シモーネ・バイルズから大坂なおみまで。東京2020オリンピックで発せられたアスリートたちの記憶に残るコメントまとめ
苦しい思いをしてきたアスリートだからこその言葉は、気づきを与えてくれる。
紆余曲折を経て1年の延期となり、なお混乱が続くなか始まった東京オリンピック。コロナ禍の五輪となり、日本中、世界中で賛否両論、さまざまな意見が交わされているけれど、アスリートたちはひたむきに、メダルを目指して戦いに挑んでいる。そこでオリンピックで生まれたアスリートたちのパワフルで、胸を熱くする数々の言葉をここに収録。勝ち負け、メダルの有無にかかわらず、これまで苦しい思いをしてきたアスリートたちだからこそ生まれたその言葉は、私たちに気づきと勇気を与えてくれるはず。
大橋悠依/競泳女子400メートル、200メートル個人メドレー 金メダル
「まだ夢みだいなんですけど、泳いでいてすごく楽しくて。本当にそれが、自分が水泳をやっているすべてかなって。やってきたことは間違ってなかったし、楽しいレースができたと思います」
レース後のインタビューにて
五十嵐カノア/サーフィン男子 銀メダル
「金メダルが取れなくて悔しいですけど、海の神様にありがとうと思いました。初の五輪で良いサーフィンを見せることができて、日本のためにメダルも取ることができました」
競技後のインタビューにて
都筑有夢路(つづき・あむろ)/サーフィン女子 銅メダル
「めちゃくちゃうれしい。メダルを取ったことで、サーフィンを日本中の人に知ってもらえたらうれしいです」
競技後のインタビューにて
堀米雄斗/スケートボード男子ストリート 金メダル
「自分は江東区で生まれ、スケボーも江東区で始めました。いまだにオリンピックに自分がいることが信じられないです。江東区でベストの滑りができて、本当にうれしい。スケボーの楽しさや、奥深さをみんなに伝えていきたいです」
競技後のインタビューにて
大坂なおみ/テニス女子シングルス 3回戦敗退
「母国である日本でのオリンピック開催で、日本代表としてこの大きな舞台に立てたことは私にとって夢のような時間であり、とても誇りに思っています。今の自分にできるプレーをさせていただきましたが、皆様の期待に応えることができずごめんなさい。私自身も今はとても悔しい気持ちですが、これからもテニスプレーヤーとして頑張っていきます」
試合後に出したコメントにて
シモーネ・バイルズ(アメリカ)/体操女子団体総合 銀メダル 途中棄権
「私はもう自分自身を信用していません。年齢もあるかもしれませんが、自分が出場を続けることで、チームがメダルを失うというリスクを冒すことは無理でした。私は自分のメンタルヘルスを優先しなければいけません。今のスポーツではメンタルヘルスがより普及していると思います。自分の健康と幸福を、保護する必要があります」
競技後のインタビューにて
トーマス・デーリー(イギリス、写真左)水泳男子シンクロ高飛び込み 金メダル
「私はゲイで、金メダリストです。オリンピックチャンピオンは長年の夢でした。まだ実感がない。自分のストーリーを伝えることで、人々の意識を変えることができると思っています」
競技後の会見にて
西矢椛(にしや・もみじ)/スケートボード女子ストリート 金メダル
「うれしすぎたから、涙がこみあげてきました。世界で知らない人がいないぐらい有名になりたい。パリ五輪にも出て、優勝したいです。スケボーは楽しいし、面白いからみんなやってほしいです」
競技後の会見にて
中山楓奈/スケートボード女子ストリート 銅メダル
「(西矢)椛が1位にいたので、逆転しようと思ったけどダメでした。観客がいなかったから、いつもよりプレッシャーなく滑れたと思います。(次のパリ大会に)出られるなら、出てみたいです」
競技後の会見にて
上野由岐子/女子ソフトボール 金メダル
「もう本当、感無量です。これが自分が背負っていたものだし、このマウンドに立つために13年間いろんな思いをして、ここまでこれたと思うので、投げられなくなるまで投げてやるって、先発に立ちました。諦めなければ夢は叶うと伝えられたと思うので、これからソフトボール競技はなくなりますが、諦めることなくしっかり前に進んでいけたらいいなと思います」
試合後のインタビューにて
エリザベト・ザイツ(ドイツ、写真右から2人目)/体操女子団体総合 予選敗退
「(ボディスーツのユニフォームを着たことにより)私たちは、すべての女性、すべての人が何を着るかについて自分で選ぶことができると示したかった。それは、これまでの(性的に見える)ユニフォームは着ないという意味ではありません。どのユニフォームを選ぶかは、私たちが何を感じて、何を望むかによって毎日変わります。試合の当日に自分が何を着るかは、その日に決めるというだけです」
練習前のインタビューにて
大野将平/柔道男子73キロ級 金メダル
「子どものころ好きで始めた柔道が、リオ五輪以降嫌いになって。何のために稽古をやっているのだろうと、自問自答する日々でした。この大会も自分は何者なのか確かめるために、証明するために闘うことができました」
試合後のインタビューにて
阿部一二三/柔道男子66キロ級 金メダル
「(兄妹での金メダルは)歴史に名を刻めたというか、歴史を塗り替えられたと思います」
試合後のインタビューにて
阿部詩/柔道女子52キロ級 金メダル
「兄もしっかり優勝してきてくれたので、本当に家族一丸となって達成した金メダル。本当に柔道をやってきてよかったという気持ちがあふれ出てきました。さらに強く進化していけるように、頑張っていきたいです」
試合後のインタビューにて
永瀬貴規/柔道男子81キロ級 金メダル
「前回のリオ五輪で悔しい思いをして、それから5年間、本当につらい時間の方が多かった。本当にこのためにやってきてよかったです」
試合後のインタビューにて
三宅宏実/重量挙げ女子49キロ級 記録なし
「結果はお粗末さまだったけれど、幸せでした。完全燃焼です。ひとまずもう、出し切りました。重いものはしばらく持たないと思います。第二の人生も、充実した人生にしたいです」
競技後のインタビューにて
伊藤美誠/卓球混合ダブルス 金メダル、卓球女子シングルス 銅メダル
「すんごくうれしいです。最後まであきらめずにできたので、すっごい最後まで楽しかったです」(卓球混合ダブルス 金メダル)
「やってることは悪くなかったですけど、惜しくもなかったので悔しいです。(流しているのは)悔し涙です。ただこれが実力なので、しっかり気持ちを切り替えて次の試合に準備したいと思います」(卓球女子シングルス 銅メダル)
ともに、試合後のインタビューにて
水谷隼/卓球混合ダブルス 金メダル
「この東京オリンピックで、今までのすべてのリベンジができました」
試合後のインタビューにて
内村航平/体操男子種目別鉄棒 予選敗退
「(後輩たちの)演技から、すごい気持ちが伝わってきました。もう本当に心配はいらないのかな(と見ていました)。彼らが主役です」
競技後のインタビューにて
高藤直寿/柔道男子60キロ級 金メダル
「豪快に勝つことはできなかったですけど、これが僕の柔道です。もっと金メダリストとして、自分を磨いていきたいと思います」
試合後のインタビューにて