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30代で手に入れておきたい、30の名品。投資価値のある定番アイテムとは?
マイスタイルが確立される30代のうちに手の入れたいベーシックアイテムを、スタイリスト長澤実香さんがセレクト。
30代で手に入れて、マイ・ヴィンテージとして育てていきたい名品を、人気スタイリストの長澤実香さんがピックアップ。不朽の名品からストリートアイテムまで、買って損のない逸品と、それを買うべき理由を解説。
photo: SATOSHI YAMAGUCHI
>長澤実香さんの人気連載「KEYNOTE OF MY STYLE」はコチラ
ハリのあるコットン100%のTシャツ
日常のおしゃれを支えるパートナーとして備えておきたいのが、コットン100%の上質な白Tシャツ。
「20代前半のフレッシュな肌質の頃は、洗いざらしの『ヘインズ』Tシャツでもいいけれど、ある程度の年齢を重ねると、アイロンをきちんとかけないとシャビー過ぎてコーディネートが安っぽくなってしまうんです。だったら、アイロンをかけなくても、パリッとして見えるTシャツを選んだほうがベター。襟ぐりや首まわりの開きにその人の女性観が出るので、自分の目指す女性観に沿う上質な大人ブランドで探すのがおすすめです」と長澤さん。
Tシャツ¥12,500(関税・諸経費込み)/トーテム(MATCHESFASHION)
普遍的なテーラードジャケット
「30代って、仕事やプライベートで何か提案することが多くなってきますよね。説得力や信頼度、この人に任せておけば大丈夫という印象がさまざまなシーンで必要になってきます。そんなときに必要なのが、威圧感がなくしなやかな雰囲気を醸すテーラードジャケット。これを着るだけで周囲が納得してくれて、話が進みやすい――そんなジャケットを味方につけてほしいですね」。
そう語る長澤さんのおすすめは、『ステラ マッカートニー』のジャケット。「私も数枚持っているんですが、体型を選ばず、女性らしさとマニッシュ感がちょうどいいバランスでミックスされているんです。縦長のシルエットで、パンツともワンピースとも相性がよく、流行り廃り関係なくテーラリングの巧みさが際立つデザイン。ジャケットが美しいブランドはたくさんあるけれど、気負いなく“デキる女”に自分を高めてくれるジャケットを探すなら『ステラ マッカートニー』がおすすめです」
ジャケット¥135,270/ステラ マッカートニー(MATCHSFASHION)
自分らしい名品ウォッチ
30代で持っておきたい名品の代表格が、マイ・ヴィンテージになりうる本格派ウォッチ。
「 いい時計を持つこと=大人の特権。時計って、自分だが使うだけでなく、受け継いでいくものでもあります。30年後もつけていることが想像できる、自分らしい名品ウォッチを見つけてほしいですね。私の場合、フェミニン過ぎないシンプルなデザインが、長く使える時計の条件。端正なスクエアフェイスでありながら、エレガンスが香り立つ『シャネル』の“ボーイフレンド”は、30代で持つべき名品だと思います」
時計“ボーイフレンド”(ステンレススティール、34.6 x 26.7mm)¥460,000/シャネル(シャネル カスタマーケア)
「バーバリー」のトレンチコート
男性的なのにしなやかで、憂いがある。格好いい女性の象徴でもあるトレンチコート。普遍的なアイテムこそ、定番中の定番ブランドに投資する価値がある、と長澤さん。
「『バーバリー』の定番トレンチコートは、着丈が長く、着ると中で体が泳ぐ、ややオーバーサイズぎみのシルエット。ヴィンテージにいちばん近いモデルだと思います。今までいろんなモデルや女優の方のスタイリングに使ってきましたが、フェミニンな人を端正に、ハンサムな人にセクシーな印象を添えてくれる、いわば着る人によって雰囲気をきちんと変えてくれる“寄り添う”コートなんです。コンパクトでフィットしすぎるシルエットは、隙がなくて生真面目な感じですが、これは体が泳ぐシルエットで、女性っぽい色気が出る。ちょっとしたディテールに安っぽさが出てしまうトレンチコートだからこそ、王道ブランドで選びたいですね」
