2020年の民主党大会で明らかだったように、ジョー・バイデンは家族を強調する。ビデオでは妻ジル・バイデン博士との数十年におよぶラブストーリーや、孫たちとの強い絆、子供2人と最初の妻を亡くした経験を紹介した。投票日に少し近づいた今、彼とその家族にすべての視線が集まっている。
バイデンには、最初の妻ネイリア・ハンターとの間に、ロバート、ジョセフ、ナオミの3人の子供がいる。その後、2番目の妻ジルとの間に娘のアシュリーが誕生。それから孫が数人生まれ、家族はさらに大きくなった。
そこで、バイデン一家について、もっとよく知っておこう。
ナオミ・バイデン
娘のナオミは1972年、1歳の時に交通事故で亡くなった。ジョーの最初の妻であり、ナオミの母であるネイリアもこの事故で死亡した。
ジョセフ・“ボー”・バイデン
バイデン家の長男で、ニックネームの“ボー”で呼ばれる彼は、カマラ・ハリスと近しく活動した政治家だった。
2003年、彼は陸軍法務総監部隊の少佐として陸軍州兵に加わった。その後、政治の世界に入り、デラウェア司法長官に選ばれて2007年〜2015年まで務めた。2016年にデラウェア州知事選に立候補を予定していたが、2015年、脳腫瘍で亡くなった。
「息子のボーがガンで亡くなると、私は自分が二度と笑ったり喜んだりできるのかどうかわかりませんでした。夏でしたが、私には何の暖かさも残っていませんでした」とジルは民主党大会の演説で語った。「ボーの葬儀から4日後、ジョーがヒゲを剃り、スーツを着るのを見ました。鏡に向かって気持ちを強く持ち、息を吸い、胸を張って、息子がいなくなった世界に出て行く彼を見たのです。彼は仕事に戻りました。彼はそういう人です」
ボーには妻ヘイリー・オリヴェールと2人の子供、ナタリー・バイデンとロバート・ハンター・バイデン2世がいる。
ロバート・ハンター・バイデン
バイデン家の次男。普通はミドルネームのハンターで呼ばれる彼は弁護士で、ベンチャーキャピタルのEudora Globalの共同創業者。
ABCによると、彼は薬物乱用や「騒がしい私生活」でタブロイド紙を賑わせたこともある。
『New Yorker』誌のインタビューによると、ロバートは父との会話を、「僕が彼に謝ると、彼は『謝るのは僕のほうだ』と言って、どちらがより申し訳なく思わなくてはいけないかの議論が止まらなくなる。僕たちはどちらも、こういうことを解決するには勝つことしかないとわかっている。彼が『いいかい、そのうち解決するよ』と。そこには実はより高い目的があって、これもいつか解決すると。じゃ、暴力に耐え抜くことはできるかい?」と語っていた。
彼はまた、依存症を抱えながら生きることについても率直に語った。「誰にも痛みはある。トラウマはある。どの家庭にも依存症はある。僕はそのくらい暗闇にいた。トンネルの中にいた。出口のないトンネルだ。それを排除することはできない。対処法を見つけ出すしかないんだ」
2017年、ロバートはキャスリーン・ブールと離婚。2人の間には3人の子供、ナオミ(亡くなった叔母=ロバートの妹からとった)、フィネガン、メイジーがいる。直後に、ロバートは亡くなった弟ジョセフの妻ヘイリーとの交際を始めた。「僕たちはとても特別な悲しみを共有していた」とロバートは交際について『New Yorker』誌に語っている。「僕の喪失感を理解してくれる人は人生でヘイリーしかいないと思うようになった」
ヘイリーとロバートは結局、2019年に破局。『Washington Post』紙によると、その後ロバートは南アフリカのフィルムメーカー、メリッサ・コーエンと結婚した。
アシュリー・ブレイザー・バイデン
