「モデルは痩せていなければならない」「痩せている人だけが美しい」そんなステレオタイプな固定観念が“古いもの”として取り除かれてきている昨今。それでもいまだにファッション業界の一部では深い闇があるようで……ニューヨーク出身の22歳のモデル、アナ・ガントがTikTokに投稿したある動画が1970万回以上再生され話題を集めている。

これはtiktokの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

「NYのモデルの現実へようこそ」とキャプションを付けた動画では、キャスティングから戻ってきたアナが号泣する様子がおさめられている。 アナ曰く「最近モデルであることが嫌いになってきた。今日キャスティングに行ったらプロデューサーとディレクターから『君の体は大きすぎる』『骨を見たい』『撮影は12月だからそれまでに痩せてほしい』と言われた」「この街に住んでいると、自分のことを最低だと感じるようになる。自分には何か足りないし、そのためには不健康な生活をしなければならないと思ってしまう」と涙ながらに訴えた。

「骨が見たいからもっと痩せてほしいと言われた」摂食障害で生理も止まり……モデルがファッション業界の闇をtiktokで告発
Courtesy of annavgantt via Instagram
10代の頃のアナ(写真左)と現在のアナ(写真右)。

2014年に15歳でモデルを始めたというアナ。当時はXXSサイズだったとのことで、長年摂食障害やそれに伴う月経不順、無月経に悩まされてきたとのこと。「この5年間で約15㎏体重が増えたけれど、おかげで健康的になり、Sサイズになった」「自分に体に自信がもてるようになったのに、まだ痩せるように言われる。私は今のままで十分痩せているのに!」。

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アナは続けて「TikTokを見ていると、みんなファッション業界で働きたがっているし、モデルになりたいと思っている人が多い」「痩せているモデルが“普通のサイズ”だとは思わない。もちろん元々痩せている子もいるけれど、ディレクターたちが私やカーヴィな体型のモデルに痩せるよう指示するのはもううんざり」「もう2021年なのよ! 『撮影のために痩せろ』なんて本当にありえない」とモデルという仕事やファッション業界への怒りを爆発させた。

アナの動画には380万いいね!と6万件を超えるコメントがよせられた。なかには有名セレブはファッションブランドからのコメントもあり、人気歌手のビービー・レクサは「あなたはすばらしい。彼らにあなたのサイズを定義させないで。あなたを信じるエージェントと一緒にあなたを助けさせてほしい」と救いの手を差し伸べた。

アナの身に起きてしまったことは悲しい事実だけれど、勇気をもって声をあげる行為がファッション業界や美しさに対するステレオタイプな考えに変化をもたらすきっかけとなるはず! 今後のアナの活躍を見守りたい。