コート¥191,345(関税・諸経費込み)/バーバリー(MATCHESFASHION)
自信をくれるブラックデニム
これをはいているだけでスタイルがよく見えて、自分に自信がもてる――そんな鉄板ブラックデニムを備えてこそ、大人の女性。
「ブルーデニムよりもTPOを選ばない、きれいめのブラックデニムは最強ボトム。シルエットや丈感、どんな靴を選ぶかで、その人の女性観が出てくるアイテムなんです。ブラックスキニーを持っていないなら、いますぐ買って損はないと思います」
ジーンズ¥24,055(関税・諸経費込み)/アクネ ストゥディオス(MATCHES FASHION)
「ルイ・ヴィトン」の“スピーディ”
長澤さんが“買って損をしない投資価値のあるエターナルバッグ”として挙げるのが、「ルイ・ヴィトン」の“スピーディ・バンドリエール 30”。
「シーンやコーディネートの振り幅、年齢、女性像を選ばないうえ、全体をどことなく品よく見せてくれるのが『ルイ・ヴィトン』“モノグラム”の魅力。コンパクトながら収納力があり、佇まいもシャープ過ぎないボストンバッグは、だれが買っても損がないマイ・ヴィンテージにふさわしいバッグだと思います」
バッグ(H21×W30×D17㎝)¥160,000/ルイ・ヴィトン(ルイ・ヴィトン クライアントサービス)
気分が上がるハイヒール
“その人の履いている靴は、その人の人格を表すものである”というイタリアのことわざにあるように、大人の女性ほど靴にはこだわるべき。
「説得力やきちんとした印象が必要となってくる30代。短時間で自分を表現するもの=ハイヒールだと思うんです。
いつもの私がレディに変わる瞬間。そんな鏡に映った自分に自信がもてる、ヒール7.5㎝以上の勝負靴をクローゼットに忍ばせてこそ大人の女性だと思います。ただし、痛いだけで歩き方に違和感が出てしまう靴だと本末転倒。自分の足形にあったブランドを見極め、歩行に支障の出ないヒールの高さを選ぶことが大切です」
靴¥88,000(関税・諸経費込み)/ジミー チュウ(MATCHESFASHION)
黒のレースワンピース
「大人になればなるほど、レースの服の登場回数が増えてきます。特に、控えめな華やかさで女性をきれいに見せてくれる黒のレースワンピースは最強。仕事からパーティ、デートまでカバーしてくれる、驚くほどの多様性があるんです」
おすすめは、女性の体をきれいに見せることに定評のある『ドルチェ&ガッバーナ』のレースワンピース。「レースの質感、透け感、着た時のシルエット……どれをとっても最高のバランス。上品で華やかだけれど、ただの“派手でパワフルな女”にならない、欲張りなワンピースです」
レースワンピース¥291,400/ドルチェ&ガッバーナ(MATCHESFASHION)
マイ・スタンダードなスニーカー
20代でいろんなスニーカーに触れてきたからこそ、30代で手に入れておきたい、自分のスタンダードといえるスニーカー。
「この人といえばこれ!という、自分の代名詞的なスニーカーを履いている人っておしゃれですよね。スニーカーって、キャラクター付けのひとつ。ヴィンテージライクでストリートっぽい人なら『ヴァンズ』、モダンなテイストが好きな人なら『ナイキ』、トラッドっぽい人なら『ニューバランス』……。人とは違う個性を求める人におすすめなのが、カラーの魔術師『アディダス』。モダンな雰囲気とほどよいインパクトが加わるので、コーディネートのふり幅がぐんと広がりますよ」
スニーカー“ヤング YUNG-96”¥11,000/アディダス オリジナルス(アディダスグループお客様窓口)
「エルメス」のスカーフ
「スカーフを使いこなす人=おしゃれな大人の女性だと思うんです」と長澤さん。