バイデンの末娘はテュレーン大学卒業後、刑事司法改革志向のNPOデラウェア・センターフォー・ジャスティス(Delaware Center for Justice)のエグゼクティブディレクターに就任。またデラウェアで15年間、ソーシャルワーカーとしても働いた。
子供の頃、アシュリーは父の政治に影響を与えたことがある。『Delaware Today』紙のインタビューによると、彼女は「リサーチやポスターで準備をし、イルカを救うにはどうすればいいかについて話して」バイデンにアプローチしたところ、バイデンはバーバラ・ボクサー下院議員と協働して1990年に「イルカ保護と消費者情報に関する法(Dolphin Protection Consumer Information Act)」を成立させた。
アシュリーは現在、ファッション業界に軸を転換。2017年、アメリカ製の衣料会社Livelihoodを創業した。「ライブリフッドは特に収入の平等を大事にしています。人種間の不平等と収入の不平等は直接、関係しているのです」と、以前『ELLE』に語っていた。
また彼女は最近、形成外科医のハワード・クラインと結婚した。
ナオミ・バイデン
ナオミは、ロバートと最初の妻キャスリーン・バイデンの娘で26歳。1972年に亡くなったジョーの娘から名前をとった。最近、心のこもったツイートで、彼女はバイデンのことを「あなたの孫であることを、日々誇りに思っているわ」と、心のこめてツイートしていた。
この5月、ナオミはコロンビア大学ロー・スクールを卒業、祖父ジョーはソーシャルディスタンスを守った基調演説をした。それ以前、彼女はペンシルバニア大学の学生で2016年に卒業、(トランプ大統領の2番目の妻との娘)ティファニー・トランプと同級生だった。2人は一緒に写真を撮ったことで混乱を生んだが、ナオミはツイッターで堂々とドナルド・トランプを非難している。
ジョーが副大統領だった時、ニュージーランドやオーストラリア、トルコ、モンゴルなどの外遊に同行した。
フィネガン・バイデン
ナオミの妹フィネガンはキャンペーン中の祖父と一緒のところが目撃されている。ナオミと同様、彼女もジョー・バイデンの母、キャサリン・ユージニア“ジーン”・フィネガン・バイデンから名前をとった。
メイジー・バイデン
メイジーは、ロバートとキャスリーン・バイデンの末娘。姉たちと同じく、彼女も副大統領時代の祖父の外遊に同行し、コロンビアやケニアなどを訪ねた。『Chicago Tribune』紙によると、彼女はサシャ・オバマと親しい。彼女たちは同じ学校に通い、一緒にバスケットボールをし、どちらも幼い頃にそれぞれ父と祖父が政権に就いた。
バイデン本人も、メイジーとサシャの絆は強いと認識している。「彼女のベストフレンドはサシャ・オバマだ」。高校の卒業式には「バラクもジルも、家族全員が一緒になった」と、語っていた。
ナタリー・バイデン
ナタリーは、ヘイリーと故ボー・バイデンの娘で16歳。先日の2020年民主党大会で流されたビデオで、彼女といとこのナオミが、祖母ジル・バイデンの人柄について率直に語った。「彼女は平均的なおばあちゃんとは違いますね」と、ナオミ。「彼女はいたずら好きで、とてもお茶目。いろいろな逸話があるわ」と、ナタリーは加えていた。
ロバート・“ハンター”・バイデン二世
ジョセフとヘイリーの第二子で2006年に生まれた彼は、叔父の名前をとって名付けられた。2020年民主党大会では、姉やいとこたちと一緒に忠誠の誓いを暗唱していた。
メジャー
バイデン夫妻の愛犬、メジャー。ジャーマンシェパードの彼は2018年11月にデラウェアの動物愛護組織が運営するシェルターから夫妻の家に引き取られた元保護犬。バイデン氏が大統領に確定すれば、ホワイトハウスにやってくる初めての保護犬になると話題に!
Translation: Mitsuko Kanno From Harper's BAZAAR.com