を授かるまでの苦悩を綴ったミシェル・オバマ。出版に先駆けて2018年に出演したABCニュースのインタビューでは、自身の流産の経験について率直に語っている。
「私は戸惑い、孤独な気持ちになりました。そして自分が何か失敗してしまったように感じました」とミシェル。「私は流産がどんなに一般的なことなのかを当時知りませんでした。なぜなら、それについて私たちはあまり語っていないからです」
自分の体験をシェアしてくれたセレブたちに拍手を送ると共に、女性たちの団結と支援の輪がさらに広がることを願いたい。