「フードっぽくラフに巻いたり、ネックレスのようにタイトにアレンジしたり、巻き方さえマスターすればすごく便利なアイテム。自分の好きな柄、サイズを一枚持っておくだけで、着こなしの幅が広がります。やっぱり使いやすいなって思うのが『エルメス』の90×90㎝のカレ。使い込むほどに柔らかくなり、あしらいやすくこなれた印象に。おばあさんになっても使い続けたい投資価値ある逸品だと思います」
カレ“アニマポリス”(90×90㎝)¥52,000/エルメス(エルメスジャポン)
自分に似合う赤リップ
「大人の女性ほど赤リップが似合ってくると思います」と長澤さん。
「すっぴんにこれだけで“いい女”になれる赤リップは、まさに魔法のアイテム。フランス女の多くもノーメークにリップだけ。もちろん20代でも似合うけれど、表現の仕方が違いますよね。30代の赤リップは、確実に自分をきれいに見せ、女の色気を上げるもの。自分の雰囲気や肌色に似合う赤リップをもっているだけで、自信がみなぎるのです。そこで頼りになるのが、赤を追求し続けてきた『シャネル』の赤リップ。さまざまな赤を試してみて、自分にいちばん似合う赤リップを見つけてみてください。だれにでも必ず自分に似合う赤リップはあります! 洋服と同じように、世代によって似合う赤は違ってくるので、40代になったらまた、似合う赤の更新を」
ルージュ アリュール リクィッド パウダー 各¥4,200/シャネル(シャネル カスタマーケア)
色気のあるポロシャツ
白シャツ、デニム、トレンチに加えたいベイシックアイテムとして、長澤さんがリコメンドするのがポロシャツ。
「実は、ポロシャツって、ボーダーTシャツと同じくらい普遍的なもの。ベーシックカラーのポロシャツに赤リップやパール、上質な時計を加えるだけで、ヘルシーな色気がぐっと出たりするんです。ボタンを閉めてメンズライクに着たり、逆に女性っぽいものに合わせるときはボタンを開ける。ふたつしかないボタンの開け閉めで、印象をかなり操作できるんです。20代だと学生っぽくなってしまう制服の延長線的アイテムですが。30代に入るとぐっと色気が増す。そんな大人のためのポロシャツをぜひ取り入れてほしいですね」
ポロシャツ ¥33,927(関税・諸経費込み)/リー マシューズ(MATCHESFASHION)
一枚で決まる白シャツ
「白シャツって、その人を誠実に見せるのに最も適したアイテム。だからこそ、30代女性は白シャツを味方につけるべき」と長澤さん。
「定番のオーソドックスな白シャツ以外に、一枚でおしゃれに決まる白シャツが便利。端正なアイテムだからこそ、丈感やフォルム、ディテールのデザインで自分らしさを加えるのが、白シャツが似合う大人の女性の第一歩。『ジル サンダー』の少し長めの丈のタキシードシャツも、ユニセックスな雰囲気で着られるのでおすすめです」
シャツ¥68,287/ジル・サンダー(MATCHESFASHION)
インパクトのあるシルバージュエリー
「20代と30代では、ジュエリーの似合い方が違ってきます。20代は華奢なジュエリーのレイヤードが似合うけれど、30代はがつんと主張のあるデザインのほうが似合うようになってきます。今シルバージュエリーを選ぶなら、質のいい素材のインパクトのあるデザインを。例えば『ティファニー』の“ハードウエア”コレクションのように、普段使いして格好いいシルバージュエリーが30代女性にふさわしいと思います」
左 “ティファニー ハードウェア”ミディアム リンク ブレスレット¥66,000 右 “ティファニー ハードウェア” リンク ブレスレット¥165,000/共にティファニー(ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク)
自分もまわりも心地よい香り
まわりへの気遣いや気配りが必要になってくる30代。香りも、自分さえよければではなく、周囲の人を不快にさせないという観点で選ぶことが必要に。
