この9月に全米公開が予定されている『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』(’21)では前作以上に重要となったキャラクターを演じているミリセント。彼女は、1歳の時に服用した治療薬の影響で聴力を失った聴覚障がい者だ(人工内耳を装着しているけれど、微かな音が聞こえる程度とのこと)。ろう学校の演劇部で演劇を始め、12歳の時にオーディションで『ワンダーストラック』(’17)主役ローズをゲット! 両親の離婚後、孤独に悩む令嬢を繊細に演じたミリセントは、映画初出演ながらも高い評価を得て、数々の映画賞にノミネートされている。その彼女の好演が聴覚障がいを持つ若手女優を探していたジョン・クラシンスキーの目に留まり、『クワイエット・プレイス』(’18)に抜擢されたのだ。母親役のエミリー・ブラントらの手話指導も担当したミリセントは、パンデミックでマスク着用が拡大した2020年には口元が見える透明マスクをデザイン。『Seventeen』誌が選ぶ“Voices of the Year 2020”にも選出されている。
ミリセント・シモンズ(Millicent Simmonds)