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フィリップ王配に関する、知られざる7つの意外な事実

先日亡くなった王配。その人生には、「ザ・クラウン」では描かれていないことも――

Erin Quinn-Kong
anwar hussein collection
Anwar Hussein//Getty Images

エディンバラ公フィリップ王配は99歳で亡くなるその日まで、73年以上連れ添ったエリザベス女王と王室一家にとって、常に支えとなる存在だったそう。

Netflixのヒットドラマ「ザ・クラウン」では、妻の戴冠式で彼女に対してお辞儀をしなければならなかったことや、子どもに自らの姓「マウントバッテン」を受け継がせることが認められなかったことに不満を持っていた様子などが描かれているが、そのほかにも私たちの知らない意外な側面もある。

そこで、欧州の王室に詳しいトロント大学継続学習学院のキャロリン・ハリス博士が、王配について知っておくべきちょっと意外な7つのことを教えてくれた。

Photos: Getty Images From TOWN&COUNTRY

1. つらい幼少期を過ごした

young prince philip
Picture Post//Getty Images

フィリップ王配は、ギリシャ&デンマークのアンドレアス王子と、妻のバッテンバーグ(英語名はマウントバッテン)家のアリス妃の長男として、1921年6月10日に誕生。だがその子ども時代はエリザベス女王とは大きく異なり、波乱に満ちたものだった。

ギリシャで起きたクーデターにより、王配は幼児期に両親と4人の姉たちとともに祖国を追われ、9歳のときには母アリス妃が精神を患い、スイスの施設に入ることに。その頃に父は愛人と家を出て行ったため、イギリスの寄宿学校に入ることになったという。学校が長い休みの間は、あちこちの親戚の家に預けられていたそう。

写真:左から2番目がフィリップ殿下。学校の友人たちと遊んでいるところ。

2. エリザベス女王とは遠い親戚同士

queen elizabeth ii and prince philip portrait
Michael Ochs Archives//Getty Images

実は2人はともにヴィクトリア女王の血を引いており、高祖父母が同じ(みいとこ)という関係。

女王と5歳年上のフィリップ王配が出会ったのは1939年、女王が13歳のとき。ダートマスにある海軍兵学校を訪問した女王を案内したのが、彼だったそう。

ハリス博士よれば、女王は初めて会ったときから彼に好印象を持っていたという。その後7年にもわたって文通を続けた2人は、女王の父である国王ジョージ6世から許しを得て結婚。女王はこのとき21歳だった。

3. 王室内での役割を模索していた

variety duke
George W. Hales//Getty Images

「ザ・クラウン」でも描かれているように、エリザベス女王が戴冠した1952年以降、海軍の仕事から離れた王配は、王室内での自らの役割を見つけることに苦労したそう。ハリス博士によれば、それは「彼にはロールモデルとなる人がいなかったため」。

その後、彼は800以上の慈善団体のパトロンとなり、女王の私有地を管理するなどしてきたほか、チャールズ皇太子をはじめ4人の子の教育に関する方針を決定するなど、家族内の指導者的な役割を果たしてきたという。また、高齢を理由に王室の公務から引退した後も、合わせて780の団体のパロトンや理事、会員であり続けたとのこと。

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4. 進歩的な考えを持っていた

philip at fernhurst
PNA Rota//Getty Images

王配は、エリザベス女王の戴冠式の様子がTV中継されることに乗り気だったとされている。ハリス博士は、「彼はテクノロジーや、王室を近代化することに高い関心を持っていました」と話す。

2017年2月にハイブリッド型バスエンジンを手がけるヴァンテージ・パワー社を視察したときには、王配が1960年代、初期の電気自動車に乗っていたことを思い出した人も多かったよう。

5. 失言癖も

queen elizabeth ii receives malala at buckingham palace
WPA Pool//Getty Images

エリザベス女王は自身の発言に慎重なタイプだが、フィリップ王配は歯に衣を着せず物を言うタイプ。ときには相手に不快感を与える冗談を言ってしまうことも。例えば「ザ・クラウン」では、アフリカの王がかぶっていた王冠について、「いい帽子ですね」と発言してしまう場面がある。

ハリス博士によれば、若い頃には物議を醸す発言が取り沙汰された王配だが、90代になると、周囲の見方も寛大になっていったそう。2013年にノーベル平和賞受賞者で女性人権活動家のマララ・ユサフザイさんと面会したときには、「家の外に出したいから、みんな子どもを学校に行かせたいんです」とジョークを飛ばし、マララさんをクスクスと笑わせていたとか。

6. ビッグスキャンダルも経験

diana and philip derby
Tim Graham//Getty Images

1997年8月、ダイアナ元妃が自動車事故で死去。車に同乗していて同じく死亡した元妃の恋人、ドディ・アルファイド氏の父親で、エジプト出身の大物実業家モハメド・アルファイド氏は事故の後、「フィリップ王配がダイアナ元妃の殺害を命じた」と主張し大きな波紋を広げた。

だがこれについてハリス博士は、「大々的な調査が行われましたが、犯罪は立証されていません」と述べている。

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7. 女王とのラブストーリーは本物

queen, duke of edinburgh diamond wedding anniversary
Tim Graham//Getty Images

フィリップ王配が浮気をしていたとの報道はあるものの、それは単なる噂に過ぎないもよう。ハリス博士は、「王配は気のあるそぶりを見せるようなところがあったようですが、噂になった女性たちはみな、否定しています」と語る。

2017年に70回目の結婚記念日を迎えたときには、毎日一緒に午後のティータイムを楽しんでいるようだと伝えられている。

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