「自分からいい香りが漂うと、守られている気分になるもの。ただし、香りは、本能に直結するからこそ、好き、嫌いがハッキリと出る。つけ方やつける香水によっては、人を不愉快にしてしまうことも……。今は特に、科学的な匂いに敏感な人も多い。広範囲に香って居心地のいいのもの=ナチュラル成分のフレグランス。天然由来のエッセンスを何層にも重ねた『フィエール フレグランス』の香水なら、自分も周りも居心地よくいられるうえ、モード派も納得のモダンな香りが楽しめます」
香水¥14,000/フィエール フレグランス(ミッド タウン プロジェクト)
「プラダ」のクルーネックセーター
ベーシックアイテムこそ、上質なものを選んだほうがコスパがいい!と力説する長澤さん。
「『プラダ』のニットは、ベーシックを追求しつくした完成されたニット。一見普通なんですが、糸の質感や光沢感がほかとは全然違うので、着たときの印象が圧倒的におしゃれ。普遍的なものこそ、毎年買い替えるのではなく、本当にいいものを一枚買ったほうが長い目で見たときにコストパフォーマンスがよいと思います」
セーター¥85,000(予定価格)/プラダ(プラダ クライアントサービス)
雨の日に履ける大人靴
「長靴って、20代のときはよいけれど、年齢を重ねるほどに似合わなくなってくるもの」と長澤さん。
「ファッションやメイクが大人っぽいぶん、足もとだけ急に子供っぽくなってしまいますよね。そこでおすすめなのが、『ドクターマーチン』のチェルシーブーツ。エイトホールブーツの影に隠れた、実は裏の名品なんです。パンツはもちろん、ワンピースに合わせても、足もとにほどよいボリュームが出るのでバランスよく仕上がります。さらに、雨に濡れてもストレスなし。雨の日にカッコよく履ける靴を持っておくと、天候に気分が左右されずポジティブな気持ちでいられますよ」
ブーツ¥24,000/ドクターマーチン(ドクターマーチン・エアウエア ジャパン)
毎日つけられるエッセンシャル・ピアス
「少し前ならダイヤモンドの一粒ピアスでしたが、今は少し個性や遊び心を感じさせるヴィンテージ感のあるものが気分」と、長澤さんがリコメンドするのが、「ブシュロン」“セルパンボエム”のダイヤモンドピアス。
「 肌なじみのよいゴールドとダイヤモンドの白い輝きのコンビネーションこそ、30代でものにすべきジュエリーづかい。ダイヤモンドが似合ってくる30代は、パーカやポロシャツといったカジュアルな服に似合うダイヤモンドジュエリーをお守りのように毎日つけるのが素敵だと思います」
“セルパンボエム”スタッズイヤリング(XS)¥374,000/ブシュロン(ブシュロン カスタマーサービス)
個性を引き立てる柄アイテム
30代になると、ついついベーシックな無地アイテムばかり選んでしまいがち。
「無地ばっかりでおしゃれがつまらなくなるよりも、 自分らしさのフックになるような柄をひとつ決めて、キャラクターづくりに活用してみては? ストライプや花柄、または色でもよいのですが、『この柄(色)ってあの人のイメージだよね』と印象付けられれば、似合う服選びのヒントにもなってきます。ベーシックなワードローブの活性剤としても一役買ってくれるはず」
アップサイクルコットンスカート¥49,680(関税・諸経費込み)/マルケス アルメイダ(MATCHESFASHION)
パールネックレス
長澤さんが30代前半で買っておくべきだったと語るのが、パールネックレス。
「30代後半で『ミキモト』のパールネックレスを手に入れたのですが、もっと早く手に入れてもよかったと思うほど重宝しているジュエリーです。冠婚葬祭はもちろん、これほどまでにデイリーに使えるジュエリーは他にはないと思います。Tシャツやデニムといったカジュアルにエレガンスを添えるなど、30代に必要なミックス&マッチコーデに不可欠なアイテム。控えめで品がよく、その人をきれいに見せてくれる本物のパールを30代のうちに手に入れて、メンテナンスしながら長く使ってほしいですね」
選ぶなら、40㎝くらいの首に沿う長さで、大げさすぎない7~7.5ミリ珠のアコヤパールがおすすめ。
ネックレス¥430,000/ミキモト(ミキモト カスタマーズ・サービスセンター)