ヴェネチア国際映画祭金獅子賞、アカデミー賞名誉賞を受賞し、日本映画が世界的に注目を集めるきっかけとなった黒澤明のマスターピース。原作は芥川龍之介の短編「藪の中」。平安時代、貴族女性が山賊に襲われ、そばにいた侍が殺される。盗賊は捕われ、裁判となるが、山賊と襲われた女性の言い分はまるっきりかけ離れていた。最後には侍の霊を呼び出す巫女が証言することとなり……。同じ出来事を複数の人物の視点から描く手法はその後、映画で広く使われるようになった。三船敏郎演じる女好きの盗賊など、生き生きしたキャラクターもユニーク。ジョージ・ルーカスが『スター・ウォーズ』製作時に黒澤映画を参考にしたことは有名。